
あなたはハシビロコウという鳥をご存知ですか?
とっても怖い顔をしている、という人もいれば、どこかカッコいい顔だ、という人もいるという「顔」が特徴的な鳥で有名です。
近年その変わった容姿からますます人気が高まり、ハシビロコウを一目見ようとする人たちも増えてきているといいます。
そんなハシビロコウですが、いったいどんな鳥で、日本ではどこの動物園で見られるのでしょうか。今回はハシビロコウについて調べてまとめてみました。
目次
ハシビロコウって何の仲間?
ハシビロコウは、ペリカン目ハシビロコウ科に属する大型の鳥です。
またハシビロコウ科に属する鳥はこのハシビロコウ一種のみだとされています。これを1属1種と呼ぶそうです。
その習性からサギの仲間だとされていましたが、最近の調査ではペリカンに近い生き物だと分かってきています。
たしかによく見ると、色や顔こそ全然違えどなんだかペリカンそっくりな体つきをしていますね。同じペリカン科に属するものに、あのコウノトリがいます。
ハシビロコウの分布
アフリカのビクトリア湖周辺、エチオピア区の南スーダンからザンビアにかけての湿地に分布していますが、かなり狭い範囲での分布のようです。
また現在ハシビロコウの数は5000羽~8000羽にまで減少しており、絶滅危惧II類にも指定されています。
数の減少の要因は、生息地とされる湿地の破壊であるとされており、今後ますます数が減少するのではないか懸念されますね。
ハシビロコウの体の特徴
ペリカンの仲間らしく、かなり大型の鳥です。高さはおよそ100㎝~140㎝にもなり、大型の個体だと150㎝を超えるものも確認されています。
色は青みがかった灰色をしています。
ハシビロコウの最大の特徴は、その大きなクチバシです。和名の「ハシビロコウ」というのも、「クチバシの広いコウノトリ」という意味なのです。
ハシビロコウはとても怖い顔をしているのも特徴的ですね。この目力、凄まじいものがありますよね。
ハシビロコウの生態は?
食性は魚を好みますが、湿地にいるカエルやトカゲ、またワニの子供まで食べると言われています。
またとても動きがゆっくりなことで知られています。あまりに大きな体で動きがゆっくりなので、餌を捕るのに不利なのか、ずっと動かず獲物を捕らえる機会を待つ習性があります。
そしてチャンスがくると大きなクトバシで素早く餌を捕らえます。このことから「動かない鳥」としても有名なんです。
なんと餌を捕るために、一晩まったく動かなかったという例もあるくらいなんです。ここまでくればもう「置物」ですよね。
ハシビロコウは飛べる?
体の大きなハシビロコウですが、一応飛べるようです。しかしあまり長い距離は飛ばないようです。
長く飛んだとしても100m~500mくらいの距離であれば飛翔可能な程度です。
また羽ばたきの回数も1分間に約150回くらいですので、他の鳥と比べてもかなりゆっくりなのが分かりますね。落ちないのでしょうか。
ハシビロコウの寿命は?
寿命に関しては詳しい事は分かっていないようですが、かなり長寿な鳥だとされています。
また年齢を重ねるにつれて、瞳の色が金色から青色に変わる、ちょっと珍しい特徴も持っています。
現在最も長寿だとされているハシビロコウは、日本の「伊豆シャボテン公園」で飼育されているハシビロコウの「ビル」で、推定年齢43年以上生きているそうです。
唖然としちゃいますね。
ハシビロコウの子育てがちょっとヒドい!?
ハシビロコウの子育てはちょっとヒドイことでも有名です。
なんとハシビロコウは2羽の雛が生まれた場合、先に生まれた雛を1羽しか育てないのだそうです。
後から生まれた弟は兄が育たなかった場合の「保険的位置づけ」に過ぎないとされてるのです。
後から生まれた弟は兄にイジメられますが、親鳥はこれをみても見ぬふりをし、弱っている弟はそっちのけで兄に餌を与えるという残酷ぶり。
顔も怖いですが、生態もかなり怖いものがあるのですね。
ハシビロコウが見られる動物園は?
日本の動物園でもハシビロコウが見られるところがいくつかありますので、ここでご紹介します。
伊豆シャボテン公園
先述の長寿のハシビロコウの「ビル」が放し飼いにされている動物とのふれあいパークですね。
ハシビロコウといえばココだと言うくらい有名です。バードパラダイスという大きなケージの中で飼育され、その中に入って見ることができます。
運が良いと触れるくらい近くで見ることもできますよ。ビルは推定年齢43歳以上とされていて、もっとも長寿なハシビロコウとしても有名です。
千葉市動物公園
ちょっとこじんまりとした場所ですが、2羽のハシビロコウがオスとメス1羽ずつ飼育されています。
上野動物園
言わずと知れた上野動物園でもハシビロコウを見ることができます。
ここ上野動物園では、なんとオスが2羽、メスが3羽、計5羽ものハシビロコウが飼育されているんです。
のいち動物公園
高知県にある動物園です。ここではオスのささくんとメスのはるるちゃんの、計2羽のハシビロコウが飼育されています。
アフリカ・オーストラリアゾーンに行くと出会うことができるみたいですね。
神戸どうぶつ王国
アフリカンウェットランドというエリアの東側にある「ビッグビルラグーン」に行けば、2羽のハシビロコウのペア、オスのアサラト、メスのカシシに出会うことができます。
柵や網などが無いので、とても近くでハシビロコウを見ることができます。
めっちゃさわれる動物園
滋賀県にある、触れ合い型の動物園ですね。なんとショッピングモール内にある本格ふれあい動物園ということで、かなり珍しいタイプの動物園ですね。
ここではハシビロコウの「はっちゃん」に出会うことができます。ハシビロコウに実際にふれあえる、貴重な体験ができるかも!?
ビルさん、ちょっとどいていただけますかね・・?
まとめ
いかがでしょうか。ハシビロコウって姿も動きもとても面白いですね。
怖い顔に似合わず、かわいいなって思ってしまいませんか?生息地の破壊により、徐々に数を減らしてしまったハシビロコウですが、日本でもこんなにハシビロコウが見られるところがありました。
ぜひ一度お近くの動物園でハシビロコウを見て、触れ合ってみてはいかがでしょうか。