前景草

水草水槽を管理している人にとって、誰もが悩むことが苔をどうするのか、だと思います。上手に水草を育成したい!という思いから光を強くしてみたり、肥料を入れてみたり・・。いろんな対策がありますよね。しかし水草の育成と管理にはコツがあって、これさえやっとけばとりあえず大丈夫!というものがあるんです。今回はそんな水草水槽を上手く管理し、苔を出にくくする方法を詳しくご紹介していきます。

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苔が出る原因とは?

苔が出る原因はたった一つしかありません。それは、
水槽内の富栄養化
これだけなんです。水槽内に使われずに残って、次第に溜まった栄養分が苔の栄養分となって苔がたくさん出るようになるのです。つまり苔を出にくくするためには、苔に栄養分が回らないように栄養過多を上手く調整する必要があります。

水草と苔の力関係

まずは水草と苔の力の関係を理解しておかなければなりません。同じ環境に於いては、水草と苔では圧倒的に水草の生長力の方が強いと言えます。言い換えれば、苔よりも水草の方が優先的に栄養分を吸収します。苔は水草が吸収しきれなかった栄養分を吸収して育つ、とも言えます。ですからしっかりと水草が育っている状態の水槽では、苔は生長しにくいので、あまり苔が出ないという事になります。

水草を繁茂させる

水草をこれでもか!というくらいに植えておけば、水草が水槽内の栄養分をしっかりと吸収してくれます。苔対策にはしっかりとした量の水草をはじめから植えておきたいところです。初心者にありがちな失敗として、最初のうちは水草をあまり多く植えないという失敗があります。水草を徐々に成長させたい、変化を楽しみたいといった理由が多いようですが、水草が少ないと栄養分が使われにくく、水槽内に栄養分が溜まりがちになります。できるだけ多くの水草を初めから植栽していくことをおすすめします。

水草が生長曲線に乗るまでは要注意

水草は植えてからすぐに栄養分をたくさん吸収できるわけではありません。植栽直後やトリミング直後など、水草がダメージを負っている状態の時には、あまり成長が見込めません。生長が見込めないということは、吸収する栄養分も少ないということになります。植えてからしばらく経つと水草も環境になじみ、グングン成長できるようになります。これを生長曲線に乗るといった言い方をします。水草が生長曲線に乗るまでは、水槽内の栄養分をあまり吸収してくれないと認識しておきましょう。

水草の3大栄養素

水草の生長に必要な栄養素は主なものが3つあります。

・窒素
・リン
・カリウム

この3つです。このうち窒素は魚の糞に含まれていますし。リンは魚の餌に含まれています。つまりある程度の生体を飼育していれば、自然に窒素とリンは水槽内に供給されていくことになります。しかしカリウムだけは勝手に増えていかないという特徴があります。カリウムを供給するにはカリウム液肥を適宜添加してあげる必要があります。

生体を飼育している水槽では多くの場合、窒素とリンが過多になり、カリウム不足に陥ることになりますので、カリウムだけの液肥を添加してあげるととてもバランスが取れて効果的です。

またこれら3つの栄養素はどれかが欠けていても充分に吸収されません。窒素とリンがたくさんあって、カリウムだけが少ないといった場合、少ないカリウムに見合った量の窒素とリンしか水草は吸収しないのです。3つ揃って初めて最大限に栄養を吸収しますから、3つの栄養素のバランスを取ることが上手な水草育成には重要になります。

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窒素とリンが苔の原因

水草の生長にはは3大栄養素がまんべんなく必要となりますが、苔はそうではありません。苔は生長するのにカリウムは必要とせず、窒素とリンだけあればどんどん増えていってしまいます。普通に生体を飼育している水槽に苔が出てしまうのはこのためですね。

二酸化炭素の添加で生長が加速する

水草の生長を早めることは栄養分の吸収力を強めるともいえます。この効果が期待できるのが二酸化炭素の添加です。二酸化炭素が足りないと、水草はうまく生長できません。3大栄養素+二酸化炭素の十分な供給が絶対的に必要になります。

鉄を添加する

鉄も水草水槽においては大変有効な肥料となります。鉄の役割とは、水草が吸収できる窒素とリンの量を底上げできることです。鉄を吸収させることで窒素とリンの消費を促し、苔に回る量を少なくできるためおすすめです。

微量元素も必要

水草の生長には微量元素というごく少量のいろんな栄養素も必要とされています。マグネシウム、カルシウムといったものですね。こういった微量元素は液肥で補うことももちろんできますが、水道水にも含まれています。液肥でなくても水道水に含まれている微量元素だけで十分なことが多く、水換えを定期的に行っていれば肥料を添加しなくても簡単に微量元素を供給できますね。

水換えに勝るものはなし!

正直水換えに勝る水草育成方法というものはないのでは?と思うくらいに水換えは簡単で効果的な方法だと思います。過剰になってしまった窒素とリンを排出するのも水換えが最も効果的ですし簡単な方法です。微量元素も供給出来て一石二鳥とはこのことですね。

水換えに関しては、以下の記事でも詳しくご紹介していますので、ぜひご覧ください。
水換えなしで水槽管理するとどうなる?デメリットを解説!
その水換えは間違っている!?水換えの意味と重要性、注意点は?

まとめ

苔を抑制しながら水草を上手く育てるコツをまとめると以下の通りです。

・生体を適度に飼育する
・液肥はカリウムと撤のみに絞って適宜添加する
・二酸化炭素をしっかりと添加する
・光をしっかりと当てる
・水替えをする
・水草が生長曲線に乗るまでと、トリミング後は水換え頻度を上げる

以上のポイントを押さえておけば、苔を抑制しながら水草を育てられるはずですよ。