普通は白くない動物のはずが、体全身が真っ白い動物っていますよね。ネズミやハムスターなどの動物よく見る事が多いのではないかと思います。
それらはアルビノ種と言われているのですが、よく体が弱い体質であるとか、寿命が短いのではとか色々と言われているんです。
果たして本当なのでしょうか。今回はそんなアルビノ種について、詳しくご紹介していきます。
アルビノとは?
アルビノとは皮膚を始め、髪や目などに色をつけることで太陽から出る紫外線を防ぐメラニン色素が欠乏している、いわば遺伝子疾患の一つです。
アルビノの遺伝子疾患は、動物全てがなる可能性があり、私たち人間の中にもアルビノの人たちがいるんですよ。
アルビノになる確率は?
アルビノは普通の体質の親から偶然産まれてきます。なのでアルビノの親はアルビノであるとは限りませんし、また反対にアルビノから産まれた子供が親と同じようにアルビノであるとも限りません。
ちなみに人間の場合、アルビノが産まれる確率とはどれくらいかご存知でしょうか。およそ1万人に1人くらいの確率でアルビノが産まれると言われており、結構高い確率だと思いませんか?意外と周りにアルビノの人がいるもんなんですよ。
アルビノは体が弱い?
アルビノの人は体が弱いと言われていることもありますが、実際にはそのようなことはありません。メラニンが欠乏しているということ以外には、体に何の異常もなく、何の変わりもないのです。
ただし、視力が少し弱いこともあります。ネズミなどのアルビノ種の目は真っ赤な特徴があります。トカゲなどにもアルビノ種がたくさんいますが、目が赤いのが特徴的です。
こういったアルビノ種は見る力が弱いらしく、餌を獲るのが普通の個体よりも下手なことが多いのも事実です。アルビノの個体を飼育している場合には、給餌の際などで少し手助けが必要になることもあるかも知れませんね。
アルビノに太陽は天敵
アルビノは体の機能には何の問題もないですが、皮膚が紫外線に弱いという最大の弱点があります。なので太陽の日差しにはめっぽう弱く、普通の日焼けですら火傷のような症状になってしまうんです。
酷い時には腫れあがってしまったり水ぶくれになったりします。しかも治るまでかなりの時間を要するのもアルビノの人達の悩みなのです。
太陽の紫外線はアルビノの人たちには生涯対策を取らなければいけない天敵なんですね。
アルビノの寿命は短い?
アルビノの寿命は短いのかとも言われていますが、実際にはそんなことはありません。ただし、アルビノ種の動物たちは色んな間接的な要因により、短命になりやすいと言われます。
理由は目立つからですね。真っ白い体は自然の中でもかなり目立つ色なんです。なので天敵に見つかってしまうリスクもかなり高くなってしまい、天寿を全うするまでに命を落としてしまう確率が高くなるんです。
またライオンなどの捕食者側にもアルビノが存在します。これも自然界の中ではかなり目立ってしまい、子供ライオンは他の肉食獣からも狙われるリスクが高くなり、大人になるまでに死んでしまうことも多いのだとか。
人間でもアルビノの人達は皮膚がんになりやすく、寿命を短くしている要因になっているのでしょうね。
また大人のアルビノライオンであっても、目立つが故に体を隠せずに、獲物となる草食動物に簡単に見つかってしまい、狩りに失敗してしまうことも多いんです。狩りが成功しなければ生きていけません。アルビノ種が比較的短命になってしまう傾向にあると言われているのはこうした要因も大きく関わっているからではないでしょうか。
アルビノではない場合がある
全身白いからといってアルビノかと言われれば、そうでもありません。例えばホッキョクグマなどですね。メラニン欠乏ではなく、これはそういう体毛になっているだけであり、アルビノとは無関係です。
またホワイトライオンやホワイトタイガーといった珍しいと言われている白いライオンやトラもいますよね。これらも実はアルビノとは、無関係なんです。これらは白変種と言われ、色素の減少によって体毛や羽毛、皮膚が白くなった動物たちです。
アルビノ種との見分け方や違いは目を見れば分かります。アルビノの目は色が無かったり、真っ赤な色をしている特徴があります。しかし白変種の場合は目が青いなど正常な色をしていますので見分けることは比較的簡単です。
シマリスにもホワイトシマリスという種類のシマリスが珍しい種として出回っています。アルビノシマリスもホワイトシマリスとして出回っていることがありますが、これらは全く別の理由で色が白いということですね。ホワイトシマリスの目は黒いですが、アルビノシマリスの目は赤いといった大きな違いがあります。
まとめ
アルビノは遺伝子疾患によってメラニンが作れず、色が白くなってしまう動物を言います。
体が紫外線に弱いという弱点がありますが、その他の体には何の異常もありません。
寿命が短いと言われることがありますが、これはアルビノだからという直接的な理由よりも、皮膚がんになりやすい、天敵に見つかりやすい等、間接的な理由によって短命になってしまう傾向にあるのです。
体が白いからアルビノというわけではなく、もともと白い体毛の動物もいれば、単なる色素の減少によって白い色をしている白変種が存在します。
いろんな動物に見られるアルビノ種。真っ白なカラスのアルビノ種などは、はちょっと調べてみると面白いかもしれませんね。