ネズミと名が付く生き物の中には、実はネズミではなかった!という生き物がいます。例えばハリネズミなどが有名ですよね。今回ご紹介する「ハネジネズミ」という動物もまた、ネズミとはちょっと違った分類がされている変わったネズミ、と言えるのではないでしょうか。
今回はそんなハネジネズミについて詳しくご紹介していきます。
ハネジネズミとはどんな生き物?
ハネジネズミはハネジネズミ目ハネジネズミ科に属する動物の総称です。コシキハネジネズミ、テングハネジネズミ、キタアフリカハネジネズミなどいくつかの種類が生息していることが確認されています。世界でおよそ20種ほどが生息していますが、その中でもソマリハネジネズミという種類が最も謎に包まれているのです。アメリカの野生生物保護団体「グローバル・ワイルドライフ・コンサベーション(GWC)」によると、ソマリア・ハネジネズミは「最も探されている失われた種」25種のうちの1つなのだそうです。
大きさは種によって幅があり、10cmのものもいれば30cmになるものまで様々です。体重も50gから500gまで幅広いですね。最大のハネジネズミは800gあるとのことです。
分布は南アフリカの幅広い地域で、砂漠から森林地帯、種によっては乾燥地帯にまで様々な環境に適応しながら生きています。
ハネジネズミは「跳地鼠」と表記されていて、その名の通り跳ねて移動するのが得意です。体の大きさに比べるとかなり長い後足を持っているのが特徴です。また鼻が一般的なネズミと比べるとかなり長いのも特徴の一つです。ハネジネズミの別名は「ゾウトガリネズミ」。ゾウのように長い鼻なんですよ。ちなみに長い鼻はハネジネズミの種類によっても異なるようですね。
雑食性で、普段は小さな昆虫やミミズなどを落ち葉の下から探し出して食べていますが、時には果実や葉なども食べることがあります。
ハネジネズミに分類がややこしい!?
ハネジネズミはこれまでの歴史の中で、分類がはっきりとしないという過去がありました。ですのでその時の情報により色んなグループに分類されてきました。例えばハリネズミ科に分類されたり、トガリネズミの仲間として分類されたり、はたまたウサギの仲間として分類されたり・・
そうかと思えば、メスが妊娠しないと月経が起こることから今度はサルと同じ霊長類に近いのではなどと論されたこともあったのだとか。結局どの動物の仲間とも言えないくらい微妙なところの生き物だったということですね。また一部の学者はトガリネズミとは遠い種類とされたことから、混同を避けるためにセンギと呼んでいるのだとか。
新種発見とソマリハネジネズミの再発見!
2008年にタンザニアにて新種のハネジネズミが発見されたことでも知られていますが、2020年には既に絶滅したと思われていたソマリハネジネズミの生存が発見され、話題になりました。最後に確認されたのが1970年代だったとの事なので、およそ50年間絶滅してしまったと考えられてきたということですね。調査によると、「アフリカの角(Horn of Africa)」と呼ばれるアフリカ大陸北東部の乾燥した岩場で繁栄しているのだそう。
ハネジネズミはゾウの仲間!?
なんとハネジネズミは遺伝学的にはゾウの親戚に近しいという研究結果が出ているんです。これは単に長い鼻を持っているからとかではなく、ちゃんとしたDNA研究に基づいたもので、ちゃんとした裏付けもあるんです。
ハネジネズミはハネジネズミ目という新たな目として分類されるようになりました。現在はアフリカ獣上目ハネジネズミ目ということで落ち着いています。アフリカ獣上目とはマナティー、ジュゴン、キンモグラ、ハネジネズミ、テンレック、ツチブタ、ハイラックス、ゾウなどが属している哺乳類の分類群です。
ちょっと信じられないことですが、