大磯砂

アクアリウムにおいて欠かせないのが底床ですよね。アクアリウム用の様々な底床が販売されています。そんな中、昔からアクアリウムに愛用されていた底床があります。それが大磯砂です。しかし近年では土を焼き固めたソイルの登場によって大磯砂は次第に使われなくなってきました。

そんな大磯砂ですが、意外とおすすめできる便利な底床でもあるんです。ソイルに取って代わられたとはいえ、まだまだ使える大磯砂の魅力についてご紹介していきます。

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大磯砂のメリット

まずは大磯砂のメリットについて解説します。大磯砂の良いところは以下の通り。

・ずっと半永久的に使い続けられる
・ソイルよりも安価
・種類も豊富
・ある程度の水草を育てられる
・底面フィルターと相性が抜群

ずっと半永久的に使い続けられる

大磯砂の最も大きなメリットは、ずっと使い続けられるという事です。ソイルのように寿命がなく、崩れて使えなくなるということがありません。たとえ苔まみれになったとしても、バケツに入れて漂白しておけば元通りにピカピカの大磯砂に戻すことができるんです。この点だけでもかなり経済的だといえますね。

ソイルよりも安価

大磯砂はソイルと違い、かなり安価に販売されています。比較するとかなりの違いがあるのが分かります。またどのショップでも簡単にかけますので、探してもない、ということはないでしょう。半永久的に使い続けられることと併せて、とても経済的な底床であるといえるでしょう・

種類も豊富

大磯砂は種類も豊富なのも特徴の一つです。粒の大きさが色々とありますので、使い方に応じて種類を選ぶこともできます。

ある程度の水草を育てられる

大磯砂では水草を育てられない、と考えている方も多いかと思います。しかしこれは間違いです。そもそもソイルが登場する以前は大磯砂が主流でしたし、現在でも大磯砂を用いたレイアウト水槽を作っている人たちもたくさんいます。大磯砂でも水草を育成することは十分可能であるといえます。

ただし、どんな水草でも育てられるのか、と言えばそうでもないのが大磯砂の残念なところでしょう。ある程度の水草は育てられるけれど、育てることができない水草も多くあるという事です。

底面フィルターと相性が抜群

底面フィルターは非常に安価なフィルターでありながら、底床を全てろ材として使うため、生物ろ過機能がとても高く、大変優秀なフィルターです。大磯砂は通水性の良さからも底面フィルターとの相性がとても良いです。ソイルは崩れることで目詰まりを起こし、底面フィルターの機能が低下してしまう可能性がありますが、大磯砂はこのような心配は全く要りません。底面フィルターを使うなら大磯砂、というくらいに相性が良いので、うまく使えば最強のろ過機能を持った水槽を作ることができるかもしれませんね。

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大磯砂のデメリット

続いて大磯砂のデメリット、残念ところについて解説していきます。大磯砂の残念なポイントは以下の通り。

・栄養を含まない
・水質がアルカリ性に傾きやすい
・場合によっては地味

栄養を含まない

大磯砂は小石の集まりと言っても良いですので、ソイルと違って全く栄養が含まれていません。これが大磯砂で水草水槽は作れないと言われている要因でもあります。とはいえ、全く水草が育たないのかと言えばそのようなことはありません。上手く使えば水草を育てることもできますが、少しコツのようなものが必要になります。

水質がアルカリ性に傾きやすい

石などをレイアウトに使うと、水質がアルカリ性に偏ってしまいます。大磯砂も小石の集まりですから、水質をアルカリ性に傾ける性質があります。多くの水草の生長しやすい水質は弱酸性になります。また熱帯魚の多くも弱酸性が適しており、弱アルカリ性の水質では水草が育ちにくい、一部の熱帯魚を飼育するには不向きといったデメリットもあります。メダカの仲間は弱アルカリ性が適していますので、そのような生態を飼育する場合はお磯砂が適しているとも言えますね。

場合によっては地味

大磯砂は見る人によってはお洒落にも見えますが、真っ黒なソイルや茶色のソイル使っている引き締まったレイアウトと比べると、どうしても見た目が地味に感じやすく、残念に思う場合があります。しかしこれも個人の好みの問題であることが多いので、気にならないという人は気にならないでしょう。

また大磯砂を使ったレイアウトの場合、前景草を使った緑の絨毯、草原のようなレイアウトを目指すのはかなりハードルが高いと言えます。緑の絨毯はとても見ごたえがあり、美しい水景を作り出してくれますので、一度は挑戦してみたいと思う人も多いことでしょう。そんな場合は大磯砂ではなく、ソイルを使った方が間違いなく上手くいきます。

大磯砂で育てられる水草

大磯砂でも育てられる水草は、葉からも栄養を吸収してくれる水草であるとも言えます。つまり底床に根を張らなくて、流木や石などに活着させて育成するタイプの水草は、大磯砂でも問題なく育成可能です。代表的なものではアヌビアスナナやウィローモス、ミクロソリウムなどがありますね。こういった植物に共通することは、成長が遅いことです。生長が遅いということは吸収する栄養が少なくて澄むので、底床に栄養が少なくても問題ないのです。

ただし、こういった植物を選んで育成していると、注意しなければいけない点もあります。それは苔の発生です。吸収する栄養が少ないということは、余った栄養は苔に回ることになります。つまり、苔が出やすい水槽になってしまう可能性も高くなってしまいます。こうした問題を解決するため、底床清掃と水換えを頻繁に行うことがポイントとなります。幸いなことに、大磯砂はソイルと違い粒が崩れませんので、プロホースなどを使ってガシガシと底床の掃除を行うことが可能です。とはいえ、毎回すべての底床を掃除するとバクテリアにダメージがありますので、半分ずつなど工夫しながら底床清掃を行って下さい。

大磯砂に水草を植える場合

大磯砂でも前景草を育てることは可能です。ただし、固形肥料を適宜入れてあげる必要があります。また大磯砂の粒の大きさも出来るだけ細かいものを選んでください。大きいものでは値が張りにくく、前景草が育ちません。固形肥料にはイニシャルスティックを使用すると良いでしょう。テトラから販売されていて、実績のある商品のため、とてもおすすめできます。

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まとめ

大磯砂は案かであること、メンテナンスのしやすさ、底面フィルターとも相性が良いことから上手く使えば大変使い勝手の良い底床だと言えます。ただし、根を張る水草や根から栄養をガンガン吸収するタイプの水草を育成する場合には、大磯砂は不向きと言わざるを得ないでしょう。

大磯砂に水草を植え込む場合は、できるだけ細かいものを使い、固形肥料を埋め込んでおくというのが大磯砂で水草を育てるコツです。