世界最大の体の大きさを誇るとされるギラファノコギリクワガタ。
その特徴は何といっても、異常に長い形状をしている独特な大アゴにあります。
ムシキングにおいても人気を博した近年特に注目されている外国産クワガタムシの代表格とも言えるべき存在ですね。
そんなギラファノコギリクワガタですが、飼育するのは簡単なのでしょうか。
今回はギラファノコギリクワガタの飼育方法について詳しく調べてまとめてみました。
目次
ギラファノコギリクワガタってどんなクワガタムシ?
ギラファノコギリクワガタの特徴や寿命、値段などに関しては、以下の記事で詳しく紹介していますので、ぜひご覧ください。
ギラファノコギリクワガタの成虫の飼育
成虫の飼育はとても簡単です。
注意すべきことは、飼育温度と単独飼育を行う事です。
飼育適正温度は約20℃~27℃くらいが最適で、30℃以上の高温にならないようにさえ注意すれば大丈夫です。
時々適度に霧吹きで加湿をしてあげることも忘れないようにしてください。
またギラファノコギリクワガタは単独飼育をしないと、ケンカをしてケガをしたり死んでしまう事にもなってしまいます。
特にオス同士は必ずケンカしますので、必ず一匹ずつの単独飼育がおススメです。
では、成虫の飼育に必要なものをご紹介します。
プラケース
ギラファノコギリクワガタの成虫はオスだと80㎜を超える個体はザラですし、大きな個体であれば120㎜を超えるものもいるくらい大きなクワガタです。
ですので飼育するプラケースもそれなりに大きなサイズのものを用意する方が良いかと思われます。
小さいものでも飼育は可能ですが、ギリギリサイズのプラケースでは、飼育というよりは「管理」という言い方の方が当てはまっているように思いますよね。
またクワガタ飼育においては、コバエの発生や侵入がとても気になりますよね。
コバエ対策商品として、コバエシャッターなどのプラケースを利用すればコバエの侵入を防ぐことができ、おススメですよ。
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止まり木
転倒防止のために入れておきます。
クワガタは結構な頻度で転倒してしまいます。
転ぶと起き上がることができずに、もがいて体力を消耗して弱ってしまうという事故が結構な頻度で起きます。
止まり木を一つ入れてあげるだけで、こういった事故を防ぐことができますので必ず入れておきましょう。
昆虫ゼリー
飼育下におけるクワガタムシの餌は専ら昆虫ゼリーになります。
ゼリーはさまざまな種類のものが市販されていますが、食いつきさえよければどのようなものでも構いません。
ただし、産卵を控えたメスや、産卵直後のメスはたくさんのタンパク質を必要とします。
この場合は高タンパクゼリーを与える方が良いでしょう。
マット
成虫飼育において使用する昆虫マットは、基本的にどのようなものでも使用可能です。
市販のものがいろいろありますので、気に入ったものを選ぶと良いでしょう。
ギラファノコギリクワガタの繁殖
ギラファノコギリクワガタの繁殖は比較的容易い行う事ができると言われています。
ギラファノコギリクワガタは交尾意欲が強い特徴がありますので、オスとメスを一緒に飼育すれば、簡単に交尾に至ります。
ハンドペアリング
ギラファノコギリクワガタは気性が激しいところがありますので、オスがメスを傷つけて殺してしまう事故も考えられます。
ですのでハンドペアリングを行う人も多いと言います。
ハンドペアリングの方法は、オスをメスの上に乗せて行います。
交尾が確認できたらメスを産卵セットに移して産卵までしっかり栄養を摂らせて管理しましょう。
ペアリングにおける注意点は一つだけです。
メスがしっかりと性成熟しているかどうかになりますので、新成虫などメスが若すぎる場合には交尾ができずに、苛立ったオスがメスを殺してしまう原因にもなります。
また受精せずに、無精卵を産卵することにもなってしまいますので、メスの羽化時期は知っておく事は結構重要なポイントになるわけですね。
産卵セット
産卵セットはプラケースに8割くらいの量を固くマットを詰めて、その上にふんわりとマットを入れてあげるセッティング方法になります。
固く詰めるマットは、手でしっかりと強く押し込んで、なるべく固く詰めるようにするのがポイントです。
また産卵用に使用するマットは発酵マットにしましょう。
発酵マットは事前にガス抜きという作業が必要になります。
ガス抜きは、マットを新聞紙などに広げて数日間放置するだけです。
必ずガス抜きを行ってから使用するようにしてください。
また転倒防止対策の木を入れ、高タンパクゼリーを入れて準備OKです。
この時ゼリーは切らさないように常に注意してください。
クワガタムシの産卵は、基本的に産卵木をマットに埋め込んで産卵させる方法が一般的です。
しかしギラファノコギリクワガタは産卵木がなくても産卵をさせる事が可能です。
上記の方法でしっかり産卵しますので、ぜひ試してみてください。
なお、産卵に最適な飼育温度は約25℃前後だと言われています。
割り出し
1か月くらい経過しましたら、セットをひっくり返して幼虫や卵を取り出します。
できれば幼虫になってからの取り出しの方が安全ですので、ちょっと長めの期間を設けてから割り出す、という方法も良いでしょう。
取り出した幼虫は小さいうちはプリンカップなどで一頭ずつ個別に保管しましょう。
幼虫飼育
3㎝くらいの大きさまではプリンカップで飼育しますが、大型個体を目指すために徐々に菌糸ビンでの飼育に切り替えていきましょう。
最初はそれほど大きくない菌糸ビンでも飼育可能ですが、オスの幼虫は良く食べ、大きく育ちますので徐々に大きめの菌糸ビンに移し替えていく形になります。
幼虫飼育の温度も成長に大きく影響すると言われています。
飼育温度は20℃~27℃くらいの温度帯でOKですが、低温飼育になれば成長が遅く、成虫になるまで10か月以上掛かってしまうこともあるようですね。
また高温飼育だと成熟が早くなり、早く成虫になりますが、その分あまり大きい成虫にならない傾向にあります。
オスであれば、ゆっくりじっくりと成熟させるのが良いように思いますね。
菌糸ビン交換
餌である菌糸が黒く劣化してきたら、菌糸ビンを新しいものに交換します。
メスは一本の菌糸ビンでも成虫まで持っていけると思いますが、オスの場合は成虫まで数回の交換が必要だと思って良いでしょう。
さなぎ
幼虫はやがて蛹室(ようしつ)と呼ばれるさなぎになるための部屋を作り、そこでさなぎになります。
ギラファノコギリクワガタは蛹室を斜めに作る特徴がありますので、オスであれば菌糸ビンが小さいと上手く蛹室を作れず、羽化に失敗してしまいます。
蛹室を変な形に作ってしまった場合は、人工蛹室を準備してあげる事も必要になります。
人工蛹室は市販されていますので、そちらを利用すれば最もお手軽で簡単です。
さなぎは特にデリケートな時期ですので、触ったり刺激を与えると言ったようなことはしないでそっとしておきます。
羽化
羽化すれば本来ならば自分で出てくるのですが、飼育下でのギラファノコギリクワガタは自分では出てくるのが難しいらしく、出してあげる必要があると言われています。
羽化したばかりの新成虫は弱々しいので、しばらくはあまり構わず、そっとしておきましょう。
羽化後3か月も経てば、後食(成虫になって餌を食べる事)を開始し、性成熟もしてきますので、活発に動き回って繁殖も可能になります。
まとめ
ギラファノコギリクワガタは外国産クワガタムシの中でも人気が高く、飼育もしやすいので初心者にもおススメな種類のクワガタです。
ノコギリクワガタは闘争心も強く、性格も凶暴な特徴がありますので単独飼育を行います。
幼虫も単独飼育が基本になりますので、頭数分の飼育容器を準備する必要があります。
大アゴが長いので、幼虫飼育の際の菌糸ビンも幅が広く大きめなものが良いですね。
上手く羽化させることができれば、カッコいい個体に育ってくれることでしょう。