プラナリアは切っても切っても再生し、増殖し続けることで有名なプラナリア。
一見ナメクジのようで近づき難い印象のあるプラナリアですが、よく見るとちょっとかわいい顔つきをしていて、キモかわいいと人気にもなっているのです。
そんなプラナリアですが、飼育することはできるのでしょうか。
また増殖すると、それぞれのプラナリアの体はどうなっているのかなど、疑問に思う事を調べてまとめてみました。
またプラナリアとはどんな生き物なのか、その生態については以下の記事で詳しくご紹介していますので、ぜひご覧ください。
目次
プラナリアの採集や入手方法
プラナリアはプラナリアは自然界ではきれいな湧き水が出る、川の上流に多く生息しています。
水がきれいでないと生きてはいけない、繊細な体なのです。とはいえ、プラナリアの分布はとても広く日本全土どこででも見かけることができます。
プラナリアがいそうなきれいな川があれば、上流にまで行って探してみましょう。
狙い目は川の石の裏側です。ひっくり返すとプラナリアを見つけることができるでしょう。
またペットショップや熱帯魚専門店で聞いてみても良いかと思います。
ショップの水槽に大量発生している場合があり、そういった場合にはプラナリアは駆除対象になっているのです。事情を話せば、快く分けてくれるかもしれませんね。
プラナリアの飼育環境
プラナリアの飼育で最も重要なことは、温度管理になります。
プラナリアは水生動物ですので、飼育環境でも水が必要になります。
また水温は10℃~20℃が適温だとされ、それ以上の温度では飼育は難しくなります。
実際には25℃くらいまでは耐えられるようですが、さらに温度が上がってしまうと、体が溶けてしまうようです。
水槽などの水温は、実は低温に保つ方が難しいとされています。
プラナリアの適温は意外と低温ですので、夏場の飼育はちょっと難しくなります。
対策法としては、容器を冷蔵庫に入れて保管する方法があります。
しかしこの方法で保管した場合、プラナリアの生殖能力が失われてしまい、再生増殖できなくなるという報告がされています。
また1か月くらいしか生きない、という報告もありますが、詳しい事は良く分かっていません。
プラナリアの飼育容器と用意する水
飼育容器はなんでも大丈夫です。
水槽でも、タッパーのような容器でも飼育することは可能です。
容器には5㎝~10㎝ほどの深さになるように水を入れます。水は熱帯魚などと同じように水道水の水は避けましょう。
汲み置きしたものや、一度沸騰させたもの、カルキ抜きをしたものを用意します。ミネラルウォーターでも良いですね。
エアレーションは必要?
エアレーションはあってもなくてもどちらでも構いません。
プラナリアの場合、大事なのは良質な水質の保持です。頻繁に水替えを行い、いかに水の状態を良好に保つかがポイントになります。
二日に一回くらい水替えを行うのが良いとされていますが、それくらいの頻度で水替えができるのであればエアレーションは必要ないでしょう。
プラナリアの餌
プラナリアは自然界では水生昆虫を食べています。実はプラナリアは肉食だったのですね。
飼育下では主に「鶏肉のレバー」が一般的になっています。理由は簡単です。もっとも食いつきがよく、安く手に入り経済的だからですね。
鶏肉レバーの他にもアカムシやイトミミズも食べますが、鶏肉レバーが最も簡単でしょうね。
餌を与える際には2mm程度に細かく切って与えるようにします。この時中押すべきことがあります。
食べ残しは水質を急激に悪化させますので、すぐに取り除くように心がけましょう。
プラナリアの正しい再生実験の方法とは?
プラナリアで有名な話は、いくら細かく切っても再生し、切った数だけ増殖するという事でしょう。
これはもちろん事実なのです。
実際に過去に100等分に分割されたプラナリアが100匹に増殖したという研究報告もあります。
ただし、プラナリアを切って再生、増殖させる際に注意しなければならない事もあります。
注意点として、プラナリアを10日間ほど絶食させる必要があります。
絶食させていないと、切った時に自らの消化液で溶けてしまう事があるそうです。
その他にも切断面から他の微生物に感染してしまって死んでしまうこともあるのだそうです。
双頭プラナリアも作れる?
何も切り離さなくても、プラナリアは再生されます。頭を真ん中から切ったら、左右に頭がそれぞれ再生されます。まるで双頭竜のようですね。
分断されたプラナリアの記憶はどうなっている?
分断されたプラナリアの記憶ってそもそも失われるのでしょうか。
プラナリアを頭と尻尾に分断した場合、そのプラナリアの記憶が頭にあるのだとすれば、切られた尻尾の方は記憶を持っているのでしょうか。
ちなみに2週間もすれば、失われた脳も完全に再生されます。
この件について過去に面白い実験がされました。
プラナリアは光を避ける習性がありますが、この実験個体は光があるところに餌がある、という事を記憶トレーニングされ、頭と尻尾に分断されました。
すると頭を無事再生した尻尾の方の個体は、光のある所に餌があるという事を覚えていたというのです。
この事から、プラナリアは脳以外の別のところにも記憶があるのではないか、とも言われているわけです。
プラナリアの寿命や生殖
前述の通り、プラナリアは条件さえ揃っていれば、切れば切るだけ増殖することができます。
ですので、寿命というものは「無い」といえるのかもしれませんね。ちなみにプラナリアは分断による増殖の他にも、有性生殖を行うことも可能です。
プラナリアが生息している環境が悪いと、自身で分断再生することができず、2匹のプラナリアが有性生殖を行います。
この場合プラナリアは卵を生み、卵は環境が良くなるまでそのままの状態で孵化を待つとされています。
プラナリアは雌雄同体ですので、いずれかがオス、もう一方がメスになって交尾を行う事が出来るわけですね。
寿命が無いとはいえ、決して死なないわけではありません。体が乾燥すれば死にますし、餌が無ければ餓死します。
また当たり前ですけど、天敵に捕食されれば死にますよね。
しかも水温が高かったり、水質が悪いと生きられません。生きられる環境はかなり限定されているのです。
まとめ
プラナリアは分断して増殖することができます。
しかしその為の条件はかなり厳しく、厳しい条件を満たした環境でおいてのみ、分断して再生増殖することができるのです。
またその為にも必要なのは、きれいな水と適正水温です。
プラナリアを飼育する場合も、この2つのポイントをしっかりと抑えて飼育することが最も大切になるというわけですね。
不思議な生態を持つプラナリアですが、一度飼育してみてその驚くべき再生能力を確認してみるのも面白いかもしれませんね。