あなたはクリオネという生き物をご存知ですか?
「まるで妖精のようだ」とか「天使のようだ」などと言われている、ちょっと不思議ながらもきれいな姿をしている神秘的な生き物です。
そんなクリオネですが、実は案外簡単に飼育することができるのです。
簡単とは言っても、押さえておくべきポイントもあります。そこで今回はクリオネの飼育方法のポイントをご紹介します。
クリオネの生態や特徴、捕食シーンに関しては以下の記事で詳しくご紹介していますので、ぜひご覧ください。
目次
クリオネってどんな生き物?
クリオネは体長1~3㎝くらいの大きさで、簡単に言うと「巻貝の一種」なのです。しかし見た目は全然巻貝ではないですよね。
クリオネは日本では「ハダカカメガイ(裸亀貝)」と呼ばれていて、もともとは貝殻をもっているのですが、成長すると貝殻を完全に失うという特徴があります。
実際に見てみるとちょっと見にくいですが、確かに貝殻っぽいものを持っているのが確認できるかと思います。
一般的に知られているクリオネの姿とは似ても似つかないですよね。
クリオネの名前の由来は、「ナメクジのような海の女神」という意味らしいですね。
ですので、クリオネは平たく言うとナメクジの仲間だという事ができます。
クリオネの寿命
寿命は見かけによらず長めで、1~2年だと言われています。
クリオネ飼育で必要なものは?
クリオネ飼育に必要なものをまとめてみました。
きれいな海水
クリオネは海に生息していますので、海水を用意する必要があります。
海水はどんなものでも良いのですが、できればきれいなものであるに越したことはありません。
最近ではクリオネが有名になってきて、クリオネ専用の飼育水も販売されていますので、それらを利用すると安心でしょう。
水温は結構冷たい状態を維持しないといけません。クリオネの飼育適温は0℃~5℃だとされています。
温度管理ができる水槽を用意できるのであれば、この温度帯になるように管理してあげましょう。水温が10℃以上になると弱って死んでしまいます。
水槽の温度は温めるのはヒーターを使えば簡単です。しかし冷やすとなると結構難しいものがあるのが現状です。
一番簡単でおすすめな方法は冷蔵庫で飼うという方法ですね。冷蔵庫であれば、常時5℃前後の水温をキープすることができますのでおすすめです。
海水は一般的には1~2週間に一度くらいの頻度で取り換えるようにすると良いと言われていますが、2週間もそのままだと、水中の酸素もずいぶん薄くなります。
できればもう少し換水の頻度を上げ、海水は3~4日に一度くらいに取り換えるようにすると良いかもしれません。
クリオネ飼育に必要な容器
ペットボトルでも飼育することができます。水槽でも良いのでしょうが、前述のように水温を0℃~5℃に保つもは結構骨が折れます。
それにクリオネ自体小さい生き物ですので、水槽では大きすぎるでしょう。それでも水槽で飼育したいという場合は、飼育する部屋全体を温度管理する必要がありそうですね。
その点ペットボトルなどの小型の容器であれば、冷蔵庫に入りますし簡単に温度管理も行う事ができて便利です。
容器の大きさですが、あまり小さすぎてもクリオネにはストレスになるようです。
一般的な目安としては、1リットルに対して2匹くらいで飼育すると良いという事です。
こんなに小さい生き物でもストレスを抱えることがあるんですね。ちょっと驚きました。
容器は密栓できるものがおすすめです。容器を開けっ放しにしていると細菌などが入り、増殖してしまいますので良くないと言います。
こういった点からも、ペットボトルが飼いやすい容器でおすすめであると言えるでしょう。
観察しても大丈夫?
せっかくクリオネを飼っているのですから、その姿をまじまじと見たいでしょうし、観察もしたいと思います。
泳いでいる姿はとてもかわいいですからね。
見たいという気持ちもわかります。
常に冷蔵庫に入れていては見れませんが、観察の際には10分程度にしておきましょう。
観察が終わったらすぐに冷蔵庫に戻してあげないと温度が上がってクリオネには良くありません。
明るさはどうすればいい?
クリオネの飼育においては明るさは一日中明るくても問題はないようです。
しかし自然の環境に近づけるためには、やはり夜の間は暗くしてあげる方が良いとも言われています。
おすすめ飼育方法が基本的に冷蔵庫ですので、あまり気にしなくても良いかと思います。
クリオネの餌は?
クリオネは生涯で一度しか餌を食べないと言われています。
これは成長したあとのクリオネのことで、成長後肉食になった後は1年もの絶食に耐えることができるのが特徴で、ほとんど食事をとりません。
クリオネが餌にするのはミジンウキマイマイと呼ばれる巻貝のみであり、それ以外の餌は食べないとも言われています。
ミジンウキマイマイは入手が困難で、実際には不可能だと考えても良いかと思います。
ミジンウキマイマイ以外のものも食べると噂されてはいますが、詳しい事は分かっていません。
しかし全く何も食べていないわけではないらしく、海水中のプランクトンなどを少しずつ摂取しながら1年くらいは生き延びることができるようなのです。
つまり飼育下のクリオネはまともな餌は全く食べずに、常に飢餓状態にあると言えます。
ミジンウキマイマイを食べさせることができれば、もっと長生きすることができるのかもしれませんね。
常に飢餓状態なんてちょっと可哀そうな気もしますが・・。
海水中のプランクトンを絶やさないためにも、こまめに水を換えてあげることが飼育下でのクリオネを長生きさせてあげる秘訣であると言えるでしょう。
ちなみにミジンウキマイマイを捕食するクリオネは、天使や妖精と言われているのとは裏腹に、かなり獰猛な一面を見せます。
一生に一度くらいしか捕食しないクリオネですので、めったに見れない光景です。貴重な瞬間ですね。
クリオネの捕食
まとめ
クリオネは簡単に飼育することができますが、飼育するためには押さえておくべきポイントがいくつかあります。
水は0℃~5℃の海水が必要で、1週間に一度くらいの頻度で換水してあげる必要があります。
最も簡単でおすすめの飼育方法は、ペットボトルにクリオネを入れて冷蔵庫で保管するという方法です。
容器の大きさは2匹のクリオネに対して1リットルくらいが目安で、これくらいが一番ストレスが少なく飼育できるようです。
クリオネはミジンウキマイマイしか捕食せず、飼育下においては入手が困難ですので、餌を与えることは難しいです。
しかし何も食べてないわけではなく、一応海水中のプランクトンを摂取しているようですので、換水はこまめに行ってあげましょう。