テントウムシと言えば、誰もが知っている昆虫ですよね。
背中の水玉模様が特徴的で、小さくなんとも可愛らしい姿が印象的です。
そんなテントウムシですが、どれくらいの種類がいるのでしょうか。
また可愛らしい見た目のテントウムシですが、幼虫はかなりグロい姿をしている、という事をご存知でしょうか。
今回はテントウムシの種類や幼虫について、詳しく調べてまとめてみました。
目次
テントウムシの種類は?
私たちが普段から目にしているテントウムシですが、日本国内にはたくさんの種類のテントウムシが存在しています。
日本で確認できるものでも約25種類近くいますので、すべてをご紹介することは大変です。
主に見られる一般的なテントウムシと言えば「ナナホシテントウ」と「ナミテントウ」の2種類が多い事かと思います。
ナナホシテントウ
その名の通り、背中に7つの黒い斑点が特徴的な赤い色のテントウムシですね。
テントウムシと言えばこのナナホシテントウを連想する人が多い事かと思います。
肉食性で、餌となるのはアブラムシですね。
ナミテントウ
ナナホシテントウと並んで一般的だとされているテントウムシでもあるのが「ナミテントウ」です。
ナナホシテントウ同様に肉食性で、アブラムシを食べています。
ナミというのはすなわち「並み」という意味であり、実はナナホシテントウ以上に一般的なテントウムシであるとも言われています。
テントウムシとは、このナミテントウの事を指す、とも言われているそうですね。
そしてこのナミテントウの面白い所は、同じナミテントウでも色や模様が実に様々である、という点にあります。
黒い色の体に2つの赤い大きな斑点のものもいれば、ナナホシテントウのような赤い体に黒いたくさんの斑点を持つもの、さらにはオレンジ色の体のものや斑点がほとんど無いもの、そして斑点ではなく複雑な模様のようになっているものなどたくさんのバリエーションを持っています。
ここまで種類があると、同じ種類のテントウムシとは思えないほどです。
個体によってはナナホシテントウと大差ない見た目のものも存在しますので、ナナホシテントウだと思っていた個体が、実はナミテントウだった、という事もあるかもしれませんね。
テントウムシの食性について
テントウムシには様々な食性があり、肉食性のもの、草食性のもの、さらには菌類食のものに分けることができます。
主なテントウムシは、アブラムシを捕食する肉食性のものが多いという事です。
菌類食のものはあまりピンとこないですが、「うどんこ病菌」などを食べているようですね。
草食性のものは、アブラムシではなく野菜の葉っぱなどを食べてしまい、私たち人間にとって害虫になり得るということで、「テントウムシダマシ」という別名でも呼ばれているようです。
また肉食性のテントウムシと異なり、背中に艶が見られないという特徴があります。
すべてがそうであるかは分かりませんが、一つの見分ける目安になりそうですね。
テントウムシという名前について
テントウムシという名前は漢字で表すと「天道虫」と表記されます。
お天道様という言葉がありますが、太陽ですね。
太陽に向かって飛んで行く虫、ということから天道虫と呼ばれているとの事です。
実は私は点が10個くらいあるから「点十虫」なんて勝手に思っていた時期があります。
今思うと、我ながらに実に恥ずかしい話です。(笑)
テントウムシは英語で何と言う?
テントウムシは英語で「Lady bug」や「Lady bird」と呼ばれています。
この「Lady」というのは女性らしく可愛らしいから、なんて理由で付けられているわけではなく、なんとあの聖母マリア様の事を指しているのだとか。
何でも、聖母マリア様が纏っているマントの柄によく似ている事から「Lady」という名前になっているそうです。
また、「Lady bug」や「Lady bird」といった2種類の呼ばれ方になっているのは、アメリカ英語とイギリス英語の違いのようで、アメリカ英語は「Lady bug」、イギリス英語は「Lady bird」と表記するという違いがあるのだとか。
テントウムシの幼虫は意外とグロい!?
テントウムシの成虫は誰もが見たことがあるかと思いますが、テントウムシの幼虫というと、いまひとつピンとこないかもしれませんね。
実はテントウムシの幼虫はあまり可愛い姿とは言えないような、ちょっとグロテスクな容姿をしています。
ホタルの幼虫がそうであるのと同様に成虫の姿とは似ても似つかわしくありません。
何だか、トンボの幼虫のヤゴに通ずるものがあると思うのは、私だけでしょうか?
益虫としてのテントウムシ
肉食性のテントウムシのことを指しますが、大量のアブラムシを食べてくれるという事からも、益虫としての評判も高いようですね。
肉食性のテントウムシは、幼虫も成虫も同じようにアブラムシを食べる習性がありますので、アブラムシ駆除にはうってつけの昆虫として評価されているのです。
現在は農薬に変わる威力を発揮するということで、テントウムシの農業への活用が注目されてきています。
どこにも飛んで行かずにその場に留まることで、その場所のアブラムシを食べ続けてくれる、「飛翔能力が低い、飛べないテントウムシ」の研究も進んでいるという事で、実際に農業に活かせる日もそう遠くないかもしれませんね。
まとめ
一概にテントウムシといっても、実にたくさんの種類のテントウムシが存在しています。
主に見かけることが多い有名なものは「ナナホシテントウ」と「ナミテントウ」の2種類です。
またアブラムシを食べるというのが有名ですが、肉食性以外にも草食性のものや菌類食性のものなど、色んな食性のものがいるようですね。
幼虫は成虫と違って、見た目にかなりグロテスクであり、可愛らしいとは言いにくい外見をしています。
肉食性のものは幼虫でも成虫と同じくアブラムシを食べるので、農薬代わりに農業への活用に注目されてきています。
テントウムシを見かけたら、どんな種類のテントウムシか、じっくり観察してみても面白いかもしれませんね。