オカヤドカリ

オカヤドカリという生き物をご存知ですか?その名前の通り水の中ではなく、丘(陸)に棲むヤドカリなのです。

とっても可愛い姿をしていて愛嬌があり、簡単に飼育できることからペットとしても人気になっています。

今回はそんなオカヤドカリについて、どういう生き物なのか特徴をご紹介し、オカヤドカリのおすすめの飼い方までを詳しくご紹介したいと思います。

 

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天然記念物のオカヤドカリ

オカヤドカリは沖縄に生息しているのですが、昭和45年(1970)になんと天然記念物に指定されているのです。

しかし面白いことに、天然記念物であるにもかかわらず、採取や飼育することが許可されている、ちょっと珍しい生き物でもあります。

天然記念物に指定される前は釣り餌として用いられていたようで、1972年に沖縄が返還された際、天然記念物に指定されていることを知った沖縄の人たちは大慌てしたという話もあるのです。

※天然記念物のオカヤドカリは基本的に捕獲が禁止されています。現在ペットショップで出回っている個体は、国から許可を受けている限られた業者が捕獲したものだそうです。

 

オカヤドカリの体の特徴

先ほども述べた通り、水の中ではなく陸で生活をしている種類のヤドカリです。

もともとは海で暮らしていたらしいのですが、天敵から逃れるために陸に上がるように進化したと言われていますが、本当のところはどうなんでしょうね。

通常ヤドカリはエサ呼吸しますが、オカヤドカリは腹部で皮膚呼吸をしています。

陸で生活するように体を作り変えたオカヤドカリですが、やはり乾燥には強いというわけではないようで、殻の中に少量の水を隠し持っているのです。

 

オカヤドカリの寿命は?

オカヤドカリはとっても小さい生き物ですが、見かけによらず長寿なのです。

自然界のオカヤドカリは20年~30年くらい生きると言われています。

ちょっと信じられないと思った方も多いはず。しかし飼育下だと大体5年~10年だと言われています。

自然界のオカヤドカリの方が長生きなんですね。本来ならば飼育下のオカヤドカリの方が長生きすると思うのですが。

本来それくらい長生きする生き物ですので、上手く飼育してあげれば、もっと長く生きられる可能性が十分にある、ということなのではないでしょうか。

 

オカヤドカリの種類

世界中でオカヤドカリは15種類くらいいると言われています。

そのうち日本で見られるオカヤドカリは現在のところ6種類が確認されているようです。

オカヤドカリ、ナキオカヤドカリ、オオナキオカヤドカリ、ムラサキオカヤドカリ、コムラサキオカヤドカリ、サキシマオカヤドカリがそうです。

ちなみにヤシガニも大きく分類すればオカヤドカリだそうですよ。

その6種類のオカヤドカリのうち、ペットとして販売されているオカヤドカリは主にオカヤドカリ、ムラサキオカヤドカリ、ナキオカヤドカリの3種類です。

 

オカヤドカリの大きさと値段について

オカヤドカリは比較的安価な値段で販売されています。安いものですと100円から売られています

少々高い個体だと1,000円くらいします。値段はオカヤドカリの大きさによって決まるところが大きいです。

小さければ安く、大きければ高くなります。小さいものだと1㎝くらいの大きさですが、大きくなれば7㎝を超えてくる個体もいます。

かなり長寿の生き物なので、それくらい大きくなるのも頷けますね。

 

オカヤドカリを飼育するために用意するもの

オカヤドカリの飼育ケース

プラケースやガラス水槽などで飼うことができます。

しかしオカヤドカリは脱皮を繰り返して大きくなります。大きいものになると7㎝を超える個体も出てきます。

最初は小さいプラケースでも十分ですが、次第に窮屈になってきます。

オカヤドカリを何匹飼うのかによりますが、大きめのケースを用意する方が後々困らなくて済むかもしれませんね。

また温度管理を行うこともありますので、脱走防止も含めてフタができるものが良いでしょう。

敷き砂

どのような砂でも良いといわれていますが、最もおすすめは「サンゴ砂」ですね。

ペットショップのオカヤドカリコーナーに行けば専用の敷き砂が売られています。

敷く量は、オカヤドカリの大きさの3倍くらいの深さが良いでしょう。オカヤドカリは砂に潜って脱皮をする習性があります。

さらに砂の中が安息の場ともなりますので、しっかり潜れるだけの量は入れてあげましょう。

この時のポイントとして、砂はやや湿らせておきましょう。少し湿っている方が潜りやすいようです。

ヤドカリのリラックスサンド

飲み水と水場

飲み水はひっくり返されないくらいどっしりとした入れ物に入れるようにしてください。

また水道水にはカルキ(塩素)が含まれていますので、カルキ抜きした水、もしくはミネラルウォーターが良いでしょう。

水道水でも浄化フィルターを使っていれば、そのまま使っても良いでしょう。

またオカヤドカリは水浴び(塩水浴)もします。海水も別に用意してあげる必要があります。

塩水に浸かることで、脱皮の失敗を少なくする効果があるのだそうです。

ここで注意しなければいけなあいのは、塩水ではなく海水を用意することです。

海水のもとを使って人工海水を作るのがおすすめですね。

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オカヤドカリの餌

オカヤドカリは雑食性です。動物性の食べ物から植物性の食べ物まで幅広く何でも食べます。

人間の食べ物の残りを少し与えても構いません。

ペットショップにもオカヤドカリの専用の餌が売っていますので、そちらを与えると良いです。

与える量は少なくて構いません。オカヤドカリは小食ですので、食べ残すことが多々あります。

食べ残しは放置するとケースが汚れますので、すぐに取り換えるようにしてください。

食べ物としてはパン、魚、果物、野菜などなんでもよく食べます。いろいろと与えてみましょう。

なぜだかヤドカリはポップコーンが好きだという記述を多く見かける気がしますね。どうしてでしょうか。

ヤドカリの主食

オカヤドカリの貝殻

オカヤドカリは大きくなるにつれて貝殻を替える生き物です。この貝殻を替えるのがヤドカリ飼育の醍醐味なのかもしれませんね。

いろいろな大きさの貝殻を入れてあげましょう。

ちょうどいい大きさのものか、ちょっと大きいサイズのものが良いです。

貝殻になかなか入らない場合もあるかと思います。

その場合は、少し貝殻を海水に浸してみてください。入りやすくなると思います。

また複数匹のオカヤドカリを飼育する場合、貝殻が不足すると取り合いになりますので、少し多めに入れるようにも気を付けましょう。

またペットショップには、アートシェルというオカヤドカリ用のオシャレな模様がついている貝殻が売られています。

少々高いですが、いろいろ試してみるのも楽しいですね。

 

オカヤドカリの温度管理

オカヤドカリは沖縄に棲息していますので、寒さに大変弱い生き物です。

20℃を下回るようになると動きが鈍くなってしまいます。さらに15℃にまで下がると命の危険がでてきます。

ヒーターを使用し、ケース内温度が20℃以上を常にキープできるようにしましょう。
ヒーターはパネルヒーターがおススメです。この時の注意点として、ケース全体を温めるのではなく、ケースの一部(3分の1くらい)を温めるようにします。

こうすることで暑くなり過ぎた場合の逃げ場を作ることができます。

マルチパネルヒーター

オカヤドカリはガジュマルが大好き

オカヤドカリはガジュマルが大好きだと言います。

木に登って休んだり、葉っぱも食べます。

ケース内を美しく飾ることができますので、できれば入れてあげたいところです。

ただしホームセンターなどで売っているカジュマルは農薬が使われていますので、除去してから使用した方が無難です。

ガジュマル

飼育ケースの置き場所は?

オカヤドカリは暗い場所が好きです。飼育ケースは明るい場所には置かず、暗めな場所に置くようにしましょう。

 

オカヤドカリは臆病

またオカヤドカリはとっても臆病な性格をしています。隠れる場所が必要ですので、流木などを上手く使って隠れ家を作ってあげましょう。

 

オカヤドカリの脱皮

オカヤドカリは脱皮をすることで徐々に大きくなります。また脱皮は砂の中に潜って行います。

オカヤドカリにとって脱皮は命にかかわるくらい大事なことで、時間をかけて慎重に行います。

何日も砂に潜って出てこないことがありますが、掘り起こしたりしないようにしてください。

脱皮を成功させるために、砂の量を多くしたり、あまりたくさんのオカヤドカリを一緒に飼育しない(過密にしない)など対策を行いましょう。

 

まとめ

オカヤドカリは比較的飼いやすく、愛嬌があるかわいいペットになってくれます。

しかし人間に馴れることはなくとても臆病なので、すぐに隠れてしまうという性格をしています。

懐くペットと比べると、どこか物足りなさを感じますが、観賞用のペットだと割り切って飼育するのが良いでしょう。

なにかペットが飼いたいけれど、観賞賞でもいいからあまり手がかからないペットが良い、という場合にはピッタリなのではないでしょうか。