カモノハシ。
一度は聞いたことがある名前だと思います。
そう、クチバシがある、あの不思議な生き物ですよね。
あなたはカモノハシについてどの程度ご存知でしょうか。
一般的なイメージとして、「哺乳類なのに卵を産む変わった生き物」なのではないでしょうか。
またカモノハシにはなんと、「毒がある」という情報もあるのですが、本当なのでしょうか。
今回はそんなヘンテコ動物であるカモノハシについて、詳しくご紹介していこうと思います。
目次
カモノハシの生息地や分布は?
カモノハシはオーストラリア大陸のみに生息している、オーストラリアの固有種と言ってよいでしょう。
しかしオーストラリア大陸全域に生息しているわけではなく、東部沿岸地域とタスマニア島に限定されているようです。
また、希少価値が高い生き物という認識になっていますが、決して数がめちゃくちゃ少なく、絶滅の心配がある希少種である、というわけではないようで、それなりの数が生息しているようです。
だからと言って現地で安易に捕まえる行為は許されていないらしく、捕獲すれば逮捕されてしまうらしいです。
カモノハシのクチバシ
カモノハシにはアヒルやカモのようなクチバシがありますよね。
実際にカモノハシという名前は「カモのようなクチバシを持っている」事から名付けられています。
このクチバシには、すごい秘密があるのです。
カモノハシは水の中を泳ぐことができますが、水の中では目を閉じた状態で泳ぎます。
このままでは獲物を上手く捕らえることはおろか、探すこともままならないように思いますよね?
しかし、カモノハシのクチバシには神経回路が通っていて、獲物が動く時に流れる、微量な生体電流をも敏感に感知することができるのです。
あのクチバシにそんな秘密があったなんて、少し驚きますよね!
カモノハシの大きさの不思議
カモノハシの大きさをご存知でしょうか。
大体60㎝~80㎝くらいで、オスの方がやや大きいと言われています。
そして体重なのですが、どれくらいになると思いますか?
実は、わずか1㎏~3㎏程度にしかならないのです。
小さめなメスだと、1㎏にも満たない個体もいるのだとか。
大きさの割にはすっごく軽いのがカモノハシの特徴でもあるのです。
カモノハシの寿命は?
寿命はおよそ20年くらいだと言われています。
哺乳類にしては、犬猫と比べても相応の寿命ですかね。
カモノハシの餌は?
一体何を食べているのかというと、一言で言えば「何でも食べています」。
ただし肉食ですので、魚類や両生類、甲殻類の生き物を捕獲して食べているようです。
また哺乳類の生き物は餌として認識しないのか、食べないようですね。
カモノハシの繁殖
最も有名どころなのはここですね。
カモノハシは卵で産まれてきます。
そして卵から孵った子供は、母親の乳を飲んで成長するのです。
ただし、カモノハシの場合はメスには乳首がありませんので、乳腺からにじみ出た母乳を飲むという方法を取っているようですね。
つまり卵生でありながら哺乳類のような育ち方をするのです。
果たしてカモノハシは哺乳類と呼べるのでしょうか。
答えは、「カモノハシは哺乳類である」です。
哺乳類の定義として、「基本的に胎生であり、母乳で育ち、毛がある」というものがあります。
ですので、カモノハシの場合、生まれる時は特殊ですが、それ以外は哺乳類の定義を満たしているという事になりますね。
カモノハシは腸、尿道、子宮の穴が同じ、つまり排泄物を出す穴と、卵が出てくる穴が同じなんです。
こういった特徴を持つ動物の事を単孔目(たんこうもく)や単孔類(たんこうるい)または一穴目(いっけつもく)と呼びます。
これはカモノハシのみ、と思われているかもしれませんが、実は他にもこういった生き物が存在します。
それは同じくオーストラリア大陸に生息している「ハリモグラ」です。
ハリモグラもカモノハシ目ハリモグラ科という分類であり、大きなくくりではカモノハシと同じ仲間という事になりますね。
カモノハシには毒がある!?
カモノハシには毒がある、という情報があるようですが、本当なのでしょうか。
これはどうやら本当であるらしく、後足の付け根辺りにある蹴爪が毒腺に繋がっており、ここから「ディフェンシン」と呼ばれているタンパク質の毒を分泌します。
毒が最も分泌される時期は繁殖期で、この毒は決して弱いものというわけではなく、犬や猫くらいの動物であれば死に至るくらいの毒性を持っています。
人間がこの毒で死ぬような事はないとされていますが、相当な激痛に見舞われることになり、モルヒネを打っても治まらないほどだと言います。
しかもその激痛はなんと3か月近く持続するのだとか。
ちなみに毒を持っているのは「オスのみ」だという事です。
これはオス同士の戦いのためであったり、抱卵中のメスを外敵から保護するためであると言われています。
生きた化石
生きた化石と言うと、「シーラカンス」や「カブトガニ」などを思い浮かべる人も多い事でしょう。
カモノハシも実は生きた化石と呼ばれている生き物の一種です。
化石からの調査によると、なんと地球上に哺乳類が誕生する以前から、つまり6500万年前までには、既にカモノハシは生息していたという事になるようです。
昔の生き物の進化過程の姿でもあり、それによる変わった特徴を色濃く残した生物という事になるのでしょうか。
カモノハシを日本の動物園で見られる?
カモノハシは残念ながら、日本の動物園では飼育されたこともありませんし、展示されてもおらず見ることができません。
しかしオーストラリアの一部の動物園では見ることができるようです。
実際にカモノハシを見たい場合は、オーストラリアにまで出向く必要があるという事ですね。
まとめ
カモノハシは昔からの生物の進化の過程を色濃く残している、いわば哺乳類、鳥類、爬虫類の特徴をすべて持った特徴と生態を併せ持った動物だと言えます。
また生物学上の分類では、その生態からもしっかりと哺乳類として分類されています。
オスには後足の蹴爪に毒があり、小動物程度なら殺してしまうくらいの毒を持っています。
人間を殺すほどの毒とまではいきませんが、激痛が数か月続くこともありますので、カモノハシと触れ合う際には注意が必要という事ですね。