ハエトリソウ

ハエトリソウ

 

みんなに人気の食虫植物「ハエトリソウ」。

別名「ハエトリグサ」や「ハエジゴク」などと呼ばれていて、一度は聞いたことがあるくらい、大変有名な食虫植物ですね。

しかし、実際にはどんな生態をしていて、パクっと虫を捕まえるのはどんな仕組みになっているのでしょうか。

今回はそんなハエトリソウについて、詳しくご紹介していこうと思います。

 

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ハエトリソウはどこに生えている?

ハエトリソウの故郷は、北アメリカのノースカロライナとサウスカロライナにある湿地帯になります。

しかし実際には現地の人でも、そこにハエトリソウが生えているという事実を知らない事が多いらしいです。

 

実はそれほど知られていないんじゃ?とも思える事実ですが、世界中で親しまれているのもまた事実ですね。

種の起源でも有名なダーウィンが「世界で最も不思議な植物である」と言わしめた植物でもあるんですよ。

 

 

ハエトリソウの口!?

ハエトリソウがパクっと虫を捕まえる「口」のようなもの。

あれは「葉っぱ」なんです。

意外でしたか?

でもあくまでもハエトリソウは植物。

ちゃんと葉っぱもあって、花も咲かせるんですよ。

その葉っぱなんですが、閉じる早さはなんと「0.5秒」!

一瞬のうちに閉じることが出来るのです。

ハエトリソウ以外にこんなに早く動くことができる植物はありません。

 

 

ハエトリソウの花

ハエトリソウ

ハエトリソウは12月~2月の間の休眠期を経て、初夏(5月~7月)に白い可憐な可愛らしい花を咲かせます。

食虫のイメージが強いハエトリソウですが、虫を捕まえる以外にもう一つ、可愛らしい花を見ることができるという点もハエトリソウを育てる楽しみではないでしょうか。

 

 

ハエトリソウの種類

ハエトリソウは一種類しかない、と思っていませんか?

実際には原種のハエトリソウは一種類ですが、現在では品種改良が頻繁にされており、様々な特徴を持ったハエトリソウが存在しています。

それぞれ、ハエトリソウの色や形状などの見た目にちなんだ名称が付けられています。

 

例えば、葉っぱのトゲが多く、ノコギリのような形状をしている種類だと「ソーティース(ノコギリの歯)」、葉っぱが白いものは「グレートホワイト」、赤色が強く色鮮やかな特徴を持つものは「レッドピラニア」、トゲが細く尖っており、閉じた際にサメの口ように見えるという事から「ジョーズ」などといった感じで名づけられています。

ちなみに最も原種に近いハエトリソウは「マスシプラ」と呼ばれているようですよ。

 

 

ハエトリソウが葉を閉じるのは命がけ!?

ハエトリソウ

ハエトリソウは頻繁にハエなどの虫を捕まえて食べている、と思われているかもしれませんね。

しかし実際には全く違うんです。

 

ハエトリソウが葉っぱを閉じるには、ものすごいエネルギーが必要とされ、一つの葉っぱが虫を捕まえられる回数はわずか2回~3回程度なんです。

それくらい葉っぱを閉じるとエネルギーを使い切ってしまい、その葉っぱは徐々に枯れていってしまうんです。

なので、葉っぱが閉じるのが見たいからと言って、むやみやたらに動かすのは、ハエトリソウを早く枯らせてしまうだけなので注意しましょう。

 

また、ハエトリソウが生えている湿地帯には、栄養分が少なく、それを補うために虫を捕まえられるように進化した、とも言われています。

そのような過酷な環境で生きているハエトリソウですので、栄養が少ない状態というのが普通なんです。

ですのであまり土に肥料などを入れすぎると、反って根腐れを起こしやすい原因ともなりますので良くありません。

肥料は与えないのが基本です。

 

 

ハエトリソウが葉っぱを閉じる仕組みとは?

ハエトリソウは葉っぱの中に虫が入ると、即座に葉っぱを閉じますが、どういった仕組みになっているのでしょうか。

実は葉っぱの中には、小さな触覚毛とよばれるトゲがあり、これに虫が触れることで葉っぱを閉じる、という仕組みになっているんです。

それだけでも凄いのですが、もっと凄いと思うのは、「触覚毛に2回触れた時にのみ葉っぱが閉じる」という事ですね。

つまり、偶然に一度触れただけでは閉じることはない、というわけです。

 

これは虫以外のものが触れて、誤作動で閉じてしまってスカを喰らうというリスクを軽減することができるという点で大変優れた仕組みだと思います。

葉っぱを閉じるには大変なエネルギーを消耗しますから、こういった仕組みはハエトリソウが生き残っていくためには必要不可欠なものと言えるでしょう。

 

 

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ハエトリソウの育て方

自生している北アメリカの湿地帯には四季があり、日本とさほど変わらない環境と言われています。

そのため、ハエトリソウを育てるのは比較的簡単な部類に入ります。

しかし注意点も多くあるため、しっかりと育てる際のポイントを確認しておきましょう。

 

置き場所

置き場所は、日当たりが良く風通しが良い場所に置くようにします。

直射日光はもちろん良くありませんが、一日に6時間くらいは日が当たる場所が理想的だとされています。

休眠する冬場も、気温が氷点下にさえならなければ屋外でそのまま育てる事ができます

 

注意点として、休眠中に暖かい屋内に置いておくと、休眠明けの生長が遅れてしまうという特徴がありますので、基本的には屋外で置いておくのが良いでしょう。

 

万が一氷点下になった場合に屋内に入れる場合でも、暖かくなる部屋は避けるようにしましょう。

目安は「0℃~5℃」になる場所です。

 

ハエトリソウを植え込むには、根を水苔で覆うか、赤玉土に鹿沼土とピートモスを混ぜ込んだものを利用します。

 

ですので一般的に販売されている園芸用にブレンドされた土はあまり向いていないと言われています。

水苔は保水性に優れ、通気性も良いためハエトリソウを育てるにはピッタリの条件を持っているのです。

こういった理由からも水苔を使いましょう。

 

水やり

ハエトリソウの水やりにはちょっと注意が必要です。

直接株に水をあげるのは良くありませんので、水を入れた受け皿にプランターを乗せる形で給水します。

この給水方法を「腰水」と呼びます。

湿地帯の植物ですから、乾燥には特に注意が必要です。

 

増やし方

ハエトリソウを増やすには、「株分け」を行います。

一番簡単に増やせますので、試してみましょう。

 

他にも「挿し木」や「葉挿し」でも増やすことが出来ます。

もちろん種を蒔いて増やすこともできますが、やや難しく面倒です。

初めて増やす場合には株分けをした方がずっと簡単に増やすことができますよ。

 

植え替え

ハエトリソウをいつまでも元気な状態で育てるためには植え替えが必要です。

ハエトリソウには湿った土が発育条件ですが、湿った土をずとそのままにしておくと腐ってしまい、ハエトリソウに悪影響が出ます。

植え替えの時期は休眠期に入る「11月~2月」の冬場が最適です。

 

虫(餌)の与え方

ハエトリソウは、実は虫を与えなくても元気に育てることができます。

捕虫できていないと肥料不足と同じ状況になりますが、日光にしっかり当てて光合成さえできていれば、他の植物と同様に何も虫を食べなくても生きていけるのです。

 

とは言ってもハエトリソウが捕虫する姿を見たいですよね?

そういう場合はたまに小さな虫を葉っぱに入れてあげると良いですが、何も虫でなくとも構いません。

ハエトリソウが必要としているものはタンパク質です。

ですので、ゆで卵やチーズなどを入れてあげても、タンパク質を補う事ができるので、虫の替わりに餌として与える事ができるのです。

 

ちなみに捕らえるのは虫だけではなく、ナメクジなども捕食します。

捕らえた餌は、およそ10日かけて徐々に消化されていき、消化が終わると再び葉っぱが開きます。

 

 

まとめ

いかがでしょうか。

ハエトリソウの葉っぱが閉じる仕組みや生態は、本当に面白く興味深いものがありますね。

食虫植物の中でも、簡単に育てられる部類に入る植物ですが、育てるには注意すべきポイントがたくさんあります。

特徴を理解したうえで、元気なハエトリソウをどんどん増やしてみましょう!

 

 

その他の食虫植物

その他の食虫植物で有名なものでは「ウツボカズラ」があります。

ウツボカズラに関しては、以下の記事で詳しくご紹介していますので、ぜひご覧ください。