エアレーション

アクアリウムをするなら誰もが一度は目にするエアレーション。

水中内に酸素を行き渡らせる働きをするエアレーションは、飼育している生き物にとっては無くてはならないものだと言えます。

そんなエアレーションですが、生体は入れていない水草メインの水槽でも必要なのか、という疑問を持たれている方もいるのではないでしょうか。

私もそんな事を考えていた一人でした。

しかし調べていくと、どうやら水草メインの水槽でもエアレーションは非常に重要であり、無くてはならない存在だという事が分かりました。

今回はそんなエアレーションの重要性について、その理由も含めてご紹介していきたいと思います。

 

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水草の光合成と酸素の消費

水草は光を浴びて光合成をします。

光合成とは、水中の二酸化炭素を取り込んで、酸素を作って水中に供給してくれる、生物たちにとっては無くてはならない植物の働きですよね。

一方エアレーションとは「人工的に酸素を作り出して水中に供給するもの」になります。

「酸素の供給ばかりになるし、エアレーションをかけると二酸化炭素が逃げやすくなると言うし、水草だけならエアレーションは必要ないのでは?」

という疑問が浮かんできますよね?

でもそんな単純な事でもないのです。

たしかに水草は二酸化炭素を吸って酸素を出しますが、酸素を全く必要としていないというわけでもないのです。

光合成をしながらも、微量の酸素を消費して自身の成長の糧にしていますし、光合成はそもそも太陽光や照明が無いと行う事ができません。

夜間に光が無いときには、植物たちは光合成をストップし、酸素を消費しているだけの状態になるのです。

 

水槽内ではいろんな生物が酸素を消費している

水槽内には無数のバクテリアが存在しています。

これらのバクテリアが生物ろ過を行い、水質を良い状態に維持してくれているのは言うまでもありません。

バクテリアも当然生きていますので、数が多ければ多いほどそれだけ多くの酸素を必要とします。

特に水をろ過してくれるバクテリアの分解には多量の酸素を必要とするので、バクテリアだからと甘く見ていては危険かもしれません。

 

他にも生体を入れている場合や、メインで時は無いけれど苔取り要員としてエビや貝などの生体を入れている場合にも、当然のように酸素が消費されていきます。

特に光合成が停止する夜間の照明消灯時には、多量の酸素が消費されるだけの状態になるのです。

またエビや貝などは、私たちが知らないうちに勝手に繁殖してしまっている事が結構あるかと思います。

生体の数が増えればそれだけ酸素消費量もおのずと増えますので、酸素の供給量も併せて増やしてあげる必要も出てくるのです。

 

水槽を立ち上げて間もない頃はバクテリアを始めとする生物も少ないですし、確かに酸素の消費量も少ないです。

しかし安定的にバクテリアが定着し、自然と水槽内の生物が増えてくると、どうしても水草の光合成だけでは十分な酸素の供給が出来なくなってしまう事があるのです。

始めは順調だった水槽も、時間が経てば水草の成長が止まったり水面に油膜が目立ちだしたら酸素不足の予兆ですので要注意です。

酸素不足に陥った水槽内のバクテリアは死滅していき、生物ろ過が十分に行われずに水質がみるみるうちに悪化、生体や水草に悪影響を及ぼす事になります。

そうならない為にも、昼夜常に酸素が十分供給されている環境を整える必要があるのです。

理想的な環境としては、日中は水草の光合成で酸素を補い、照明がない夜はエアレーションをかけて酸素供給をする、というサイクルが良いですね。

 

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夏には酸素消費量が加速する

生き物は基本的に暖かい時期にこそ運動量が増し、その分酸素消費量も増える事になります。

活発に動き回ったり、水草が急激に成長する夏には酸素不足に陥りやすいというわけですね。

また水槽には「溶存酸素量」という概念があり、これはどれだけ水中に酸素を残しておけるかの指標になります。

冬には溶存酸素量が高く、酸素の消費量も少なくて済みますが、水温が上昇する夏には溶存酸素量が低下するため、冬よりも多くの酸素を供給してあげなければなりません。

冬は大丈夫でも、夏には実は酸素不足に陥っていた!なんてケースも結構あるのです。

一般的にアクアリウムは冬よりも夏の方が管理が難しく大変だと言われているのはこのためですね。

水温が上昇する夏にはエアレーションを上手く活用して、水槽内の酸欠防止に努めましょう。

 

エアレーションのON、OFF

昼にはあまり必要のないエアレーションでも夜には必要になります。

つまりエアレーションのスイッチを入れたり消したりしなければいけないですよね。

毎回手動で行うのもなんだか面倒でストレスに感じる事もあるでしょう。

こういった場合に便利なアイテムがあります。

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同時に複数の器具にタイマーを掛けられるのもポイントが高いですね。

つまり一つはエアレーション、もう一つは照明用に使うという使い方もできるわけです。

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しかし照明やエアレーションの管理が自動で上手くできるのであれば、6千円は安いのかもしれません。

 

まとめ

水草水槽においても、バクテリアなどの生物がいますので、酸素が必要になるという認識は大事です。

また立ち上げから時間が経った水槽程いろんな生物が増えていると思われますので、思わぬ形で酸素が消費されている事もあります。

また水草自身も自身の生長のために酸素を消費していますし、光合成を行いながらも酸素を消費しています。

光合成の止まる夜間には酸素が消費されるだけの状態になってしまいますので、特に夜間にエアレーションを掛けておく環境を作る事が大切です。

アクアリウム用のタイマーも販売されていますので、自動でエアレーションや照明などの管理をしたいという人はチェックしてみて下さい。