コウモリと言うと、
・血を吸う
・色が黒くて不気味
こんなイメージじゃないでしょうか。そんなコウモリの中でも、コウモリの常識を覆すような体をもつコウモリも生息しているのです。
そのコウモリとは「シロヘラコウモリ」。とてもかわいいと評判のこのコウモリですが、いったいどんな特徴を持つのでしょうか。今回はシロヘラコウモリの特徴や生態について詳しくご紹介していきます。
シロヘラコウモリとは?
シロヘラコウモリはコウモリの一種で、黒い体ではなく、真っ白な色をもつ珍しい姿のコウモリです。白くてモフモフとした容姿が強烈にかわいいと評判となっています。
生息地はコスタリカやパナマ、ホンジュラス、ニアラグアなどの中央アメリカで、体も小さくておよそ4cm程度しかありません。指でつまめてしまうくらいに小さなコウモリです。
一見するとコウモリというよりはモフモフしたハムスターか!?と思ってしまうほどの可愛さがあります。別名「コットンボール・バット」という名前すらあるんですよ。まさにフワフワとした綿そのものって感じですね。
色は白いですが、耳と鼻が黄色いという特徴も持っています。コウモリと言うと洞窟に生息しているイメージを持ちますが、シロヘラコウモリは熱帯雨林に生息しているのが一般的なのコウモリとの違いです。
食性は雑食で、果実を食べる他昆虫や小さなカエルなどの両生類、ヤモリなどの爬虫類も食べています。
普段は6匹~10匹程度の小さな群れ、というかグループで生活しています。コウモリらしくしっかりと夜行性ですので、昼間はヘリコニアという大きな葉っぱをもつ植物の裏側に数匹でくっついていて、日中の暑い日差しから身を守っています。まるでテント替わりといった感じですね。
シロヘラコウモリが生息している地域は雨季と乾季があり、四季がありません。ですので暑さと雨を凌げるように、大きな葉っぱの裏に隠れる習性を持つようになったのだと言われています。
白いコウモリはシロヘラコウモリだけ!?
世界にはおよそ960種のコウモリが生息しています。日本にも35種ほどのコウモリが生息していますが、色が白いコウモリはどこを探してもこのシロヘラコウモリだけなんです。色だけ見ても珍しいコウモリだと言えるでしょう。
ちなみにこの白い色はアルビノ種である、というわけではなく、そういう色なんですよ。
ハーレムを形成している
シロヘラコウモリは何匹かの群れで暮らしますが、群れは一匹のオスと数匹のメスで構成されています。いわゆるハーレムですね。
なぜ色が白いのか?
シロヘラコウモリの色が白い理由に関してはいくつか説があるようですが、一般的に言われているのは昼間に葉っぱに隠れているという特徴に秘密があるようです。
昼間に葉っぱを上から見てみると良く分かると思います。もし色が黒ければ葉っぱの裏にいるところを葉っぱ越しに見ると、色が黒く映ってしまい、裏側に隠れているのがバレバレになってしまいます。
しかし色が白いと、葉っぱの上から見ても色が透けて見えず、天敵からも見つかりにくいということになるわけです。
見つけるのは至難のワザ
シロヘラコウモリはなかなか見つけることが難しく、もし見つけることができたらとてもラッキーな事です。ずっと同じ葉っぱに隠れているというわけではなく、葉っぱも徐々に萎れてきてしまいます。そうなると別の葉っぱへ引っ越ししてしまいます。また危険を感じた際にもすぐに棲み処を替える習性があり、なかなか見つけられないのだとか。
シロヘラコウモリが見れる動物園は?
シロヘラコウモリの生息数は徐々に減少傾向にあります。現在準絶滅危惧種に指定されており、日本への輸入はもちろん飼うことも禁止されているという状況です。
ですので動物園でも見ることができる場所は残念ながら無い、ということになります。