ハナカマキリという昆虫がいるのをご存知ですか?
カマキリというくらいですから、それはもう確かにカマキリそのものなのですが・・
実はこのハナカマキリ、カマキリではありながら、かなり面白い容姿をしていることから、昆虫愛好家たちの中でも人気が高く、飼育されています。
そんなハナカマキリですが、いったいどんなカマキリなのでしょうか。
今回はハナカマキリの特徴や生態、販売価格や飼育方法についても詳しく調べてまとめてみました。
目次
ハナカマキリってどんなカマキリ?
その名の通り、花の形をしており、花に擬態しているちょっと変わった容姿のカマキリです。
花の中でもラン科の花によく似ていることから、別名ランカマキリとも呼ばれています。
私たちがイメージするカマキリとは似ても似つかず、白色をベースとしたピンク混じりの美しい色をしているのも特徴的です。
こうして花に擬態するのは、ズバリ獲物を待ち伏せして奇襲をかけて捕らえやすくするためであり、なんと見た目だけではなく、ハナカマキリ自身も花の匂いを出すことができ、花に似た香りでも獲物となる昆虫をおびき寄せる事ができる能力を持っているのです。
虫は嫌な臭いがする、と敬遠されがちかもしれませんが、本種は花のような甘い香りを出しますので、ペットとして部屋で飼う場合も臭いが気になることもないでしょう。
ハナカマキリの生息地は?
ハナカマキリの生息地は東南アジアの熱帯雨林になります。
日本には生息していない、外来種のカマキリなのです。
海外の熱帯雨林には本当に様々な昆虫が生息しており、見るものを魅了する昆虫も数多く存在します。
ハナカマキリもその一種で、ライフサイクルを観察してみると面白い一面を見る事ができるかもしれませんよ。
ハナカマキリの販売価格はいくら?
ハナカマキリはショップでも普通に購入することができます。
近年では流通量も増えてきていますし、ブリードしている人も増えてきている傾向にあるので、比較的手に入りやすくなりました。
とはいえ、まだまだ高価な昆虫である事には変わりなく、そこそこの値段で取引されているようです。
相場はオスの成虫で2,000円ほど。
メスの成虫だと4,000円くらいの値段が多いのではないでしょうか。
メスの方がオスよりも大きく、色合いも華やかで美しいので見ごたえがあるということからメスの方が高価になっているのでしょうね。
オスはメスに比べて小さく、少々地味な色合いをしていますので、見た目を楽しむならやはりメスを購入するのが良いように思います。
また幼虫であれば成虫よりもさらに安価で購入する事ができる傾向にあり、およそ1,500円前後が多いのではないでしょうか。
ハナカマキリの寿命は?
オスとメスで寿命にやや違いがあるようですね。
オスは小さいため、4か月くらいの間に5回ほど脱皮をし、成虫になってから1か月くらいで死んでしまう事が多いです。
対してメスはというと、オスより大型なので半年くらいかけて7回くらい脱皮を行い、1か月~2か月くらい成虫として生きる事ができます。
メスは卵を産むことからもやや長生きなのは、他の昆虫と同じですね。
ハナカマキリの飼い方は?
ハナカマキリの飼い方のポイントについて順番に解説していきます。
外国産の昆虫ですから、飼育する際には注意点をしっかり抑えて、上手に飼ってあげましょう。
ハナカマキリの飼育適正温度は?
ハナカマキリは外国産の昆虫ですので、日本の冬の気候には適応できません。
冬に飼育する場合には、ペットヒーターなどで飼育環境を常に26℃に保ってあげる必要があります。
また熱帯雨林に生息する昆虫ですので、湿度も60%程度に保ってあげるのが良いです。
霧吹きでも良いですが、スポンジなどに水を含ませて、飼育容器に入れてあげる方法でも湿度を保つことができます。
ペットヒーターはパネルヒーターなどが扱いやすくておススメです。
自動的に設定温度に保ってくれる機能付きのものが多く、簡単に温度を管理することが可能です。
ハナカマキリの餌は?
ハナカマキリの餌は、日本のカマキリと同じような餌で対応できます。
バッタなどの昆虫を普通に捕食してくれますので、ペットショップに売っている爬虫類用の餌として売っているゴキブリやコオロギでも大丈夫です。
ただし、小さな幼虫の場合は餌に少々苦労します。
食べられる餌のサイズもごく小さいものに限られますので、ショウジョウバエや蚊などを用意する必要があり、なかなか難しいものがあります。
さらに生き餌しか食べないので、自然とハエが湧くような環境を用意するなどの工夫が必要になるでしょう。
ハナカマキリの繁殖
ハナカマキリの飼育で挑戦したいのは何といっても繁殖でしょう。
しかしハナカマキリの繁殖はかなりハードルが高く、成功する確率も低くなります。
メスはオスよりも大きく、オスに気付くと捕食してしまう事故も起きてしまいます。
交尾させる場合は、メスに気付かれないようにオスがメスに接近しないといけません。
何度もオスが食べられてしまい、上手くいかない事があるため、何匹もオスを用意しなければならない事もしばしば。
一匹当たり数千円もするハナカマキリですので、そう簡単に何度も死んでしまってはたまりませんよね。
さらに、交尾が成功し、卵が孵ったとしても無事に成虫まで生きられる個体もかなり限られているようですので、かなり難しいと言えるでしょう。
まとめ
ハナカマキリは外国産のカマキリで、ランの花に擬態できるように進化した美しいフォルムを持つのが特徴です。
ペットとして飼育している人も増えてきており、現在では一匹数千円で取引される高価な昆虫でもあります。
飼い方自体は日本のカマキリとほぼ変わらず簡単なのですが、日本の気候に適応できないため、飼育温度などは調節してあげる必要がありますので注意しましょう。
また繁殖はかなりハードルが高いようで、初心者には難しいものがありますが、一度は挑戦してみたくなりますよね。
ランの花と一緒にケースに入れれば擬態する姿も観察出来て、面白いかもしれませんね。