近年では様々な動物がペットとして飼育されるようになってきました。
犬や猫はもちろん、たくさんのエキゾチックアニマルたちもペットとして飼われるようになってきました。
そんなエキゾチックアニマルのうち、シマリスはペットにできるのでしょうか。
今回は身近なエキゾチックアニマル「シマリス」をペットにすることができるのか、またその際の注意点についても詳しくご紹介していこうと思います。
目次
シマリスはペットにできる?
結論からいうと、シマリスはペットにする事は可能です。
むしろペットとして人気が出てきています。
ペットにできるのは確かなのですが、ペットとしての歴史はまだまだ浅いという事実もあります。
そのためイヌやネコとは違い、まだまだ野生味を強く残した野生動物でもある、という点で注意が必要なのです。
シマリスの値段とその背景
昔はシマリスは非常に安価で入手出来ていました。
値段はおよそ5,000円ほどで入手することができ、ペットショップで見かけるとその可愛さから衝動買いする人も多かったようです。
しかし今では値段も10,000円前後に高騰傾向にあります。
その背景には様々な要因があるのですが、その一つに「特定外来生物」に指定されてしまったという背景があります。
シマリスの種類について
以前はシマリスというと、朝鮮半島から輸入されたチョウセンシマリスと、中国から輸入されてきたチュウゴクシマリスの2種類のシマリスがペットとしては主流でした。
日本にも北海道にエゾシマリスが生息していますが、天然記念物に指定されていますので、捕獲も飼育も認められていません。
その他にもトウブシマリスなどたくさんのシマリスの亜種が世界中に生息していますが、日本で見ることができるシマリスは、エゾシマリス、チュウゴクシマリス、チョウセンシマリスの3種という事になります。
チョウセンシマリスに関しては、日本への輸出が制限されてしまった為、現在では新たにチョウセンシマリスを輸入、飼育することはできなくなっています。
現在ペットとして出回っているシマリスの多くが、チュウゴクシマリスという事になりますね。
ただし、以前輸入されていたチョウセンシマリスの国内繁殖個体もペットとして流通しているため、チョウセンシマリスを飼育することは不可能ではありません。
チョウセンシマリスとチュウゴクシマリスの違いとは?
これら2種類のシマリスの違いとは何なのでしょうか。
基本的に同じシマリスですので、ほぼ違いはあ無いのですが、若干の見た目の違いが挙げられます。
- チュウゴクシマリスの方が一回り大きいという特徴があり、背中に走る縞模様もチュウゴクシマリスの方が色が薄い傾向にあるようです。
- チョウセンシマリスはより小柄でスリムな体型をしており、縞模様もくっきりと濃い色をしているのが特徴的です。
もちろん必ずしもそうであるとは言い切れませんし、中には太ったチョウセンシマリスもいるでしょうから、本当に見分けが付かない事もあるかもしれませんね。
シマリスを飼う際の注意点とは?
シマリスは日本にはエゾシマリスしか生息しておらず、本州以南には本来生息していない生物ということになります。
つまり、本州以南で野生で見かけたシマリスがいるとすれば、それは飼い主が逃がしたシマリスである可能性が高いです。
ペットとして流通しているシマリスはどれも大陸からの外来種であるため、逃がしたり野外に放したりしてはいけない動物なのです。
シマリスが逃げてしまう理由
シマリスは基本的にすばしっこい動物ですので、簡単に脱走してしまう可能性があります。
ケージにわずかな隙間があったりすると、そこから齧って穴を広げてしまい脱走に至るケースも多いです。
もう一つの理由としては、飼い主が意図的に逃がしてしまう事例です。
これはシマリスが秋になると凶暴化するという特性に由来します。
シマリスは秋になると性格が突然凶暴になり、飼い主に噛みつくようになり、飼育自体が難しくなる事があります。
しかし必ずしもすべてのシマリスにこれが当てはまるわけではなく、中には凶暴にならないシマリスも確かに存在します。
この凶暴化する原因については諸説ありますが、シマリスの生態がそうなんだと割り切るしかありません。
普通は春になれば再び大人しいシマリスに戻るのですが、中にはなかなか凶暴化したまま元に戻らない個体もいるようです。
シマリスを逃がしてしまう飼い主は、たいていこの凶暴化したシマリスのお世話が仕切れず、逃がすに至るケースが多いようです。
いくら飼育が困難になったとはいえ、外来種を逃がす行為はシマリスに限らず許されることではありませんので、この事実をしっかりと把握したうえでシマリスを飼育するか検討すべきだと言えます。
ちなみに、購入時にペットショップでこの事実を教えてもらえる事はほとんど無いと言って良いでしょう。
シマリスは冬眠する
シマリスは冬眠する動物です。
意外と知られていない事かも知れませんが、野生のシマリスは冬から春にかけて、巣案の中で冬眠するのです。
飼育下のシマリスに関しては、冬眠させる方法か、保温することで冬眠させない方法の2択を迫られることになります。
一般的には冬眠させずに保温して冬越しをさせる飼育方法が安全だとされています。
これは冬眠には大変なエネルギーと労力を要する命がけの行為であることが挙げられ、冬眠させずに保温して冬越させる方が遥かに生存率が高く安全なのです。
ただし冬眠させなかった場合、シマリスの寿命は短くなる傾向にあるという事は覚えておきましょう。
餌はヒマワリの種だけではダメ!
シマリスの餌と言えば、ドングリやヒマワリの種という印象が強いのではないでしょうか。
間違ってはいませんが、これは誤った考え方です。
野生下のシマリスは実に様々なものを食べて栄養を摂取しています。
むしろヒマワリの種は高カロリー、高脂肪な食べ物であり、人間でいうところのお菓子やケーキを食べているに等しいと思って良いでしょう。
そればかり食べていると健康的に育つはずがありませんので、様々な餌を食べさせてあげる必要があるので、知っておきましょう。
運動不足に注意!
シマリスは運動量が半端なく多い動物です。
中でも上下運動が大好きですので、木登りなどをとても好みます。
狭いケージの中ではストレスになってしまい、病気になって早死にするというケースもありますので、定期的に部屋の中に放して遊ばせてあげるなど工夫が必要になります。
この時にも注意が必要で、部屋の中にはシマリスにとって危険なものが無い事をしっかり確認したうえで遊ばせるようにしましょう。
懐かないシマリスも多い
そもそもシマリスは野性味を強く残した動物ですので、懐くかどうかはその個体によってばらつきがあります。
懐かない個体も結構いますので、飼い始めたはいいけど、懐かないから捨てたり逃がすことのないようにしたいものです。
トイレを覚えない
シマリスにトイレという概念は無いと思って良いです。
シマリス自体はきれい好きですので、トイレをする場所は自分である程度決めて行う習性があります。
しかし飼い主の意図した場所をトイレにすることはめったになく、餌場をトイレにしたり、寝床をトイレにしたり、ステージをトイレにしたりと様々です。
こういったペットに当たり前とされているしつけができないところも、シマリス飼育の難しいポイントでもあります。
まとめ
いかがでしょうか。
シマリスはペットとして飼育することはできますが、決して簡単に飼う事が出来る気軽なペットというわけではありません。
シマリスをペットとする際には、ある程度の知識と飼育環境の準備が必要であるという事を理解しておきましょう。