ジュゴンとマナティー。
この2種類の動物の名前は、一度くらいは聞いたことがあるかと思います。
しかし、どこがどのように違うのかといった詳細は、あまり詳しく知らないという人も多い事かと思います。
もしかしたら、「そんなの全然知らない!」という人もいるのではないでしょうか。
また「人魚のモデルにもなった」という伝説があるのをご存知でしょうか。
人魚伝説のルーツになったのは果たして「ジュゴン」と「マナティー」のどちらなのでしょうか。
今回はそんなモヤモヤを解消するため、「ジュゴン」と「マナティー」の違いについて、詳しく調べてまとめ、ご紹介していこうと思います。
目次
ジュゴンとは?
ジュゴンとは、カイギュウ目ジュゴン科ジュゴン属に分類される哺乳類の一種です。
カイギュウとは感じで「海牛」と表記されます。
ジュゴン属に属しているのは、ジュゴン本種のみであり、ジュゴン科をにはジュゴンという動物一種類しか存在しません。
分布はインド洋、西太平洋を中心としており、モザンビーク北部やマダガスカルから、紅海、ペルシャ湾、インド、インドシナ半島、ボルネオ島、ニューギニア島、ニューカレドニア、バヌアツ近海にかけて分布しています。
つまり「海」に生息している動物という事になりますね。
大きさは全長3メートル、体重はおよそ450キログラムくらいが平均的だとされています。
ちなみにこれまでに見つかった個体で最大のものは、なんと908キログラムに達するとの事ですよ!
マナティとは?
マナティーもジュゴンと同様に、カイギュウ目に属している動物ですが、こちらはマナティー科に分類されており、ジュゴンとはやはり違った動物という事になりますね。
しかし同じカイギュウ目ですから、似ているのは無理もない事だと思います。
マナティー科に属する動物、つまりはマナティの種類ですが、
・アメリカマナティー
・アフリカマナティー
・アマゾンマナティー
の3種類が生息しています。
分布はアフリカ大陸、北アメリカ大陸東部、南アメリカ大陸北部、キューバ、ジャマイカ、ドミニカ共和国、トリニダード・トバゴ、ハイチなどです。
またジュゴンとは異なり、マナティーは基本的に海ではなく、河川や湖、河口、沿岸などの淡水に生息していることがポイントです。
しかし海域にも生息している場合もあるようですが、アマゾンマナティーに限っては淡水域にしか生息していないようですね。
大きさは最大種であるアメリカマナティーで3.9メートル、体重は1500キログラムにまで達すると言われています。
また最小種であるアマゾンマナティーの場合は、2.5~3メートル、体重は350~500キログラムくらいと、最大種であるアメリカマナティーと比べるとずいぶん差があるのが分かりますよね。
ジュゴンとマナティーの違いや見分け方とは?
さて、同じカイギュウ目い属しているジュゴンとマナティーですが、実際に見分ける方法や決定的な違いがあるのでしょうか。
詳しく見ていきましょう。
大きさの違い
前述の通り、ジュゴンとマナティーの大きさの違いは確かにあり、マナティーの方が一回り大きいと言えます。
またジュゴンの方が小さい傾向にあるばかりか、ややスリムな体型をしています。
しかし、小さいマナティーの場合だと、さすがにそう簡単にはいきませんよね。
他の見分けるポイントが必要ですね。
爪の有る無し
爪があるかないかでも見分けることができますよ。
しかし遠目から見て見分けられるかというと、ちょっとそう簡単にはいかなさそうですよね。
マナティーには爪がありますが、ジュゴンには爪がないのです。
食べ物の違い
どちらも水草や海藻を食べる草食性の動物ですが、食べている草の種類が違います。
マナティは水面の水草を食べる習性がありますが、ジュゴンは海底にある水草を食べる習性があるのです。
食べている風景を見れば一目でわかるかもしれませんが、あまり分かりやすい方法であるとは言えないですよね・・。
性格の違い
ジュゴンは警戒心が強く、臆病な性格をしてる傾向が強いようですね。
マナティーはジュゴンとは違い、意外と温和で人懐っこい性格をしていると言われています。
人が近づいても逃げずに、むしろ興味を持って近寄ってくるといわれているくらいですから、ジュゴンとかなり違う性格であるのがわかりますよね。
しかし、性格を一目で判断するのは正直言って「無理」というもの。
やはり決定打に欠けるものがありますよね。
尾ヒレの形が違う
実はこの2種は、尾ヒレの形を見ればすぐに見分けがつくのです。
ジュゴンの尾ヒレはいわばイルカやシャチの尾ヒレと同じような三角形をしています。
一方マナティーはというと、三角形ではなく、丸い形をしているのです。
ハッキリ言って、このポイントさえ知っていれば、この2種を見分けることは非常に簡単です。
人魚伝説との関係性とは?
人魚伝説は「ジュゴン」がルーツになっている、という俗説があるのをご存知でしょうか。
ヨーロッパ人が初めてジュゴンを認知したのは16世紀になってからであり、1560年にインド洋にてジュゴンを見かけたポルトガルの海賊が最初だと言われています。
その後7頭のジュゴンがヨーロッパに持ち帰られたそうです。
この時のジュゴンがまるで人魚に見えたというのがルーツだとされている説ですが、実際に人魚伝説は16世紀以前から存在している為、信憑性はあまりないといえるのかもしれませんね。
ジュゴンやマナティーに合える水族館
では最後に、ジュゴンやマナティーに会う事ができる水族館をご紹介します。
ジュゴンに会える水族館
ジュゴンが飼育されているのは現在のところ、鳥羽水族館だけとなっております。
国内唯一のジュゴン「セレナ」に会う事ができる貴重な水族館ですね。
マナティーに会える水族館
マナティーはいくつかの水族館で飼育されています。
もちろん鳥羽水族館でも飼育されていますので、ジュゴンとマナティーを両方見たい!という人は鳥羽水族館をおススメします。
まとめ
ジュゴンとマナティーは共にカイギュウ目に属する哺乳類のため、姿形がとても似ている動物です。
しかし性格や生息地が若干異なる特徴の違いがあります。
決定的な体の特徴は、「尾ヒレ」であり、ジュゴンは三角形のイルカのような尾ヒレであるのに対し、マナティーの尾ヒレは丸みを帯びたうちわのような形状をしているのが特徴的です。
もし、どっちがどっちだ!?
と思ったら、尾ヒレを確認してみると、すぐに違いが分かりますよ。