トノサマガエルは日本で見ることができるカエルの中でも、アマガエルと並んで良く知られている、メジャーなカエルですよね。
子どもの頃に田んぼなどで見かけて捕まえた、という人も多い事でしょう。
そんなトノサマガエルですが、いったいどんな生態をしているのでしょうか。
また、飼育することは可能なのでしょうか。
今回はそんなトノサマガエルの生態や飼育方法について、詳しく調べてまとめてみました。
目次
トノサマガエルってどんなカエル?
トノサマガエルはアカガエル科に分類されているカエルの一種で、日本でも普通に見ることができる一般的なカエルでです。
大きさはオスで40㎜~80㎜、メスで60㎜~90㎜くらいで、メスの方が大きいという特徴があります。
オスとメスで体の色にも違いがあり、メスの方が灰色っぽい色をしています。
またオスは繁殖期には色が黄色い色に変色し、縄張り意識が高くなるという特徴があります。
分布は北陸から九州まで幅広く分布していますが、関東平野には生息していないというデータがあります。
また、北海道にも見られますが、もともと北海道には生息しておらず、持ち込まれた個体が逃げ出して野生化して一部定着したものが見られるようですね。
また日本国外でも朝鮮半島や中国でも生息しています。
生息地は低地の池や水田などが多いです。
活動時期は暖かい時期だけであり、毎年春から秋にかけて活動し、冬は土の中で冬眠する習性があります。
とてもすばしっこいカエルなので、捕獲するのは困難だと言われています。
もちろん捕獲用のアミなどがあれば捕獲することは可能ですが、人間が素手で捕まえる事は出来ないかもしれませんね。
トノサマガエルの寿命
トノサマガエルの寿命はおよそ3年~4年くらいだと言われており、これは野生でのおおよその寿命です。
もちろんもっと長く生きることができる個体は存在し、飼育下であれば10年以上生きる事もあるようですね。
トノサマガエルとダルマガエル
トノサマガエルによく似たカエルに、同じアカガエル科トノサマガエル属に分類されているダルマガエルというカエルがいます。
実際にトノサマガエルと混同されている事も多く、関東平野にいるはずのないトノサマガエルがいたという場合は、実はダルマガエルということになります。
またダルマガエルとの交雑種も発見されており、見分ける事は困難なくらいなのです。
トノサマガエルの鳴き声
トノサマガエルのオスは、頬っぺたを膨らませて「グルグルグル・・」と鳴きます。
これはメスを呼ぶための誘い鳴きであり、縄張りを主張するためにも鳴き、縄張りに侵入してきたオスを攻撃するようになります。
トノサマガエルが鳴くのは繁殖期である4月~6月にかけてが最も多く、田んぼや池の水面で鳴いている姿を見ることができますよ。
トノサマガエルの飼育方法
トノサマガエルの飼育はどうすれば良いのでしょうか。
順番にご紹介していきましょう。
飼育ケース
トノサマガエルの場合は水辺と陸地の両方を用意しなければいけません。
アマガエルとは違い、比較的多くの水を必要としますので注意しましょう。
そのためプラケースでも飼育できますが、水槽などがあればより環境が作りやすく、飼いやすいと思います。
陸地には土を敷き、そこに苔や草などを設置してあげるときれいにレイアウトすることができますよ。
レイアウトにこだわるなら、グラステラリウムシリーズのケージがおススメです。
ぜひチェックしてみて下さいね。
隠れ家にはこうした草や苔も活用できますが、割れた植木鉢のようなものでもOKです。
市販の爬虫類用のシェルターなどを利用するのも良いかと思います。
餌
餌はトノサマガエルの口に入るくらいの大きさの昆虫やクモなどです。
トノサマガエルくらい大きなカエルだと、ミミズや他の小型のカエルをも捕食することもあるようです。
飼育下においての餌はやはり昆虫になりますが、おススメはペットショップでも容易に購入できる「餌用コオロギ」や「ミルワーム」ですね。
コオロギはヨーロッパイエコオロギというコオロギがおススメで、鳴き声もあまりうるさくないので餌として人気があります。
ミルワームも爬虫類や小動物などの飼育でとても一般的な餌用の虫ですね。
またトノサマガエルは生きた生き餌しか餌として認識せず、死んでいて動かないものは食べないので注意しましょう。
餌の頻度は毎日与える必要はなく、週に2~3回くらい与えれば十分です。
温度管理
トノサマガエルの飼育においては、とくに温度管理は必要ありません。
しかしこれは、冬に冬眠させる場合であり、冬眠させずに活動させ続けるという場合は温度管理が必要になります。
冬眠させない場合は、常に20℃前後に温度を保てるようにヒーターで保温してあげましょう。
保温には爬虫類飼育用のペットヒーターがおススメで、特に使い勝手が良いものに「暖突」というヒーターがあります。
これは上から温めるタイプのヒーターで、パワーも申し分なく、サイズも色々ありますので、自分の飼育環境に合わせて導入することができます、
ただし、自動で温度管理できる機能がありませんので、温度制御させるために「サーモスタット」を併用しましょう。
準絶滅危惧種
トノサマガエルは昔は頻繁に見ることができる一般的なカエルでしたが、現在ではその数を減らし続けており、準絶滅危惧種として指定されているのです。
できれば見つけても捕獲せず、そっとしておいてあげる方が良いのかもしれませんね。
まとめ
トノサマガエルは田んぼや池などで春から秋にかけて見ることができます。
飼育も比較的容易に行えますので、ペットにもしやすいでしょう。
ただし、餌は生きた餌しか食べないため、その都度生き餌を用意しなければいけません。
現在は絶滅危惧種にも指定されているカエルのため、捕まえるのはちょっと控えておきたいかな、と思ってしまいますよね。
その他のカエル
その他のカエルに関しては、以下の記事で詳しく紹介していますので、ぜひご覧ください。