フラミンゴという鳥がいますよね。
ピンク色のきれいな体をしており、細い足と長い首が特徴的ではないでしょうか。
水辺で片足で立っている姿をよく目にしますよね。
あれは一体どうしてなのでしょうか。
またフラミンゴがピンク色なのはどうしてなのでしょうか。
今回はそんなフラミンゴの生態などについて、詳しく調べてまとめてみました。
フラミンゴの分類
フラミンゴは、フラミンゴ目フラミンゴ科の鳥であり、3属6種のフラミンゴが生息しています。
オオフラミンゴ
ベニイロフラミンゴ
チリーフラミンゴ
コフラミンゴ
アンデスフラミンゴ
コバシフラミンゴ
の6種類です。
フラミンゴという名前は、ラテン語のflammaが由来であり、「炎」を意味しているのだとか。
ちなみに和名もあって「ベニヅル(紅鶴)」とも呼ばれているようですが、実際のツルとは全く関係がない種類の鳥です。
分布
アフリカと中南米、南ヨーロッパを中心に分布しています。
群れを作って行動する鳥で、数千羽から百万羽とかなりの数の巨大な群れを形成するのです。
群れで一斉に飛び立つと、空がピンク色に染まってとても圧巻ですよ。
フラミンゴがピンク色なのはなぜ?
フラミンゴがピンク色をしているのは、エビやカニなどの赤い色をしている餌を食べているからだと言われていることがあるようですね。
しかしこれは間違った解釈です。
これは餌にしている藍藻類が要因であり、フラミンゴが生息している地域には「スピルリナ」と呼ばれる藻類が生息しています。
そのスピルリナに多く含まれている色素である「β-カロテン」や「カンタキサンチン」をフラミンゴが食べ、その色素が体の色に出たものなのです。
この色素を含んだ藻類やプランクトンを食べることによって、体が色付いていくのです。
ただエビやカニを食べているから、というわけではなかったのです。
生まれたてのフラミンゴはピンク色ではなく、白色をしています。
生後一週間くらい経つと灰色になっていき、成長と共に徐々に色付いていきます。
大人のフラミンゴと同じようなピンク色になるためには、生後2年くらい掛かるのだそうです。
もちろん色素である「β-カロテン」や「カンタキサンチン」を摂らないでいると、体の色は徐々に白くなっていきます。
動物園で飼育されているフラミンゴは、美しい見栄えのするピンク色を保つ為に、あえて色素を添加された餌が与えられているそうです。
しかし色素を添加してピンク色にさせているのは、決して見栄えが良いからというだけではないのです。
春になるとフラミンゴは繁殖の時期に入ります。
実はフラミンゴは、色がピンク色でないと繁殖時にペアを作りにくいという弊害があるようなのです。
無事に繁殖させるためにも、フラミンゴの色をピンク色に保つ必要があるというわけですね。
フラミンゴは偶然ピンク色というわけではなく、なるべくしてピンク色であると言えるのかもしれませんね。
フラミンゴの子育て
フラミンゴは巣を作って、一つの巣に一つの卵を産みます。
孵化するまではオスとメスが交互に卵を温め、育てます。
孵化後は一週間~二週間は親鳥が面倒をみるのですが、それ以降は群れの子供たちが共同で育てられる「共同保育場」とも言える「クレイシュ」と呼ばれるグループに入ります。
群れも巨大ならクレイシュの規模も相当なものです。
クレイシュに属している子供の数は数十万羽とも言われており、親鳥以外のフラミンゴも協力して子供を育てるのです。
フラミンゴは子育てまで共同で行う、社会性の強い鳥なのです。
またフラミンゴの子供は生後3週間くらいまでは「フラミンゴミルク」というものを飲んで育ちます。
とはいっても、フラミンゴは哺乳類ではありませんので、もちろん本当にミルクというわけではありません。
フラミンゴミルクとは、親鳥が口から吐き戻す形で子供に与える、赤い色をした餌です。
フラミンゴミルクにはタンパク質や脂肪が多く含まれており、これのお陰で赤ちゃんはすくすくと育つのです。
ちなみにフラミンゴミルクはメスだけではなく、オスも与えます。
生後2か月くらい経つと、自分で餌を採って食べるようになるのです。
フラミンゴが片足で立つのはなぜ?
フラミンゴというと片足で器用に立っている姿ですよね。
眠っている時でさえ片足で経って眠るくらいですから、何か意味や理由がありそうですよね。
これは羽毛の生えていない素足の部分から、水によって体温が奪われにくくしているため、なんだそうですよ。
確かに両足水に浸けているよりは、体温が奪われにくいですからね。
もう一つの足は器用に折りたたまれており、体の下にしまわれています。
ちなみにフラミンゴの足は、真ん中あたりに間接があり、真ん中で直角に曲げることが出来ます。
まれにフラミンゴが足を折り曲げてしゃがんでいる姿を見ることができます。
折れてるんじゃないのか、と思うかもしれませんがそれが正常なんです。
実はフラミンゴの関節は、私たち人間でいうところの「足首」の関節と同じなんです。
つまり、足首から足の甲の長さがすごく長いという事になりますね。
まとめ
フラミンゴの色がピンク色なのは、生息域に多く存在している藻類やプランクトンに含まれている色素である「β-カロテン」や「カンタキサンチン」をたくさん摂取しているからなのです。
ですので生まれたてのフラミンゴはそうした色素を摂取していませんので、白色をしています。
徐々にピンク色になっていくのですが、それまでは2年~3年掛かると言われています。
片足で立つのは、水に体温を奪われにくくしているため、という理由があります。
この理由から水辺にいる時は必ず片足で立っています。
眠る時もずっと片足なんですよ。
一度動物園でじっくり観察してみると、意外と面白いかもしれませんね。