
蟻(アリ)というと、誰もが見かけるごく一般的な昆虫の一種ですよね。
家の庭でも働き者の蟻が、せっせと餌を巣に運んでいる姿を見かける事だと思います。
そんな蟻ですが、一口に蟻といっても非常にたくさんの種類がいると言われています。
女王蟻?
羽蟻?
働き蟻?
軍隊蟻?
色んな言われ方をしている蟻たちですが、今回は日本国内でよく見かける蟻をほんの一部ですがご紹介していこうと思います。
目次
蟻の種類はどれくらいいる?
蟻の種類はどれくらいいると思いますか?
全く想像が付かない、という人も多い事かと思います。
世界中で見てみると、確認されている蟻の種類はおよそ「12,000種類」と言われています。
ここで重要なのは、「確認されている種類」であることです。
つまり、世界中には未だに未確認の新種の蟻がいる可能性が十分にある、という事です。
ちなみに日本国内で確認されている蟻の種類は、およそ280種類くらいです。
蟻だけで280種類もいるなんて、なんだか凄い事だと思いませんか?
蟻は基本的に小さい生き物ですので、人間の目に触れないように生きている蟻だってたくさんいる事でしょう。
未発見の蟻を含めると、全世界で蟻はなんと30,000種類にも登るだろうと言われています。
日本国内においても、確認されているものだけで280種類という事ですから、やはり未確認の蟻も含めると相当数になるのでしょうか。
日本で見かける代表的な蟻は?
それでは日本で普通に見ることができる、代表的な蟻の種類をご紹介していきましょう。
もちろん280種類すべては紹介できるわけありませんので、ほんの一部だけです。
クロオオアリ
日本で普通に見る事ができる蟻の中でも最も有名な種類の一つで、後述のムネアカオオアリと並んで国内では最大の蟻です。
日本全土に生息しており、海外では朝鮮半島や中国にも生息しています。
大きさは小さいもので7㎜、大きなもので12㎜とかなり大きめなので、歩いている姿を見かけるとすごくよく目立ちます。
色は黒で、黒光りはそれほどありません。
クロヤマアリ
こちらも最もよく見かける蟻の一種で、普通に蟻と言えばこのクロヤマアリを指すことが多いくらいに一般的な蟻ですね。
生態に独特な特徴があり、関東と関西に2つのタイプが存在します。
関東タイプのものは1つの巣に一匹の女王アリがいますが、関西タイプのものは1つの巣に女王アリが複数匹いる、ということです。
クロオオアリよりも薄い黒で、濃い灰色をしており光沢があります。
体長は4㎜~6㎜くらいで、女王アリは10㎜くらいの大きさになります。
クロオオアリと同じく、日本全土に生息し、海外では朝鮮半島、中国、台湾など広い範囲にわたって生息しています。
ムネアカオオアリ
クロオオアリと並んで日本国内最大の大きさを誇る蟻です。
働き蟻は8㎜~12㎜、女王蟻で17㎜くらいになります。
名前の通り、胸の部分が赤色をしており、頭部と腹部は黒色をしていますので見分けやすいです。
分布は北海道、本州、四国、九州と全土に生息しています。
またクロオオアリと同じく、とても飼育しやすい種類の蟻でもあり、人気があるのも特徴的です。
アシナガアリ
名前の通り、足が長いのが特徴的な蟻です。
体長は4.5mm~8mm、女王アリは10mmほどの大きさになります。
同じ働き蟻でも大きさに差があるのも特徴の一つですね。
色は赤みを帯びた褐色のある体をしており、スマートな体付きが印象的です。
アミメアリ
日本全土に生息しており、海外では東南アジア、東アジアにかけて幅広く分布しています。
しかし最も多く分布しているのは日本国内であるようですね。
大きさは3㎜程度で、女王アリが存在せず、働き蟻単独で繁殖を行う蟻でもあります。
また決まった巣を持たず、餌を求めで集団で移動する習性があります。
大きくなった集団は、いずれ分裂して新たな集団を形成する特徴があります。
トビイロケアリ
この蟻の最大の特徴は、働き蟻と女王蟻の大きさや容姿が大きく異なるという点です。
働き蟻は2.5~3.5mmですが、女王アリは7~8mmと2倍ほどの大きさになるのです。
また働き蟻の頭部は極端なほどに大きくなり、ややアンバランスな体型をしているのも特徴的です。
色は働き蟻、女王蟻ともに黒褐色をしています。
また多産な蟻としても有名で、大きく育った巣(コロニー)は数万匹にもなります。
コツノアリ
日本で最も小さな蟻として有名なのがコツノアリです。
大きさは1㎜程度しかなく、肉眼で確認することが難しいくらいの大きさしかありません。
兵隊アリにまで成長してもわずか2㎜にしかならず、その小ささが分かりますよね。
色は赤褐色で、土の色とよく似ていますので、見つけるのは至難の業かもしれませんね。
ミカドオオアリ
大きさは8㎜~11㎜くらいで大きめな蟻です。
色は褐色のある黒色で黒光りした光沢があります。
分布は北海道、本州、四国、九州、対馬、屋久島とほぼ全土に生息しています。
林に多く生息しており、夜行性であるのも特徴的ですね。
また巣が大きくなると、巣が分断されて新しい巣ができるという珍しい習性があります。
まとめ
いかがでしょうか。
蟻と言っても本当に色んな特徴を持った蟻が存在しています。
また蟻は簡単に飼育することができることでも有名で、現在では蟻の飼育キットも販売されているくらいですから、自由研究にもとてもおススメですよ。
私たち人間と同じく社会生活を営む蟻。
観察してみると意外に面白いかもしれませんよ。