甲虫の仲間はたくさんいます。
カブトムシも甲虫の仲間ですが、中でもコガネムシとカナブンはとても良く似ていると言われており、しばしば混同されることもあります。
しかもコガネムシとカナブンは姿こそ似てますが、生態は全く違う生き物なんです。
また片方は益虫、もう片方は害虫として認識されているとのこと。
一体どっちがどっちなんでしょうか。
今回はそんなコガネムシとカナブンについて、詳しくご紹介していきたいと思います。
目次
コガネムシもカナブンも同じ仲間
コガネムシもカナブンもどちらもコウチュウ目であり、コガネムシ科に属している昆虫です。
ですので見分けがつきにくいのも頷けますよね。
コガネムシは金持ちだ~♪の歌でも知られている虫ですし、姿は実際に良く分からないとう人でも、聞いた事はあるんではないでしょうか。
カナブンも「ブンブン」という名前でも良く知られている虫で、良くカブトムシを捕まえに行った時に一緒にいるのを見かけたこともあるのではないでしょうか。
カナブンは漢字では「金蚊」と表記されます。
蚊と書いてブンと読むのは、「飛蚊症(ひぶんしょう)」と同じ読み方ですよね。
食べ物が違う
コガネムシとカナブンは食べているものが全く異なるという違いがあります。
ですので、見かける場所にも違いがあります。
しかも幼虫の時、成虫になってからも食べているものに違いがあるのです。
コガネムシは幼虫の頃は植物の根っこを食べて育ちます。
そして成虫になってからは、広葉樹の葉を食べる習性があります。
一方カナブンは、幼虫の頃はカブトムシと同様に腐葉土を食べて育ちます。
そして成虫になってからは、樹の樹液を吸って生きているという違いがあるのです。
カナブンは無害、コガネムシは害虫!?
ガーデニングなどを楽しんでいる人にとって、悩みの種になる虫がいます。
せっかく育てている植物を根っこから食され、葉っぱも食べられてボロボロにしてしまう虫に悩まされることが多々あります。
その虫の正体は、実はコガネムシかもしれません。
対してカナブンは、朽ちた木や腐った葉などを食べて分解し、自然と土壌を改良してくれる存在です。
結果的に森林を豊かにしてくれているとも言えますので、どちらかというと益虫だと言えるかもしれませんね。
ですので、駆除すべき対象は、カナブンではなく、コガネムシということになりますね。
ちなみにコガネムシはアメリカでは、「ジャパニーズビートル」と呼ばれており、農作物に被害をもたらす虫としても有名なようですね。
飛び方が少し違う
コガネムシもカナブンも、外の硬い翅と、内側の翅を持っています。
コガネムシは前翅と内翅を広げて飛びますが、あまり飛翔は得意ではないとも言われています。
飛ぶには飛びますが、フラフラしてなかなかまっすぐに飛べないようですね。
カナブンは外の翅を閉じたまま、内翅だけを羽ばたかせて飛ぶという違いがあります。
コガネムシと比べて、飛翔は比較的得意だと言われています。
見た目の違いは?
顔
コガネムシは卵型で丸い。
カナブンは四角い。
色
コガネムシは名前の通り、濃い緑色が特徴で色鮮やかな印象。
カナブンは色のバリエーションは豊かだが、コガネムシよりも落ち着いた色の印象。
大きさ
あまり変わらないが、カナブンの方がやや大きい印象。
外翅の付け根にある逆三角形の形
コガネムシは小さい三角形。
カナブンはやや大きく長い二等辺三角形。
ハナムグリ
カナブンやコガネムシとよく似た昆虫がまだいます。
その名はハナムグリ。
シロテンハナムグリなどが有名どころかもしれませんね。
このハナムグリは「花潜り」と表記され、花に潜り込んで花粉や蜜を食べることから名付けられています。
カナブンはこのハナムグリ亜科に属しており、同じ仲間と言えます。
ハナムグリの中でも、大きいものをカナブンとして区別していると言っても良いでしょう。
まとめ
コガネムシとカナブンは似ているけども、全然違う生態をしており、食べ物も違います。
食性から、コガネムシはしばしばガーデナーからは害虫として扱われている事もあります。
カナブンはカブトムシと同じく、樹液に集まる習性があり、植物の葉を食害する事もありませんので、特に駆除する必要はありません。
飛び方の違いは、外翅を使って飛ぶかどうかですが、コガネムシは飛ぶのが下手なので、フラフラと左右にふらつきながら飛ぶ特徴があります。
見た目にも違いはありますので、顔や外翅の付け根などを観察すると、簡単に見分けることができますよ。