
ナマコってどんな生き物だと思いますか?
見た目や触った感じなどからも、あまり好まれない、どちらかというと敬遠されがちな印象を持ちますよね。
そんなナマコですが、とんでもない生態や体の秘密を持っているんです!
また、ナマコって毒を持っているんじゃないの!?
などと思われがちですよね。
果たして本当なのでしょうか。
今回はそんなナマコの生態について、詳しくご紹介していこうと思います。
ナマコの分類
ナマコは分類上では棘皮動物(きょくひどうぶつ)という動物の仲間に分類されています。
棘皮動物とは何なのかというと、血管や脳、心臓などの器官を一切持たない原始的な生き物の総称をそう呼びます。
棘皮動物の仲間には、代表的なものとして「ヒトデ」や「ウニ」などがいます。
ヒトデやウニに関しては、以下の記事で詳しくご紹介していますので、ぜひご覧ください。
ナマコもこうした原始的な体の構造をもった生き物の仲間である、という事ができます。
ナマコとは?
ナマコは「海鼠」と表記されます。
温暖な海域に生息しており、海水浴などでも出くわすことが多々あるかと思います。
世界中に生息しているナマコはおよそ1500種もいると言われており、日本だけでも200巣類のナマコが生息しています。
ナマコは食用にもされますが、すべてのナマコが食用となるわけではなく、マナマコを代表とするやく
30種類が食用とされています。
ナマコが食用とされるようになったのは、江戸時代になってからとの事。
中国においても、ナマコは漢方としても用いられていた歴史があります。
ちなみにナマコの寿命は5年~10年くらいだそうですよ。
ナマコの体
ナマコの体は単純な構造をしています。
体の先端には口、反対側には肛門になっています。
ちなみに背中と腹部の区別がしっかりあり、伸縮性がある体を持っています。
意外なことかもしれませんが、ナマコはし雌雄の区別があるんです。
繁殖する際には、体外受精という形で増えることができます。
ナマコは驚いたり、攻撃されたりといった刺激を受けると、肛門から自分の腸を吐き出す、という習性を持っています。
腸を吐き出しても生きていく事は可能で、半年も経てば新しい腸が再生されるのだとか。
またナマコは体の一部を切り離されたとしても、生き残ることができる再生能力も持っています。
これは体の後方にある水肺という器官で呼吸をすることができる為です。
また切り離した体の後方部分は、一年ほど経つと頭部が元通りに再生されます。
この習性を利用して、ナマコ漁の際にはナマコから腸を抜き取り、そのままリリース。
その後再生したナマコを再度漁獲する、という効率的な漁も行われているのだとか。
ナマコの腸は「海鼠腸(このわた)」という塩辛にして食されます。
海鼠腸はカラスミ、ウニなどと並んで日本三大珍味として親しまれています。
ナマコの飼育方法は?
ナマコが食用になったのは江戸時代以降ですが、高度経済成長期以降は、ペットとして飼育されることも増えてきました。
アクアリウムのアクセントにもなりますし、生態など気になる方は飼育してみても良いかもしれませんね。
それに魚の食べ残した餌あどをきれいに掃除してくれる、そんなありがたい存在でもあります。
ナマコの購入
ナマコは海で採集してきても良いですが、毒があるものもいるのでなりふり構わず捕獲するのは危険です。
ナマコは海洋生物を扱うショップに行けば、1,000円くらいで販売されていますので、そちらを購入する方が良いと思います。
中には数千円にもなる高価なナマコも販売されていますが、これらは比較的大きく成長する種類のものである事が多いので、購入する際には注意したいところです。
ナマコは通常数十センチくらいですが、大きくなるナマコは何と4メートルにも達するものもいるのだとか。
用意するもの
用意するべきものは大き目の水槽です。
小さい水槽では水質が安定しづらく、おすすめできません。
最低でも60㎝以上の水槽を用意する方が良いでしょう。
水槽には人工海水を作って入れます。
またナマコはデトリタスと呼ばれる、水底にたまった有機物を餌にして生きています。
ですので飼育する際には有機物を摂取できるように、細かめの底砂を敷いてあげましょう。
水合わせ
注意すべきは水合わせです。
急に水質や水温が違う環境に置かれると、腸を吐き出してしまうので、水合わせはしっかりと行う必要があります。
カルキ抜きをして作った海水に、ナマコが入っている容器を浮かべて水温を合わせます。
水質は少しずつ作った水槽の水をナマコが入っている容器に入れて合わせていきます。
すぐには無理ですので、ゆっくり時間をかけて合わせていく必要があります。
水温は25℃前後が理想です。
餌
餌は魚の食べ残しなどが海の底にたまった有機物です。
ですので、他の熱帯魚などの魚と一緒に飼育していれば、餌の心配はそれほど要りません。
魚の餌は様々なものを与えると、それだけ栄養価の高いナマコの餌にもなります。
魚との混泳の注意点
攻撃氏の強い魚との混泳は避けた方が無難です。
ナマコは常に無防備ですので、下手をすれば恰好の餌にされてしまう可能性もあります。
ナマコと混泳させる魚は、性格が大人しい、攻撃性の低い魚が適しています。
底砂の交換
底砂は定期的に新しいものに取り換える必要がありますが、すべてを一気に取り換えてはいけません。
環境が変わり過ぎるとナマコには良くありません。
少しずつ数回に分けて取り換えていきましょう。
まとめ
ナマコはヒトデやウニなどと同じく、棘皮動物の仲間になります。
食用にされてもいるナマコですが、飼育することもできます。
中には毒性を持つものもいますので、飼育する場合にはペットショップなどで販売されている安全な種類のものを飼育した方が無難です。
飼育には水槽と底砂、他の混泳させる魚くらいでOKです。
単独でも飼育は可能ですが、熱帯魚と一緒の方がインテリアにも良いように思います。
餌は魚の食べ残した餌を底砂を這うような形で摂取しますので、特別餌やりが必要なわけではありません。
水槽に残ったゴミをきれいに掃除してくれるナマコ。
水槽のアクセントに飼育してみてはいかがでしょうか。