ヤマネと言えばどんなイメージを持っていますか?
名前はよく聞くけれど、ヤマネについては実はよく知らない、という人も多いことかと思います。
今回はそんな謎が多いヤマネについて、その生態や飼育することはできるのかをご紹介していきたいと思います。
目次
ヤマネの特徴と生態
ヤマネは古来より山の守り神として親しまれてきた動物でもあります。
なんとヨーロッパでは5000万年前、日本では2000万年前の地層からヤマネの化石が発見されています。
これはかなり太古にヤマネが反映していたことを表しており、恐竜が滅びたのちすぐに姿を現した哺乳類の一種と言われています。
このことから、ヤマネは生きた化石とも言われているのです。
日本にいるヤマネはニホンヤマネという種類で、実はヤマネは世界に数種類も存在しているのです。
大きさはわずか7㎝程度と小さいのが特徴で、手のひらサイズのリスといった具合です。
不思議の国のアリスでは、眠りネズミとして登場しているくらい、良く寝る特徴があります。
一年のうちの半分は寝て過ごすと言うくらい眠っていることが多いと言いますから、冬眠の期間が長い動物になります。
ニホンヤマネは天然記念物
日本に生息しているニホンヤマネは森林伐採などで徐々に棲み処を追われ、現在では数を減らしてしまっています。
その結果、国の天然記念物に指定されてしまっているため、飼う事はおろか、捕まえたり触れる事すら許可されていません。
可愛いので、つい飼ってみたくなりますが、天然記念物のヤマネを捕まえると処罰の対象となりますので絶対にやめましょう。
ヤマネは飼育できる
天然記念物であるニホンヤマネは飼育することができませんが、他の種類のヤマネであれば飼育できます。
具体的に言えばヨーロッパヤマネやアフリカヤマネといった外国産のヤマネですね。
ちなみに現在国内でペットとして流通しているヤマネは、アフリカヤマネであることが多いです。
アフリカヤマネであっても流通量は多くはありません。
取り扱っているショップもかなり限られていますので、入手することは容易ではないかと思います。
ヤマネの値段は?
ペット用のヤマネはいったいどれくらいの値段で販売されているのでしょうか。
実はそれほど高価な値段設定ではなく、およそ10,000円前後で購入できるのです。
ヤマネの寿命
ヤマネは自然界では約3年くらい生きると言われています。
しかし飼育下のヤマネはなんと8年以上も生きることが確認されています。
小型のハムスター並みの大きさしかありませんが、ずいぶん長生きなんですね。
ストレスや食べ物によって寿命が大きく左右されるという事でしょうか。
上手に飼育できれば長い期間飼育することができるペットという事になります。
ヤマネの飼育方法
ヤマネは比較的容易に飼育することができます。
ケージ
飼育環境はリスやモモンガ飼うときと同じようなケージを用意すれば十分です。
樹上生活している動物ですので、高さがあるケージを用意するようにしましょう。
体が小さいですので、網目が細かいタイプのケージが脱走されにくくておススメです。
餌
ヤマネは雑食性ですので、結構何でも食べる事ができます。
しかしどちらかというと、ハムスターやリスに比べてやや肉食寄りの傾向にあるようです。
またリスのように硬い木の実(クルミなど)は割ることができません。
柔らかめな木の実や昆虫などを食べて生活しています。
飼育下では小動物用の配合飼料を与えれば栄養バランスも良くてお手軽です。
配合飼料はハムスター用のものやモモンガ用のもの、リス用のものなど様々あります。
動物性タンパクとして、生き餌も与える方が良いです。
一般的なものはミルワームが有名ですね。
その他には餌用のコオロギが販売されていますので、これらを時々与えるようにしましょう。
水は給水器から与えるようにします。
ヤマネの繁殖
ヤマネの繁殖はとても簡単ですので、オスとメスを一緒に飼っていると簡単に繁殖させる事ができます。
ヤマネの繁殖時期は決まっています。
ヤマネは10月頃から翌年の4月~5月くらいの半年間冬眠する習性があります。
繁殖は冬眠から目覚めた1~2週間後から始まります。
ヤマネの赤ちゃんは平均5頭程度生まれます。
アフリカヤマネは外来種のペットですので、繁殖させる場合は計画的に行うようにすべきです。
ヤマネはなつく?
ヤマネはペットとしてはあまり向いていないという声もあります。
野性味を強く残している動物ですので、人にはあまり懐かないかもしれません。
幼いころから飼育している場合、懐きやすいと言われていますが、大人になったヤマネを懐かせるのは不可能だと言われています。
性格はとても臆病ですので、あまり驚かせたりしない方が賢明です。
すぐにストレスを受けてしまいいますので、あまりスキンシップは取らない方が良さそうです。
観賞用として飼育を楽しむのであれば、ペットにするのも良いかなと言ったところです。
もちろん中には手乗りヤマネになるような人懐っこい個体もいるようですから、一概には言えないところがあります。
温度管理
ヤマネは気温が5℃を下回ると冬眠してしまいます。
飼育適正温度は25℃前後だと言われていますので、ペットヒーターで保温してあげましょう。
ペットヒーターにはサーモスタットを併用し、温度をコントロールできるようにしておきましょう。
まとめ
ヤマネはペットとして飼育することは可能です。
しかし日本に生息しているニホンヤマネは天然記念物に指定されていますので、飼育することは禁止されています。
飼育するのであれば、外国産のアフリカヤマネやヨーロッパヤマネになります。
購入するにはショップを探すのに一苦労しそうですが、値段は10,000円程度とお手頃価格になっています。
飼育はモモンガやリスとほぼ同じような飼い方ができますので、比較的簡単です。
野性味が強く、人慣れしにくいと言われているペットではありますが、とても可愛いのが魅力的です。
一度は飼育してみたくなる小動物ですね。