タツノオトシゴって不思議な生き物ですよね。
ドラゴンのような見た目がちょっとカッコいいし、泳ぎ方もとてもかわいいですね。
タツノオトシゴは飼育もできるので、水槽で飼うことでお部屋のインテリアにもなって楽しいです。
そんなタツノオトシゴですが、なんと産卵はオスが行うという情報がありますね。
あなたはタツノオトシゴのオスが卵を生むという噂を知っていますか?「オスが卵を生む」なんてことがそもそも生物学上可能なのでしょうか。
そこで今回はタツノオトシゴの産卵について詳しく調べてまとめてみました。
タツノオトシゴの繁殖の時期
タツノオトシゴは3月~5月くらいになると繁殖のシーズンを迎えます。
オスが体をクネクネをくねらせてプロポーズします。ここを見る限りでは他の動物となんら変わりありませんよね。
タツノオトシゴは一夫一婦制!?
タツノオトシゴのオスは生涯で交尾をする相手は決まっていて、オスは生涯一匹のメスとのみ交尾を行うのです。
これって何だかすごいですよね。
ちなみにタツノオトシゴは一般的な動物のパターンとは異なり、オスがメスを選ぶという珍しい種類の動物でもあります。
タツノオトシゴの交尾
オスがプロポーズして、メスがそれを受け入れるといよいよ交尾になります。
二匹が尾の先を絡ませて交尾を行うのですが、まるでダンスを行っているかのような動きで見ていて微笑ましいですね。
またこの時、タツノオトシゴは体の色を黄色や白などのカラフルな婚姻色に変化させるのも、非常に美しく神秘的な光景です。
このダンスはなんと3日間にも及ぶことがあるのだそうです。
タツノオトシゴのオスが産卵するメカニズム
タツノオトシゴはオスが産卵するという情報がありますね。これってどういう事なのでしょうか。
実はタツノオトシゴも他の動物と同じく、やはりメスが卵を生みます。
なんだ違うのか・・と思ってしまいますよね?しかしタツノオトシゴの凄いところはここらからなんです。
タツノオトシゴのメスは卵をオスの「育児嚢(いくじのう)」と呼ばれる卵を育てるための袋の中に産みつけるのです。
育児嚢とはカンガルーやコアラ、フクロモモンガなどが持っている、子どもを育てるための袋のことですよね。
なんとタツノオトシゴのオスも育児嚢を持っていたんですね。
オスがこの育児嚢の中で卵を受精させ、卵が孵化して稚魚になるまで育てるのです。まさに魚界のイクメンですね。
そして育児嚢の機能はただ卵を入れておくための袋というわけではありません。
きちんと親から子へと栄養が供給されるようになっているというのです。
メスが一度にオスの育児嚢に産み入れる卵の数はなんと300個だと言われています。
ですのでオスのお腹はパンパンに膨れ上がってしまうわけです。
まさにオスが妊娠したかのような体型になるというわけです。
タツノオトシゴの出産
稚魚が発育すると次第に育児嚢の色が濃くなっていき、形もデコボコした形に変化します。
2~3週間くらい経って、育児嚢の中の稚魚が約5㎜くらいにまで育つと、オスはいよいよ出産します。
出産は一度に行わずに10匹くらいずつ育児嚢から出し、少しずつ出産します。
出産には危険が伴い、命がけだとも言われています。育児嚢から稚魚が上手く出てくることができず、引っかかってしまう事があります。
こうなると稚魚も親であるオスも死んでしまうことがあるのです。
また出産することで伴う痛さや辛さといった苦痛もオスが感じると言われています。
そういう点を見てみると、オスが出産をすると言われているのはあながち間違ってはいない、という事が言えるのではないでしょうか。
オスが稚魚を出産する頃には、メスは次の卵を産み付ける準備をしており、すぐに次の卵を受け入れなければいけません。
タツノオトシゴのオスは結構忙しいのですね。
生まれたばかりのタツノオトシゴの赤ちゃんは、すでに親と同じ姿形をしていて、とてもかわいいです。
またタツノオトシゴは非常に多産であることからも、古くから安産のお守りとしても知られています。
タツノオトシゴの飼い方
タツノオトシゴの飼い方については以下の記事で詳しく紹介していますので、ぜひご覧ください。
まとめ
タツノオトシゴはオスが産卵する・・わけではなく、やはりそこはメスが行うようですね。
ただし、メスが卵を産み付けるのはオスの育児嚢の中です。
オスは育児嚢の中で2~3週間かけて卵を育て、孵化した稚魚を出産します。
出産に伴う辛さを味わうのはもちろんオスだとされています。
オスが出産する頃にはメスはすでに次の卵を準備していると言いますから、オスは忙しく出産に追われる、ということでしょうか。
以上のことからタツノオトシゴはメスが産卵しますが、実際に出産するのはオスである、という事ができますね。