水換え

アクアリウムにおいて、必須作業ともいえるのが水換え作業ではないでしょうか。よく言われていることに、週に2回~3回、3分の1の量の水換えを行いましょう、というのがありますね。結構面倒くさいと感じている人は多いはず。

そんな水換えですが、全く水換えしないと水槽はどういった事になるのでしょうか。ちゃんと熱帯魚は飼育することができるのでしょうか。今回は水槽の水換えをしないとどうなるのか。また水換えしないことにより起きるデメリットについて詳しくご紹介していきます。

スポンサードリンク

水換えしなくても熱帯魚は飼育できる?

最も気になるポイントが熱帯魚はちゃんと飼育できるのか、ということでしょう。結論から言うと、水換えをしていなくても熱帯魚は飼育することができます

ほぼ丸一年という長い間、全く水換えなしで足し水のみで水槽運営したことがありますが、熱帯魚をちゃんと飼育することができました。

ただし、熱帯魚の種類によって、水換えなしでも問題なく飼育できるものと、やっぱり飼育できなかったり、飼育しにくいものなどありますので注意が必要です。

アカヒレやメダカなどの水質悪化に比較的強い種類の魚であれば、水換えをしていなくても死ぬことが少なかったように思います。それでも水槽内の環境に左右されますし、ちゃんとろ過が出来ている水槽であることが絶対条件になってくるのは言うまでもありません。

ろ過システムをしっかりと作る

水換えをする一番の理由は、水槽内の有害物質を水槽外に排出することです。水槽内の有害物質とは、生体から排出される糞などから出るアンモニアです。アンモニアは生体にとって非常に毒となり、水槽内で分解されずに蓄積すると、生体が次々に死んでしまいます。

こうならないためにも水槽内の好気性バクテリアを繁殖させ、アンモニアを十分に分解できる力を付ける必要があるのです。水槽が十分なろ過能力を持つためには、十分なろ材の投入、そしてろ材にバクテリアが定着するまでの時間が必要になります。バクテリアが十分に繁殖するまでの時間は一概には言えませんが、数か月かかる事さえありますので、かなり気長に待たなければいけません。

硝酸塩の除去が重要

水をきれいに保つのはフィルターによる水のろ過だけではありません。水草による水の浄化も大変重要な水質浄化ポイントとなります。水槽内に蓄積されたアンモニアは好気性バクテリアにより、毒性が薄い亜硝酸に分解、亜硝酸はさらに微毒な硝酸塩へと分解されていきます。硝酸塩は微毒とはいえ、蓄積するとやはり毒性が無いとは言い切れません。硝酸塩を無くす方法はいくつかあります。

・嫌気性バクテリアによる窒素への変化、水槽外へ排出
・水草が栄養として吸収
・水換えによって排出

この3つの方法によって硝酸塩は除去することが可能となります。ただし、嫌気性バクテリアによる分解や水草による消費は、正直言ってアテにはできません。というのも、これらによって除去できる硝酸塩はごくわずかにしかならないからですね。

嫌気性バクテリアを繁殖させるのも結構難しく、底床を厚く敷いたり酸素が無い状況を意図的に水槽内に作り出さなければならず、敷居が高く感じます。こうした中で最も簡単に硝酸塩を除去できるのは水換えになります。水をただ単に換えるだけなので、とても簡単に硝酸塩除去が可能になります。

水草の大量植栽

水草による硝酸塩吸収は微々たるものではありますが、水槽内で全く効果がないというわけではありません。生長の早い水草を大量に植栽、繁茂させることで、ある程度の硝酸塩の除去は可能になります。ただ、かなりの数の水草を繁茂させる必要があり、水草水槽の運営に慣れている、しかも上級者向けの方法ですので、敷居は高いかもしれません。

ポイントとしては、管理が簡単な水草を使用するのが最も簡単ですが、どの水草も特徴がバラバラですのでコレといって断言はできません。ロタラやマツモ、ウィローモスなどが管理が割と楽に出来るのでお勧めです。

スポンサードリンク

水換えしないことによるデメリット

水換えしないことにより感じたデメリットは以下の通りです。

・水槽の調子が崩れると一気に崩壊する
・新しく生体を飼い始めた場合、水槽になじみにくい
・水草の調子が悪くなる

水槽の調子が崩れると一気に崩壊する

水換えをしない水槽は、辛うじてなんとか水素築地を保っている状態ともいえます。つまりギリギリのラインで成り立っているということですね。こういった場合、なんらかの異常が水槽内に発生した時、一気に状態が悪化し、水槽が崩壊してしまう危険性があります。たとえば、

1 魚が死ぬ
2 それに気づかず放置
3 死骸からアンモニア出る
4 バクテリアが分解しきれず水質が急激に悪化
5 さらに魚が死ぬ・・・

こういった負のスパイラルに陥るとどうしようもありません。

新しく生体を飼い始めた場合、水槽になじみにくい

水換えをしない水槽は硝酸塩濃度が高い傾向にあります。硝酸塩濃度が高い水質は酸性に傾いています。水槽内にすでに飼育している生体は、徐々に水換えしていない水質に慣れてしまうため、水換えをしていなくても飼育出来てしまうことがあります。しかし、水換えを頻繁に行っているようなショップから購入してきた生体を新たに水槽に導入する場合、あまりに違いすぎる水質についていけず、早々に弱ってしまうこともあるのです。

すぐに影響が出なくても、徐々に調子を崩してしまい、ある日突然死んでしまうこともありますから、水槽になじみにくいとも言えるでしょう。

水草の調子が悪くなる

新しい水道水には水草の生長に欠かせない微量元素がたくさん含まれています。水草は必要な栄養が足りないと生長が止まってしまい、調子を崩しやすくなりますので、こういった栄養素を追加してあげる必要があります。

各種水草用液体肥料が市販されていますので、それらを添加していけば水草の調子を戻すことはできます。しかし水草の状態から本当に足りていない栄養素を特定して適量添加することは簡単ではなく、結構難しいものです。しかし水換えを行うことで、こういった微量元素も簡単に補充できます。水換えに勝る水槽管理は無い、とも言えるでしょう。

まとめ

水換えを行わずに長期間水槽管理を行うことは実質可能です。しかしそのためにはかなりの条件やそれを実現するテクニックが必要になり、簡単には水換えなしの水槽環境を作り出せないのも事実です。

水換えをすることで各種栄養素も手軽に補充でき、バクテリアの有害物質の分解も補助できます。こうして考えると、特に初心者の方は特別な理由がない限りは、やはり水換えは手間になりますが真面目に行った方がより良い水槽運営ができるのではないでしょうか。