サンショウウオという生き物をご存知でしょうか。
「山椒魚」と表記されることから、魚の仲間かと思われることもあるようですね。
有名なサンショウウオに、「オオサンショウウオ」がいますよね。
そんなサンショウウオですが、飼育がとても難しいことでも有名です。
果たして、どれほど難しいのでしょうか。
また、どのような餌を食べるのでしょうか。
今回はサンショウウオの飼育方法や餌などについて詳しく調べてまとめてみました。
目次
サンショウウオとは?
サンショウウオは魚ではありません。
カエルやイモリと同じ両生類に分類されている生き物になります。
サンショウウオにはたくさんの種類がいますが、中には山椒のような香りを持つものがいるという事から「山椒魚(サンショウウオ)」と名付けられたらしいです。
他にも「はんざき」や「はんさき(半裂)」という別名でも呼ばれていることがあります。
この由来は、食用として捕ったサンショウウオを縦にまっぷたつに裂いて半分を逃がすと、半分が再生して元の一匹に戻るという伝説から名付けられました。
サンショウウオにはサンショウウオ科とオオサンショウウオ科の2つの分類があります。
つまり、サンショウウオとオオサンショウウオは同じサンショウウオでも、全く種類が違うということになります。
サンショウウオの仲間で有名なものに、「ウーパールーパー」がいますね。
「アホロートル」の名前でも親しまれている生き物で、「メキシコサラマンダー」などとも呼ばれています。
可愛らしい愛嬌のある顔をしていうこともあり、ペットとしてはウーパールーパーはとても人気があります。
しかし、サンショウウオはウーパールーパーと近しい仲間であっても同じように簡単に飼育ができるのかと言われれば、そうでもないようなのです。
ちなみにウーパールーパーに関しては、以下の記事で詳しくご紹介していますので、ぜひご覧ください。
サンショウウオの寿命
サンショウウオはとても寿命が長い生き物です。
両生類でありながら20年くらい生きる個体もいるというから驚きです。
一度飼育を決めたのなら、それくらいの期間一緒に過ごすことになるという事を覚えておきましょう。
サンショウウオの飼育方法
それではサンショウウオはどのように飼育すれば良いのか、必要なものと併せて順番に見ていきましょう。
水槽
飼育容器は水槽があれば良いでしょう。
60㎝の水槽で、4匹~5匹程度のサンショウウオを飼育することができますので参考にしてみて下さい。
水槽のセッティング
水槽内には土を入れましょう。
土は最も自然に近い形で飼育ができるのですが、管理が大変なのがネックです。
替わりに「ハイドロボール」と呼ばれている床材を敷いておくのも一つの手ですね。
ハイドロボールの上に、水で湿らせた水苔を敷いておくと乾燥を防ぐことができておススメですよ。
また木を入れてあげたり、隠れ家になりそうなシェルターとして、植木鉢の割れ片などを入れておくと良いですね。
シェルターとなる隠れ家は、飼育する個体数より少し多めに入れておくと良いでしょう。
サンショウウオと言えば「水場」が必要だと思いますよね。
しかしサンショウウオの成体には水場は基本的には必要ありません。
サンショウウオは主に陸地で生活をし、産卵の時にだけ水に戻る習性があるからですね。
幼生の場合
サンショウウオの幼生はカエルのオタマジャクシのような存在です。
両生類ですので、幼生は水の中で生活します。
やがて陸に上がりますので、幼生を飼育する場合は水場と陸地を両方用意する必要があります。
ちなみにサンショウウオの成長の過程は・・
幼生 ⇒ 陸に上がって幼体になる ⇒ 成長して亜成体になる ⇒ さらに成長して成体になる
こんな感じです。
正直なところ、幼体も亜成体もはっきりした区別があるわけではありませんので、亜成体という言葉自体あまり使われていないのも事実なようです。
飼育適正温度
サンショウウオの飼育が難しいと言われている要因の一つとなっているのが「温度管理」なんです。
サンショウウオの適正温度は20℃前後だと言われています。
25℃を超えるとぐったりしてきて弱ってしまいますので、20℃以下に飼育環境を整えておくことが重要になります。
暖かくするというのであればヒーターを利用して暖めてあげる方法があり、比較的簡単に調整可能です。
しかし今回は暖めるのではなく、どちらかといえば冷やさなければならない為、困難なのです。
夏の飼育には「冷やす」という事が必要不可欠になりますが、方法はいくつかあります。
1.部屋ごと20℃以下にエアコンで調整する
2.水槽用クーラーを利用する
3.保冷剤を利用する
4.冷蔵庫を利用する
などの方法が考えられますね。
それぞれ一長一短があり、迷ってしまいますね。
エアコンだと電気代がかかりますし、水槽用クーラーはそのものが高価です。
保冷材は取り換えなどがとても手間が掛かりますし、冷蔵庫は家族の反感を買いそうです。
飼育専用の冷蔵庫を別途用意する必要がありそうですね。
冬眠
サンショウウオは冬眠します。
冬眠させる場合は、飼育容器を気温の低い場所で管理し、潜って冬眠できるように土を多めに入れます。
湿度を高めに保つ為に、湿った水苔を入れるなど工夫しましょう。
霧吹きも定期的に行うとなお良いでしょう。
冬眠は2か月から3か月くらいが目安です。
冬眠させることは悪い事ではありませんが、温度管理を行う事により、冬眠させないまま飼育することが可能になります。
冬眠させない場合は、常に温度を20℃前後に保っておきましょう。
餌
餌はミミズやコオロギ、サシやミルワームなどを与えると良いでしょう。
サシは釣り具屋で入手できますし、コオロギやミルワームはペットショップで販売されています。
しかしそれぞれ生きたものでないと食べませんし、口に入るサイズのものでなければ食べてくれません。
何とも面倒くさいですが仕方ありませんね。
爬虫類用のカルシウム剤も販売されていますので、それを餌にまぶして一緒に与えると栄養を摂らせてあげる事ができますよ。
給餌の頻度は毎日でなくても、週に2回~3回くらいであれば問題ありません。
また自然界におけるサンショウウオの幼生は「共食い」をすることで成長していきます。
何匹も一緒に飼育すると頻繁に共食いをしますが、これは自然な姿と言えます。
サンショウウオの入手
サンショウウオはペットショップでも販売されています。
中には絶滅危惧種もいるため、飼育することができないサンショウウオもいますが、ペットショップで販売されているものは飼育する事は可能です。
値段は500円から5000円くらいと幅がありますが、比較的安価な値段で購入する事ができるようです。
幼生だと10匹で1500円くらいで販売されていることもあり、とても安価ですよね。
まとめ
サンショウウオは両生類で、魚ではありません。
ペットとして飼育することも可能で、水槽などを用意することで飼育可能です。
ただ、温度管理が非常に難しく、20℃前後を維持させなければ飼育することは難しいです。
特に夏場の温度上昇はサンショウウオにとって過酷です。
温度を下げるのは温めるよりも困難なのです。
生体の値段は安価で、数百円から購入する事ができます。
しかし購入した後の飼育にお金が掛かる生き物でもありますし、寿命は20年と長いのも特徴的です。
安いからと言って安易に購入するのは少々考え物ですね。
サンショウウオの仲間であるウーパールーパーは飼育方法も確立されており、ペットとして既に人気が高いです。
サンショウウオを飼育したいのであれば、ウーパールーパーを飼育する方が賢明なのかもしれませんね。