デンキウナギ

デンキウナギは名前ぐらいは聞いた事があるくらいに有名な魚で、触ると電気を流されて危険なウナギですよね。でもデンキウナギってどんなウナギなのか、と言われればいまいちピンとこないという人も多いのではないでしょうか。

デンキウナギはいったいどんなウナギで、どれくらい強い電気を出すことができるのでしょうか。今回はそんなデンキウナギについて詳しくご紹介していきます。

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デンキウナギはウナギではない!?

デンキウナギはウナギと名が付きますが、実はウナギとは全く違う魚なんです。ウナギはウナギ目ウナギ科に属しているのですが、デンキウナギはデンキウナギ目デンキウナギ科に属しているのです。つまりデンキウナギはウナギの一種というわけではなく、全く違う生き物ということになります。ちなみにデンキウナギ科に属しているのはデンキウナギのみです。

デンキウナギってどんな魚?

デンキウナギは南米のアマゾン川に生息しています。大きさは1.5メートルにもなる大型の魚で、大きいものでは2.5メートルにも達する巨大な個体もいるのだそう。

目は退化しており、明かりを感じるくらいでほとんど見えていないのです。アマゾン川のような濁った水の中でも泳ぐことができて餌を捕まえる事ができるのは
、デンキウナギの最大の特徴である「電気」に秘密があります。

デンキウナギの電気はレーダー替わり?

デンキウナギは濁った水の中でも的確に障害物や餌の場所を把握するために、常に微量の電気を自分の周りに流し続けています流した微量の電気によって障害物の位置や獲物の位置を探ることができるのです。まるで潜水艦のレーダーですね。

同じようなレーダーをもった動物は他にもいて、有名なのがコウモリですよね。コウモリも夜行性の動物で目が退化していてほとんど見えていません。それでも暗闇の中を自由に飛び回れるのは、自分の前方に超音波を出し、跳ね返ってきた超音波をキャッチすることで障害物や獲物の位置を確認できるのです。デンキウナギの電気もこれと同じ役割を担っています。

デンキウナギは電撃で攻撃しない?

デンキウナギは電撃で敵を攻撃する、ということは基本的にしません。もちろん敵にダメージを与える目的で電撃を流すことはあっても、直接的な攻撃目的での電撃の使用はしないといわれています。

餌を捕る時や敵から逃げる時にはほんの一瞬だけ電撃を流します。しかしこれは相手を即死させるようなものではなく、あくまでも一瞬怯ませたり痺れさせて動きを封じ、その隙に捕まえたり逃げるというためのものでしかないのです。とはいえ、デンキウナギの電気はかなり強力なものです。

デンキウナギの電気の威力

デンキウナギの電気の強さはどれほどのものでしょうか。一般的にデンキウナギの電撃を受けるとウマくらいの大型の哺乳類が痙攣するくらいの威力だと言われています。その電力はおよそ800ボルトです。乾電池の電力が1.5ボルト、テレビをつける際の電力が100ボルトですから、かなり大きな電力を流すことができるのです。

ちなみにデンキウナギ以外にも電気を流せる生き物はいます。デンキナマズやシビレエイがそれですね。デンキナマズの電力はおよそ400ボルトと言われていますので、デンキウナギの電力はデンキナマズの2倍ということに。

大人の人間でも気絶してしまうでしょうし、心臓が弱い人であれば下手をすれば死んでしまう可能性もあるのです。また水中で感電すると筋肉が痺れて硬直してしまい、その場で身動きが取れずに溺死してしまう危険性もかなり高いのです。

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デンキウナギは感電しない?

デンキウナギは自分の流した電気に感電しないのでしょうか。これに関しては「デンキウナギも感電している」と言わざるを得ません。デンキウナギがほんの一瞬だけ電気を出すのも、あまり長い時間電気を流すと自分の命も危なくなるからなんです。自分の攻撃を自分で喰らって耐えている、そんなイメージですね。

しかしデンキウナギの体の構成上、感電に比較的強いとも言えます。デンキウナギの内臓はほとんど顔の部分に密集してる、かなり変わった構造になっています。口、胃、腸、肛門という消化器官から心臓に至るまで、体の先端に集まっているのです。ですからデンキウナギは口から食べて、口のすぐ下の肛門から排泄をするというちょっと変わった体を持っています。

では残りの部分はどうなっているのかというと、ほとんどが脂肪に覆われています。イメージで言うと、骨の周りに少しの筋肉があり、その周りを分厚い脂肪が覆い尽くしているという感じです。この分厚い脂肪のおかげで比較的感電に強い体質であると言えますね。

まとめ

デンキウナギはウナギという名前ですが、分類上はウナギとは全く別の生き物の分類になります。

アマゾン川に生息しており、目がほとんど見えていないですが微量の電気を流し続けることでレーダーの役割をし、周囲の様子を正確に探ることができます。

流すことができる電流はおよそ800ボルト。大型の哺乳類を痙攣させることができるくらに危険なものです。

デンキウナギ自身も自分の流した電撃に感電しており、流す電気はほんの一瞬に留めて置くことで自分の命が危うくならないようにしているんです。