海に棲んでいるまるでナメクジのようにも見える不思議な生物「アメフラシ」。
図鑑やテレビなどで一度は見たり聞いたりしたことがあるかも知れませんね。
でもそもアメフラシ、実際にはどういった生き物なのでしょうか。
また食用にされている、というような話もチラホラ聞いたりしますが、本当なのでしょうか。
今回はそんまアメフラシについて詳しくご紹介していきたいと思います。
目次
アメフラシって何の仲間?
大きく分けるとアメフラシはウミセツガイ科とアメフラシ科に大別することができます。
そのほとんどがアメフラシ科に属しているという事になっています。
アメフラシは一見すると巨大ナメクジやナマコのように見えるアメフラシですが、実はウミウシやあの氷の妖精とも言われているクリオネの仲間なんです。
クリオネも実は貝殻を持たない貝の仲間で和名を「ハダカカメガイ」と言うんですよ。
ナマコはヒトデやウニの仲間なので全く違う生き物という事になりますね。
ちなみにクリオネに関しては、以下の記事でも詳しくご紹介していますので、ぜひご覧ください。
またアメフラシには貝殻があるという特徴があります。
とは言っても、一般的な貝のようにではなく、なんと体の中に貝殻が入っているのです。
これは貝殻が必要なくなって退化したものだと言われています。
触ると、硬い貝殻を確認することができますよ。
また、中には貝殻を完全に持たない種類のアメフラシも存在します。
アメフラシの名前の由来とは?
アメフラシは漢字表記で「雨降」、「雨虎」と書きます。
でも何でアメフラシなんて言われているのでしょうか。
それはアメフラシが出す、紫色の液体に由来します。
この液体が水中で出されると、まるで雨を降らす雨雲のように見えるという事からこの名がつけられたと言われています。
それにしても、無理がある命名だと思うのは私だけでしょうか。
ちなみに、英名では「Sea Hare(海のウサギ)」、中国では「海兎」と表記されます。
これは、アメフラシの表面に突き出た2つの突起物が、まるでウサギの耳のように見えるというところからこの名が付けられています。
ちなみに、地域によってはアメフラシの事をウミウシと呼ぶ地域もあるそうですよ。
紛らわしいですね。
他にも「うみしか」、「べこ」、「ござら」など多種多様な名前が付けられているみたいですね。
アメフラシの大きさ
アメフラシにはたくさんの種類が存在します。
一般的なアメフラシの大きさは15㎝程度で、手のひらサイズのものが多い印象です。
しかし中には30㎝ほどになるものも存在しますし、さらには70㎝を超えるような巨大アメフラシもいると言いますから、本当にいろんな種類がいるようですね。
アメフラシの食性は?
アメフラシは草食性です。
対してウミウシは肉食性ですので、両者の違いは食性にあると言っても良いでしょう。
主に海藻を餌にしており、3m程度の浅瀬で餌を探して動き回っています。
嗅覚が発達しており、穴を掘って餌を探すこともあるのだとか。
アメフラシには毒がある?
アメフラシには毒はないということなので、直接触って害があるものではありません。
もしかしたら中には毒性を持つものもいるのかもしれません。
しかしアメフラシの食べている海藻の中には毒性を持つものもあり、それがアメフラシの体内に蓄積されている場合があるため注意が必要です。
とは言っても、アメフラシを食用にしない限り問題はないと言えるでしょう。
また、アメフラシの出す紫の液体には一見して毒がありそうですが、実は毒はありません。
むしろ癌を抑える効果があるという噂もあって、研究が進められているそうですよ。
将来、医学の大きな進歩に欠かせないものになるのでは、と期待してしまいますよね。
また、この液体、海の他の生物にとっては嫌なものらしく、これを出すことによって襲われにくくしているらしいですね。
食材としてのアメフラシ
アメフラシは基本的に食材にされることは無いと言えるでしょう。
しかし稀に食糧難の際に食されていたこともあったそうですよ。
食用にしている地域も実際にあるのですが、その場合もアメフラシが毒性の無い海藻を食べているものに限る、という事です。
ですので、間違っても興味本位で食べてみようとか思わない方が良いでしょう。
ちなみに触感はコリコリしてて、なかなか噛み切れないくらい硬く、味も無くて美味しいものではないそうです。
酒のつまみとして食感を楽しむといった食べ方もあるみたいですね。
その昔、昭和天皇も甘辛く似たアメフラシを三回も食されたことがあったそうですよ。
アメフラシは飼育できる?
アメフラシを飼育したいという物好きな人もいるのでしょうか(笑)
ですがアメフラシもちゃんと環境さえ整えてあげれば飼育できるんですよ。
飼育環境の構築で最も難しいのは水流です。
海にあるような水流をいかにして作るかがポイントになります。
海水もできれば本当の海水が良いようなのですが、人工海水でも一応飼育はできます。
ライブロックや石などを入れてあげて、できるだけ自然に近い環境を作ってあげて下さい。
また餌はすごく簡単です。
海藻の代わりにワカメなどを代用することができますので、餌やりで困ることはないかと思います。
アメフラシの寿命は多種多様で、長いものでも3年未満と短い傾向にあります。
短いものだと数週間しか生きません。
おおよそ1年くらいと思っておいていいかもしれませんね。
まとめ
アメフラシはナマコに似ていますが、ウミウシやクリオネに近しい生き物です。
体の中に退化した貝殻を持っているものが多いですが、中には既に貝殻が無くなっているものもいます。
ウミウシと混同されることがありますが、ウミウシは肉食性、アメフラシは草食性という違いがあります。
アメフラシ自体に毒性はありませんが、餌となる海藻に毒性があると、それを食べるアメフラシにも毒性が蓄積されている場合もありますので、食酢場合は注意が必要です。
食用にされることは稀ですが、実際にあまり美味しいものではないようです。
餌もワカメなどで十分代用できるため、容易に飼育する事もできますが、海水と水流を上手く作れるかが難しく、飼育のポイントになると思います。