トナカイといえばどのようなイメージがありますか?
サンタクロース?
赤い鼻?
大きな角?
いろんなイメージがあるかと思いますが、実際にトナカイってどんな動物なのでしょうか。
今回はトナカイの生態や寿命、餌などについて詳しく調べてまとめてみました。
目次
トナカイとは?
トナカイはシカ科に分類されており、トナカイ属に属している動物になります。
トナカイ属とこのトナカイ本種ただ一種類のみであり、さらに生息している地域によっていくつかの亜種に分類されています。
生息地は北極圏周辺の亜寒帯地域であり、カナダ、アラスカ、グリーンランド、ノルウェー、デンマーク、フィンランド、ロシアなど広範囲に渡ります。
亜種は現在では7種類ほどが確認されていますが、いくつかの亜種は既に絶滅しているようですね。
また、アラスカに生息している亜種は、「カリブー」と呼ばれています。
イヌイットとカリブー。
社会科の授業で習った覚えがあるかと思います。
「トナカイ」という名はアイヌ語の「トゥナカイ(tunakay) 」に由来しており、「馴鹿(じゅんろく)」とも表記されることもあります。
これはそのままの意味であり、人に馴れる鹿という意味があり、実際に家畜として飼い馴らすことができる鹿であることから名付けられています。
トナカイの大きさ
トナカイは雄と雌で大きさに差があり、雄で180㎝~220cm、雌で160㎝~200cmくらいの大きさが一般的です。
体重は雄で160㎏~180kg、雌で80㎏~120kgくらいあるとされ、大きい個体であれば300㎏を超える個体もいるという事です。
また、北の地域に生息している個体よりも、南の地域に生息している個体の方が大きい傾向にあるようです。
トナカイの色
トナカイの色は地域によって非常にばらつきがあるようで、白に近い色のものから、黒色のものまで様々です。
ほとんどの個体が茶色や褐色、灰色をしているのが特徴的です。
トナカイの体の特徴
トナカイは寒冷地域に適した体の特徴を持っており、蹄が大きくて雪の上を歩くのに適した形状になっています。
また体毛も厚く、保温性がとても高い特徴があります。
また意外な事ですが、トナカイはなんと泳ぐのも上手であり、川などを泳いで渡ることも得意なようですね。
トナカイのツノ
トナカイと言えばツノですよね。
シカ科の動物の一番の特徴とも言えるツノですが、トナカイとシカの違いは、このツノにあると言っても良いでしょう。
実際にトナカイがトナカイ属として一種のみ独立したような形になっているのには、ツノの違いが理由でもあります。
シカは一般的に、ツノが大きく伸びるのは雄だけなのですが、トナカイは雄も雌も関係なく、ツノが伸びるという独特な特徴があるのです。
またツノの形状は雌雄で異なり、雄の角は複雑な大きく広がった枝のような立派なツノになりますが、雌のツノはそこまで大きくはならず、可愛らしい形状をしています。
また、ツノが伸びたり抜け落ちる時期にも雌雄で違いがあるようで、雄のツノは春に生えて秋から冬にかけて抜け落ちますが、雌のツノは冬に生えて春から夏にかけて抜け落ちます。
どうして雄雌ともにツノがあるのかというと、雄の抗争のためだけではなく、ツノを使って雪の下の餌を掘って食べるためと言われています。
トナカイの寿命
トナカイの寿命は雄雌で違いがあり、雌の方が雄よりも長寿の傾向にあるようです。
雄は8年程度生き、雌は10年~15年くらい生きると言われています。
しかし野生化での寿命は一般的にはそれよりも短く、5年程度であることが多いようです。
これは天敵であるオオカミやクマなどに襲われるリスクも高い、という理由もあるからでしょう。
飼育下のトナカイであれば、20年もの長い間生きることができるとも言われています。
数を減らしているトナカイ
トナカイは家畜化され、いろんな用途に利用されてきました。
食用になったり、毛皮は衣料にされ、乳は飲料に、ツノは粉末にして薬用に利用されてきたと言われており、人間の生活とは切り離せない深い関わりがある動物でもあるのです。
そんな中、トナカイは徐々に数を減らしていき、現在では絶滅してしまった亜種も存在しており、ヨーロッパの野生種はほとんどが絶滅し、北アメリカでも生息数は減少しています。
生息数の減少は森林伐採や鉱物の採取など様々な要因がありますが、現在のところ生息地への影響はあれども、絶滅の恐れはないと言われているようです。
トナカイの餌は?
トナカイは植物食が強い雑食性であり、草類や木の根や葉、茎などを食べていますが、小さな虫やレミングなども捕食することもあるようですね。
嗅覚はたいへん優れており、雪の下にある食べ物を確実に嗅ぎつけるくらいだと言われています。
サンタクロースとトナカイ
トナカイと言えばサンタクロース。
サンタクロースが乗ってくる橇を、8頭のトナカイが引っ張るというものですが、これらの8頭のトナカイにはそれぞれ名前が付いているのをご存知でしょうか。
サンタクロースのトナカイは、左右に2頭ずつ、4列になってサンタクロースの橇を引っ張っていますが、これら8頭をしっかりと描き分けれているのは稀です。
前列からそれぞれ、Dasher(ダッシャ-)と Dancer(ダンサー)、Prancer(プランサー)とVixen(ヴィクセン)、Comet(コメット)とCupid(キューピッド)、Donder(ドンダ-)とBlitzen(ブリッツェン)という名前が付けられています。
これらの名前は1823年にアメリカで産まれたクリスマスの詩「A Visit from St. Nicholas」(サンタクロースがきた)にルーツがあり、この詩の中でサンタクロースは8頭それぞれの名前を呼んでいます。
トナカイの鳴き声
トナカイの鳴き声はこんな感じですね。
地味な鳴き声をしています。
シカ科の動物はどれもこんな感じなのではないでしょうか。
まとめ
トナカイはサンタクロースとの繋がりが強い印象ですが、実際には北極圏で生活する人たちにとっては切っても切れない深い関わりがある動物なのです。
また雄と雌でこれほど特徴が違うのもあまり知られていない事じゃないかと思いますし、雌にもツノが生えるのにはちゃんとした理由があったんですね。
知っているようであまり知らない動物。
詳しく調べてみると、なかなか面白いものですね。