私たちが普段からよく食べている海の幸「ウニ」。
身近な生き物だとは思いますが、どんな生態をしているのかご存知でしょうか。
意外と知らないって人も多いのではないでしょうか。
オスメスの区別はある?
種類はどれくらいいる?
目はある?
移動できる?
毒はある?
寿命ってどれくらい?
刺された場合の対処法は?
飼育できる?
今回はそんなウニについて、数々の疑問点について詳しくご紹介していこうと思います。
目次
ウニって何の仲間?
ウニの分類は「棘皮動物(きょくひどうぶつ)」という分類に属しています。
棘皮動物とは、「心臓」や「神経」、「脳」、「血管」等の器官を持たない原始的な生き物の事を指します。
聞いた事がない名前かもしれませんね。
実際には棘皮動物は結構いるのです。
他の棘皮動物の仲間では「ヒトデ」や「ナマコ」がこれに当たるんです。
なおヒトデに関しては、以下の記事で詳しくご紹介していますので、ぜひご覧ください。
ウニの種類はどれくらいいる?
ウニは結構たくさんの種類が確認されており、世界中にはなんと900種近くのウニが生息しているのです。
日本国内で生息しているウニだけでも100種類くらいいるようですね。
また、また世界中で漁獲されているウニのうち、8割は日本で消費されているのだとか。
ちなみに日本で漁獲されている主なウニは以下の通りです。
エゾバフンウニ(赤ウニ)
キタムラサキウニ(白ウニ)
アカウニ
シラヒゲウニ
このうちそのほとんどがエゾバフンウニとキタムラサキウニで、アカウニとシラヒゲウニは漁獲量も少なく貴重なんだとか。
ウニの寿命はどれくらい?
ウニってどれくらい生きると思いますか?
5年?10年?
いやいや。
実はなんと200年も生きる個体もいるのだそうですよ。
ウニは半端ない寿命をも兼ね備えた生き物だったんです!
またウニの生殖能力も半端ないくらいに高いんですよ。
なんと100歳のウニと10歳のウニの生殖能力は同じくらいだと言われているのです。
であれば、100歳のウニと10歳のウニでは、食べた時の味にも違いはないのでしょうか。
ちょっと気になるところではありますね。(笑)
・・・とはいえ、エゾバフンウニの寿命は7年~8年。
キタムラサキウニの寿命は14年~15年くらいだと言われていますので、実際に200歳も生きるようなウニは世界中でも限られた種類のものだけのようですね。
ウニの脅威の生命力!
ウニはマイナス5℃で凍らせた場合でも、常温で放置していればそのうち生き返るという驚異の生命力を持っている事でも知られています。
しかし食用で買ってきたウニを一旦冷凍して解凍すると、組織が壊れてしまいドロドロになってしまうらしので、冷凍保存は避けましょう。
ウニは何を食べる?
ウニも生き物である以上は、きちんと食事もしています。
いったい何を食べて生きているのでしょうか。
ウニの食性は「雑食性」ですので、色んなものを食べています。
代表的なものに「海藻」や「魚の死骸」などですね。
中にはサンゴを食べる種類のウニもいるみたいですよ。
ただ、ウニもグルメのようで食べる餌にも好みがあるとの事。
とある実験では、コンブ目の海藻を好んで食べるという実験結果が出ているらしく、コンブ目を食べたウニの方が生殖器の「色」や「味」が良いという結果も出ているのだとか。
つまりコンブ目がたくさん生えている場所に生息しているウニの方が、見た目も味も良いという事になるのでしょうね。
またウニは意外にも大食漢なんです。
ウニが大量発生した場所では、海藻が食べ尽くされてしまい、何にもない場所になってしまうのだとか。
ウニは一度に食べる海藻の量が多い事から、大量発生した場合の影響はかなりのものがあるようですね。
ウニに毒はある?
ウニには毒を持つものと、毒を持たないものがいます。
ムラサキウニなどは毒を持ちませんが、ガンガゼというムラサキウニによく似たウニは毒性があるので注意が必要です。
イイジマフクロウウニというウニは、極めて強い毒性を持っているので、刺されると最悪の場合死に至るケースもあるのだとか。
ウニに触る場合には細心の注意を払うようにしてくださいね。
またウニに刺されると、刺さったトゲを丁寧に取り除くようにしてください。
そのままトゲが刺さったままだと皮膚が化膿してしまいます。
毒の成分自体はタンパク質なので、応急処置として熱いお湯に1時間ほど浸けておくと、次第に痛みは治まっていきます。
その後はすぐに病院に行って診てもらうのが良いでしょう。
ウニは雌雄はある?
ウニは雌雄異体の動物ですので、ちゃんとオスとメスの区別があります。
判別方法は難しいのですが、バフンウニの場合だと「管足」と呼ばれるトゲの間から出ている足の先端を見ることで判別ができるようです。
管足の先端が白っぽいのがオス、黄色っぽいのがメスだそうです。
ウニに目はある?
ウニに「目」と呼べるような器官はありませんが、体中に生えているトゲ全体で光を感じていると言われています。
トゲに当たる光を感知して、その光の強さを等から周りの状況を探ることができるのです。
私たちはウニのどこを食べている?
この疑問って皆さん持っているのではないでしょうか。
ウニの黄色い部分、あれはいったいどの部位になると思いますか?
あれはウニの「生殖器」なんですね。
つまりオスのウニであれば「精巣」、メスのウニであれば「卵巣」に当たる部分を、私たちは食用にして食べているということになるのです。
ちなみにウニの雌雄の判別はほぼ分からないくらいとも言われていますが、オスとメスの味には僅かながらも違いはあるようですよ。
何でもメスの卵巣の方が、オスの精巣よりも美味しいらしいです。
売られてるウニが雄か雌かなんて考えたことがありませんでしたが、食べてみる時にちょっと意識してみると面白いかもしれませんね。
情報にいると、メスの卵巣は濃いオレンジ色、オスの精巣はそれに比べるとやや黄色い色をしていると言われていますが、見て分かるものなんでしょうか(笑)
ウニは飼育できる?
ウニはペットとしても簡単に飼育することができます。
あんまり飼育している人はいないかと思いますが・・(笑)
用意するものはガラス水槽と海水、あとは餌になるコンブなどの海藻です。
基本的にこれだけあれば飼育することができます。
岩場のようなものを入れてあげると、レイアウトとして水槽が映えるため、インテリアなどにも使えそうですよね。
また、ウニの飼育の場合には必ずガラスの水槽を使用してください。
アクリルの水槽が軽くて人気がありますが、ウニのトゲが当たって傷が付く傾向にあるので、ウニに関してはガラス水槽の方が適していると言えます。
まとめ
ウニはちゃんと雌雄があり、私たちが食べている部分はそれぞれの生殖巣なのです。
一般的にメスの卵巣の方が味が良いと言われています。
ウニには毒を持つものと、持たないものの両方がいますので、ウニを取り扱う際にはどんなウニなのか分かっている種類のものを取り扱う方が無難です。
刺された場合はトゲを丁寧にすべて取り除き、刺された箇所を熱いお湯に1時間ほど浸けておくと痛みを緩和できます。
またウニは冷凍してもまた生き返るという話がありますが、食用のウニを冷凍すると組織が壊れてドロドロになるので避けましょう。
ウニは飼育するのが意外と簡単ですが、飼育しているうちに愛着がわいて食べられなくなる・・かもしれませんよ(笑)