カタツムリと言えば昔からでんでん虫という名でも親しまれて来ました。でんでん虫の歌も有名ですよね。
そんな身近な生き物カタツムリですが、実は危険な生き物でもあるのです。カタツムリに触ることはできますが、油断していると命に関わる重大な事故や病気につながる危険性もはらんでいるのです。
今回はそんなカタツムリの危険性についてと、食用にされているカタツムリ、エスカルゴについても詳しくご紹介していきます。
カタツムリには寄生虫がたくさんいる?
子供の頃にカタツムリを捕まえて飼っていたという人も結構たくさんいるはず。カタツムリ自体は毒もないですし、触ったとしても別に支障はないです。
しかしカタツムリは危険な寄生虫を持っているので、油断しているととんでもない事になる恐れもあります。
カタツムリが寄生虫を持っていることで有名になったのがアフリカマイマイです。もともと日本に生息していない外来生物で、大きさはなんと20cmにもなる巨大カタツムリです。
食用として持ち込まれたのですが、戦後の食糧難が解消されると見た目からも食用としては敬遠され、野に放たれたものが野生化して奄美大島など日本の南の地域に定着してしまいました。
そんなカタツムリが持っている寄生虫は、広東住血線虫という寄生虫でして、寄生されると髄膜脳炎を引き起こします。症状としては頭痛や痙攣、発熱、麻痺、昏睡と脳の機能が低下して最悪の場合死に至ります。
広東住血線虫の侵入経路
広東住血線虫はネズミなどに寄生しています。ネズミの中で卵を産み、幼虫となった後は糞と一緒に外へ出ます。これをカタツムリが食べる事でカタツムリにも寄生します。カタツムリのなかで成長した寄生虫はまたネズミによってカタツムリごと食べられ、ネズミの中で卵を産むというライフサイクルが出来上がり、これを繰り返します。
ではカタツムリから人間へ寄生する経路はというと大きく2通り考えられます。
・カタツムリを直接食べる
・カタツムリが這った後の野菜を生で食べる
だいたいこのどちらかになります。日本にはその昔、カタツムリやナメクジを食べると病気が治るという迷信が信じられていたこともあり、カタツムリを食べる事で寄生されるケースも多かったんです。
しかし現在ではそのようなことはありませんのでカタツムリが這った後のキャベツなどの野菜をそのままサラダにして食べることにより寄生されるケースが懸念されます。
買ってきた野菜だから安全と言いきれず、実際に目で見て分かりにくいものです。サラダにする前にしっかり洗うことが重要ですね。
また外食の際に出されたサラダから寄生されるケースもあります。外食ともなると対処が難しいですが、しっかり見てから食べるように心掛けるだけでも随分違うと考えます。
食用としてのカタツムリ「エスカルゴ」
食用として食べられているカタツムリで、エスカルゴというのがあります。身近なファミレスでも割と安価に食べることのできる料理で、フランスでは高級食材のひとつとしても有名です。エスカルゴという名前はカタツムリの事ですが、フランスでは一般的にカタツムリ料理の事を指すのだそうです。
この食用のエスカルゴというカタツムリはリンゴマイマイという種類のカタツムリで、繁殖力が低いので養殖してもたくさん増えず、なかなか希少なカタツムリとして扱われている傾向にあります。そのうち絶滅危惧種になるのではないかとも思われます。この代わりとしてアフリカマイマイが食用にされることになった、という経緯があるわけなのですが。
レストランで食用として出されるエスカルゴは、もちろん衛生的に管理された環境の中で養殖されており、安全に調理された上で食卓に出てきますから食べても安全なことは言うまでもありません。
自宅で気軽にエスカルゴ料理を!なんていって間違ってもブロック塀や葉っぱの上を這っているカタツムリを捕まえてきて自分で調理するなんてことがないようにしましょうね。
まとめ
カタツムリには危険な寄生虫が潜んでいますので、不用意に触るのは危険が伴います。触ることはできますが、触った後はしっかり手を洗うように心掛けましょう。
レストランで食べる事ができるエスカルゴ料理は、食用のために衛生面に留意して養殖されているカタツムリですので食べても問題ありません。
捕まえてきたカタツムリを調達して食べるのはとても危険な事なので、エスカルゴ料理を食べたいのであれば、レストランへ行って食べましょう。