皆さんは「イモリ」と「ヤモリ」という生き物の違いをご存じですか?
ヤモリは良く窓ガラスに張り付いて、蛾などの餌を食べている姿を見たことがある人もきっと多いはず。
とってもよく似た名前を持つイモリとヤモリですが、実際には全く違う生き物なのです。今回はそんなイモリとヤモリの違いについて徹底的に調べてまとめてみました。
※ここで紹介するイモリとヤモリに関しては、イモリは「アカハライモリ」、ヤモリは「ニホンヤモリ」について記述していきます。
目次
イモリとヤモリの違い1 分類の違い
イモリとヤモリの違いの一つ目は、まずイモリは「両生類」、そしてヤモリは「爬虫類」であることですね。
両生類とは、ざっくり言えばカエルのように水の中でも生活する生き物の事ですね。
カエルの子供のオタマジャクシは、水の中でのみ生活しますが、大人になれば陸にも上がります。
水陸どちらでも生きるので「両生類」というわけです。
一方爬虫類はというと、トカゲのように生涯陸上でしか生活しない生き物のことですね。この生物学上の分類だけでも、イモリとヤモリの違いは明らかですよね。
イモリとヤモリの違い2 住む環境の違い
イモリは両生類ですので、基本的に水辺で生活しています。
一方ヤモリは陸上で生活しますので全く違う生活環境で生きています。
イモリは漢字で書くと「井守」と書きます。これは田んぼや井戸の害虫を食べてくれる、つまり井戸を守ってくれているからというのが由来になっているようです。
一方ヤモリは漢字では「家守」と書きます。
これは家の周りの蚊や蛾といった害虫を食べてくれるので家を守ってくれている、ということが由来になっているようですね。
イモリとヤモリの違い3 体の違い
目の違い
イモリの目は丸い形をしていて、なんとなく可愛らしい目をしている印象があります。
一方ヤモリは同じ爬虫類のヘビと同じような鋭い目をしているのが特徴です。
指の違い
イモリの指は前足は4本に対して後ろ足は5本の指があります。
一方ヤモリは前足、後ろ足ともに5本の指を持っています。またヤモリは陸上で生活しますので爪をもっているのが特徴です。
イモリは水辺で生活するので爪がありません。
体の色の違い
イモリは黒い色の背中が特徴的です。イモリは外敵から身を守るために毒を持っていますので、毒をもっている生き物によくある、警戒色というのを持っています。
ちなみにイモリが持っている毒とは、フグが持っている毒と同じ種類の毒だそうですよ。
「アカハライモリ」の名前の由来でもある、赤いおなかは「毒を持っているんだぞ!」と外敵に知らしめるための色なんですね。
弱い毒とはいえ、むやみに触らない方が賢明だと言えます。また触った場合はしっかりと手を洗うのを忘れないようにしましょう。
ヤモリの方はというと、警戒色はなく地味な灰色をしています。イモリとヤモリの違いはこういうところでも簡単に見分けることができますね。
体の触感の違い
イモリは水生生物ですので、体が常に濡れていてヌルッとしています。一方ヤモリは濡れていることがありません。
イモリとヤモリの違い4 しっぽの自切と再生
トカゲは身の危険を感じた場合、自らしっぽを切って逃げる事でも有名ですよね。これを「自切」と呼びますが、果たしてイモリやヤモリもこの自切が可能なのでしょうか。
ヤモリは爬虫類ということもあり、トカゲと同じく自切を行い、切れたしっぽは再生することができます。
しかしイモリの場合は自切を行わない、というのがヤモリとの違いですね。
しかしイモリにはヤモリにはない凄い能力があるのです。それは「体のどこを失っても再生できる」という事です!
つまりしっぽだけではなく、例えば足を失っても完全に再生することができるのです。
イモリ
かわいいヤモリの子供
まとめ
そもそもイモリとヤモリの違いは、両生類と爬虫類の違いにあります。
ですからそれぞれイモリは両生類の特徴を、ヤモリは爬虫類の特徴を持っています。
ですので住む環境にも違いがあり、イモリは田んぼなどの水辺に、ヤモリは家の周りなど陸上で生活しています。
イモリは水辺の生き物なので、体はしっとり濡れていて黒っぽい背中が特徴ですが、ヤモリはそんなことはありません。
地味な灰色一色といった感じですね。
またイモリで最も有名なアカハライモリはフグと同じ種類の毒を持っており、警戒色としておなかが赤いのが特徴です。
いかがでしょうか。見た目はよく似ているのに、こうして比べてみると全く違う生き物だとよく分かりますよね。