モウセンゴケ

モウセンゴケ

 

植物なのに虫を捕まえて食べてしまう「食虫植物」。

結構人気があって、栽培しているという人も多いですよね。

食虫植物は実に様々なタイプのものがあり、ハエトリソウなどは「パクッ」と虫を食べてしまう特徴からも人気が高いですよね。

そんな食虫植物の中で、結構人気があり、有名なもので「モウセンゴケ」という食虫植物がいます。

今回はそんなモウセンゴケがどのようにして虫を捕まえるのか、またモウセンゴケを上手に育てていくための秘訣についてもご紹介していこうと思います。

 

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モウセンゴケの分布

モウセンゴケは世界中に分布していますが、暑過ぎない北半球に分布が集中しているようですね。

種類もかなり多く、200種類近くのモウセンゴケの仲間がいると言われています。

日本でも全国の湿地に自生しており、近くの湿地帯を探してみると意外と見つかるかもしれませんよ。

ただし、現在モウセンゴケはその数を減らしており、絶滅危惧種に指定されている植物でもあるのです。

 

 

モウセンゴケは苔ではない!?

モウセンゴケという名前からも、苔の仲間なんじゃないか、と思われることもしばしばあります。

しかしモウセンゴケは種を作る、種子植物に分類されているのです。

モウセンゴケがたくさん群生している様が、毛氈を敷き詰めたように見える事から、モウセンゴケと呼ばれているのです。

他にも、Sundew(太陽の露)という別名も持っていて、学名のDrosera(ドロセラ)はギリシャ語で露(Drosos)という意味から名付けられたそうです。

その名の通り、モウセンゴケの持つ粘液の玉は太陽の光に当たると、光り輝き、とても美しいものがあります。

 

 

モウセンゴケの捕虫の仕組み

モウセンゴケ

モウセンゴケの葉っぱには、たくさんの毛が生えており、この毛の先には小さな水滴のようなものが付いています。

奇麗な水玉に見えるこの水滴は、実はネバネバとした粘液で、甘い香りを放ちます。

この香りに引き寄せられてきた虫たちは、粘液にくっついてしまい逃げられず、そのまま餌として消化吸収されてしまうのです。

このような仕組みから、餌となる虫たちはハエや蚊のような、いわゆる小さい羽虫と呼ばれる種類が主になります。

大きさによっては、トンボなども捕まえて餌にしてしまいます。

またモウセンゴケに虫が引っかかると、虫が暴れる振動を感知して、捕えた虫を葉っぱでクルッと巻き込む事ができる種類のモウセンゴケもいます。

こうなったらもう虫は逃げられませんよね。

 

 

モウセンゴケの育て方

モウセンゴケ

種類により適正環境が異なる

モウセンゴケはその種類が多い事もあり、種類によって特徴や育て方が異なります

自分の育てているモウセンゴケがどの種類で、どのような特徴を持っているのかを把握しておかなければ、上手に育てることはできません。

モウセンゴケの種類として主なものは、温帯性のものや熱帯性のものがあります。

気温が下がると冬芽を出して越冬するものは温帯性のものであり、そもそも越冬という概念が無いものは熱帯性です。

ショップで良く売られているものは熱帯性のものが多いらしいですが、一応それがどのタイプのものなのか事前にチェックしておきましょう。

熱帯性のものが多く販売されている傾向にありますが、これらは寒さに耐性がそれほど無いですので、気温が10℃を下回ると屋内生育に切り替えなければいけません。

温帯性のものは冬には屋外で越冬しますので、凍らない程度の気温ならそのまま屋外に置いておいてOKです。

ちなみに日本でよく見かけるモウセンゴケは、気温が10℃程度でも屋外で育てることができます。

また難しい事に、太陽の直射日光を好む性質がありますが、そのくせに逆に暑さには弱いとも言われています。

 

用土

色んな肥料などがブレンドされている市販の培養土などは、モウセンゴケには適していません。

モウセンゴケは肥料が足りていない過酷な環境でも生きていけるように虫を捕って栄養を補おうと進化したものですので、栄養が少ない土壌の方が実は適しているのです。

また吸水性が良くて通気性も良いという特徴からも、水苔がモウセンゴケには適していると言われており、初心者には特におススメです。

ポットや植木鉢の底に軽石を敷き詰め、その上に水苔を入れます。

モウセンゴケの根を湿らせた水苔でやさしく覆ってあげてから、植木鉢に入れましょう。

 

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水やり

水やりは「腰水」という方法が適しています。

腰水とは、植木鉢の下に皿を敷いて、そこに水を3cmほど入れて給水させる方法です。

他の食虫植物、例えばハエトリソウなどにもこの方法が有効的です。

あまり水をやり過ぎると根が腐ってしまいますので、ほどほどに湿っている状態をキープできるかがポイントです。

 

肥料

モウセンゴケに肥料は必要ありません。

逆に栄養が多すぎると枯れてしまう要因ともなってしまいますので、肥料は与えない方が無難と言えるでしょう。

また、肥料不足を補うという目的のために捕虫をしますので、時々虫を与えてやるのは構いません。

が、頻繁に虫を与えていると、肥料を与えすぎている事と同じですので、虫の与えすぎには注意したいところです。

 

植え替え

元気な状態で育て続けるには、定期的に植え替えをすることが重要です。

植え替えの時期は、生育の時期を外した12月~2月のうちにサッと行うのが良いです。

この時に、傷んだ根っこなどは取り除くようにします。

 

増やし方

モウセンゴケは「株分け」で簡単に増やすことができます。

植え替えの際に株を分けてそれぞれ植え付けてみましょう。

他にも「葉挿し」や「種まき」で増やすことが出来ますが、種から育てるのは発芽がなかなか難しく、初心者向きではなと言われていますので、最初のうちは株分けで増やすのが簡単で良いと思います。

種から育てたい場合は、6月~7月に開花した後、種が取れますので保管しておきましょう。

種は12月~4月のうちに行います。

一度寒い環境を経験させておかないと発芽しない、という情報があります。

ずっと室内保管だと発芽できない可能性が高いので、一旦屋外で種を保管すると良いです。

その種を細かくした水苔に撒いて、湿らせておきます。

発芽するまでが既に難しいのですが、運よく発芽できたら、葉に粘液が出来始めるまでそのまま育てます。

粘液が確認できた段階で植木鉢に植え替えると失敗は少ないでしょう。

 

 

まとめ

いかがでしょうか。

モウセンゴケはたくさんの種類がありますので、育てたい品種がどういった特徴を持っているのかを詳しく知る必要があります。

日本の一般的なモウセンゴケで言うと、湿った環境が好きで、直射日光が必要不可欠。

でも暑さには弱い、といったわがままな一面を持っている、と思って良いでしょう。

乾燥に弱く、湿った場所が好きなので水やりは欠かせませんが、腰水で与えるようにしてください。

虫は与えても良いですが、過剰に与えすぎると栄養過多になり、逆に枯れてしまう要因ともなりますので注意しましょう。

増やすには株分けで増やすのが最も簡単です。

植え替えの時期に適した、生育前の12月~2月くらいの寒い時期に併せて行うと良いでしょう。

 

 

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