チョウとガの違いって何だかご存知ですか?
よく言われているのに「キレイな方がチョウ、地味で気持ち悪いのがガ」などという見分け方がありますよね。
でもそれはかなり大雑把で曖昧な見分け方でしかないのです。
実際にチョウとガの違いや見分け方はいくつか存在します。
今回はそんなチョウとガの違いや見分け方について、詳しく見ていきたいと思います。
目次
チョウとガは全く同じ!?
チョウとガは全く同じと言われれば、そんな馬鹿な!という方も多いことでしょう。チョウもガも同じ鱗翅目(りんしもく)に分類される昆虫ですし、パッと見たらよく似ているのも当然と言えば当然です。
しかし実際に、チョウとガを区別してない国もあるのです。例えばドイツやフランスでは、チョウとガを特に区別することなく、同じ仲間として分類されているんです。
日本ではチョウとガに分類するのを当たり前のように思っていますが、実際にはそうではない国もあるんですね。
ガからチョウが派生した!?
日本に生息しているチョウとガの種類はどれくらいかご存知ですか?
日本に生息しているチョウの種類はおよそ200種類と言われています。
一方でガの種類はというと、なんと5500種類以上のガが発見されているんです。すごい差がありますよね。日本にいる鱗翅目のうち、ガが95%を占め、チョウはわずか5%しかいないのです。
チョウはもともと古代に生息していたガの祖先が、昼間に活動できるように目を発達させて進化したものと言われています。
なのでガの種類の方が圧倒的に多いのもこのためですね。
キレイな方がチョウ、地味なのがガ
一般的に言われているのがこの見分け方じゃないでしょうか。
しかしこれは間違ってもないですが、正しくもありません。ガの色が地味なものが多いのは、活動時間によるもので、決してガだから地味な色というわけではないのです。例えばニシキオオツバメガというガがマダガスカルに生息しています。このガは世界でも最も美しいガとして知られていますが、とても美しく、見た目は完全にチョウそのものです。
日本にもオオスカシバというハチドリのような飛び方をするガがいます。黄緑色のキレイなガで、愛好家もいるくらいですよ。また地味な色のチョウもいますので、この見分け方は少しナンセンスだと言えますね。
活動時間が違う
チョウとガは基本的に活動時間が異なります。チョウは昼行性のものが多いですが、ガは基本的に夜行性です。そのため、夜に見つかりにくく擬態しやすいように地味な色のガが多いのです。
しかし昼間に飛び回るガもいるので、もちろんすべてのチョウやガに当てはまるわけではありません。
触覚の形が異なる
チョウの触覚は細く、先っぽが丸くなっている形状にんっています。まるでマッチ棒や綿棒のような感じです。対してガの方はクシのような形状をしていたり、細いだけの形状をしていたりとチョウとは少し異なります。
しかし厳密に言えば例外の種類も存在してして、国によってガに分類されたり、チョウに分類されていたりとバラバラな場合もあるんです。セセリチョウが例外として有名です。
胴が細いのがチョウ、太いのがガ
これも100%そうではないため、確実ではありません。しかし大抵の場合チョウの体は細く長いのに対し、ガは太く短い形状になっていることが多いです。
これも厄介なことに例外があります。これも胴が太いセセリチョウが例外ですね。
繭を作るのがガ
カイコなどで有名な繭を作るイモムシがいますよね。基本的に繭を作るイモムシはガであると言えます。しかしこれも必ずしもそうであるとは言い難く、繭を作るチョウもいますので100%とは言い難いです。
毛虫はガ、つるつるのイモムシはチョウ
一般的に毛虫と言われているイモムシはガの幼虫であると言えます。しかし注意したいのは、毛虫じゃないイモムシはすべてチョウか?と言われればそうではありません。
ガの幼虫にも毛虫ではない幼虫もいるんです。
翅を閉じてとまるか開いてとまるか
これも結構有名な見分け方だと思います。チョウはがとまる時には翅を閉じてとまることが多いです。
対してガの方は、翅をそのまま広げた状態でとまっているのをよく見かけます。しかしこれも少し例外もあって、チョウは体温を上げるために翅を広げてとまることがある、という点には注意が必要です。
まとめ
チョウとガの分類は生物学上でも明確にするのは難しく、今でも研究がなされているんです。
つまり分離が曖昧な以上は、確実に見分ける方法というものは残念ながらないです。
しかし最も簡単に見分けられる方法はここで紹介した6つのポイントだと思います。
触覚と胴体を確認するだけでも、チョウかガかを見分けることができるでしょう。