レッドビーシュリンプ

アクアリウムを嗜む人であれば、誰しもいつかは挑戦してみたくなるレッドビーシュリンプの飼育。レッドビーシュリンプは赤と白の模様が特徴の、小型の可愛らしい淡水エビですね。

そんなレッドビーシュリンプですが、飼育がとても難しいことでも有名でして、繁殖となればさらに難易度が高くなります。

レッドビーシュリンプを繁殖させることができれば、アクアリストとしての腕が上がった証拠にもなるのではないでしょうか。

今回はレッドビーシュリンプの繁殖について、失敗しない方法や効率よく繁殖させる秘訣などをまとめてみました。

なお、レッドビーシュリンプに関しては以下の記事で詳しくご紹介していますので、ぜひご覧ください。
レッドビーシュリンプと混泳できる生き物は?混泳の注意点まとめ!
レッドビーシュリンプに餌はいらない?無給餌飼育の注意点とは?
レッドビーシュリンプの飼育が難しいと言われている理由とは?
レッドビーシュリンプは屋外でも飼育できる?屋外飼育の注意点とは?

スポンサードリンク

フィルター選びに注意

レッドビーシュリンプの飼育と繁殖において、フィルター選びがとても重要になります。おススメのフィルターは底面フィルター、もしくはスポンジフィルターになります。

その理由は稚エビがフィルター内に吸い込まれないようにするためです。大人のエビであればフィルターに吸い込まれることがないですが、産まれたばかりの稚エビの大きさはわずか数ミリ。目の粗いフィルター吸い込み口では、一発で吸い込まれてしまいます。

底面フィルターであれば吸い込み口がありませんので、そもそも吸い込まれる心配がありません。スポンジフィルターもスポンジ部分の目が細かいので、こちらも吸い込まれる心配がありません。

上部フィルターや外部フィルター、外掛け式フィルターでも全く使えないかと言われれば、そうでもありません。吸い込み口に目の細かいスポンジを取り付ける、底面フィルターと組み合わせて使用するなど工夫をすれば、これらのフィルターでも十分使用することができます。

レッドビーシュリンプ単体で飼育する

水槽で生き物を飼育する場合、一種類の生き物だけを飼育するのは稀かもしれません。大抵の場合、何かしら他の生き物も一緒に飼育する場合が多いでしょう。

しかしレッドビーシュリンプの繁殖を目指す場合、他の生き物は入れずに、レッドビーシュリンプのみで飼育する方が遥かに繁殖させやすくなります。

もし万が一、他の生き物と一緒に飼育するのであれば、混泳可能な生き物かどうかをしっかり精査したうえで混泳させましょう。

水草をたくさん植える

レッドビーシュリンプの稚エビの隠れ家として役に立つ他にも、水質の浄化作用や水草によってはレッドビーシュリンプの餌にもなるので水草はたくさん入れておきましょう。

おすすめの水草はウィローモスです。ウィローモスは苔の一種ですが、若く柔らかな新芽はエビの餌になる他、茂ったウィローモスは稚エビの隠れ家としても最適です。

またソイルに植え込む必要もなく、流木や石などに活着させて使用することができますし、育成にも強い光は必要とせず、とても育てやすいのもポイントが高いです。

また稚エビは微生物など目には見えない生き物を食べています。微生物の繁殖のためにも、できるだけ多くの水草を入れておく方が望ましいです。

水温を25℃に設定する

レッドビーシュリンプの繁殖が最も活発になる水温が25℃です。25℃を上回ると抱卵しなくなったり、27℃を超えると死んでしまう場合もあります。

レッドビーシュリンプは22℃~27℃の範囲に水温を調整してあげると上手く飼育することができますが、高温に弱いので夏場の水温の上昇には特に注意してください。水温はやや低めの方が上手くいくと感じています。

レッドビーシュリンプに適切な水質とは?

レッドビーシュリンプが好む水質はPH6.0~6.5の弱酸性です。とはいっても、極端にアルカリ性に傾いていない限りは、そこまで神経質になる必要はないと感じますが、時々水質検査キットを使用して水質チェックを行うのも良いでしょう。

水換えに注意

レッドビーシュリンプはアンモニアや亜硝酸、硝酸塩などの有害物質が溜まると簡単に死んでしまうくらい弱いエビですので、水質が悪化しないように水換えを行う必要があります。

水換えの頻度や量を間違えると、水質変化によるショックを起こしてエビが死亡するケースが多々あり、水換えは必須作業ながらも特に注意しなければいけません。

水換えの際に水合わせに失敗すると、エビが死んでしまう他にも、せっかく抱卵したエビが脱皮してしまい、その際に卵をすべて落としてしまいます。抱卵した個体を確認したら、水質変化による脱皮をさせないように、一回の水換えはごく少量にとどめ、回数を増やして対応してください。

水換えの際には水温にも気を配りましょう。可能な限り水槽の水温に新しい水の水温を合わせ、サイフォン方式を使用したゆっくりとした点滴法での水換えがおススメです。

また、エビの飼育においては小型水槽が選ばれがちですが、水質の変化が起きやすく、最初のうちはあまりおススメしません。むしろ最初から大き目の水槽で飼育する方が水質管理が楽ですし、エビも生存しやすくなります。

スポンサードリンク

メスを多めにする

繁殖を狙うなら、メスを多めに入れておくと効率よく繁殖させやすいです。オスの数の3倍~4倍ほどの量のメスを入れておけば、よりスムーズに繁殖できます。

初めてレッドビーシュリンプを飼育する人は、少なめの数を購入して、増やしてきたいと考えがちですが、最初からまとめて多めのエビを購入し、まずはより繁殖しやすい環境にして増やしてみることから始めると、レッドビーシュリンプの繁殖のコツを掴みやすいです。

適度な水流をつくる

レッドビーシュリンプの飼育においては、全く水の流れがない環境よりも、適度な水流があった方がエビも元気になります。

とはいえ、あまりに強すぎる水流でもいけませんが、チョロチョロと流れるくらいの水流を目安に調節してあげると抱卵しやすくなる傾向にあります。

照明をつける

エビの飼育自体には照明は必要ではありませんが、照明をつけることで稚エビの餌にもなる水中のバクテリアを活性化させ、稚エビの成長促進に役立ちます。
また強い光量を必要とする水草を入れている際にも照明は用意しましょう。

餌をあげる

レッドビーシュリンプは水槽内の苔や何らかの微生物など、何かしら食べているのであまり餌をあげないという人も多くいます。さらに餌をあげることで水質が悪化しやすくなることは有名ですが、実はしっかりと餌をあげる方が抱卵しやすく繁殖させやすいです。

水槽立ち上げ初期は水質が安定せず、餌やりの回数も少ない方が良いですが、水質が安定してきたら餌やりを毎日積極的に行います。

毎日あげる必要はないのでは、という声も多いですが、毎日少しずつ与える方が抱卵しやすいように感じるので色々と試してみると良いですね。

まとめ

レッドビーシュリンプの繁殖を狙うのであれば、注意すべきポイントは下記の通りです。

  • レッドビーシュリンプのみで飼育する
  • できるだけ大きな水槽を選ぶ
  • 稚エビが吸い込まれないフィルターを選ぶ
  • メスを多く入れる
  • 水草を多く植える
  • 水質を弱酸性、水温を25℃前後に維持する
  • 水換えの際に水質の変化を少なくする
  • 餌はしっかり与える

こんな感じでしょうか。結構当たり前のことかもしれませんが、意外とできていないケースがあるように思います。

なかなか繁殖しないという場合は、これらのポイントをもう一度よく確認してみましょう。