ボノボ

ボノボ

ボノボという動物をご存知ですか?

普段はあまり聞き慣れない名前の動物かも知れませんね。

ボノボはチンパンジーとよく似た姿をしており、時々混同されることもあるようですが、いったいどこが違うのでしょうか。

またチンパンジー同様にとても頭の良い事で知られています。

今回はそんなボノボについて、特徴や生態、知能などについてチンパンジーと比較しながら詳しくご紹介していきたいと思います。

 

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ボノボとは?

ボノボとは、霊長類ヒト科チンパンジー属に分類されている類人猿の仲間です。

別名「ピグミーチンパンジー」とも呼ばれている類人猿で、チンパンジーと非常によく似た姿をしています。

チンパンジー同様、私たちヒトとは祖先が同じであり、ヒトとチンパンジーの祖先が分かれた後、およそ250万年~100万年前にボノボとチンパンジーと祖先が分かれたと言われています。

よってゴリラよりも人やチンパンジーのほうがより近い近縁種なのです。

ちなみにDNAで分析してみると、ボノボとチンパンジーの違いはわずか0.4%であり、人間とボノボの違いは1.3%であるようです。

 

分布

ボノボは世界各地で生息しているというわけではありません。

アフリカのコンゴ民主共和国の中西部にのみ生息し、固有種なのです。

熱帯雨林を好み、50頭~100頭ほどの規模の群れを作って暮らしています。

1928年に動物学者によって初めて発見されましたが、発見された場所はアフリカではなく、なんとヨーロッパだったという事です。

一体どういうことなのでしょうか・・

 

大きさと外見

体長は70㎝~80㎝ほどで、オスの方がやや大きい傾向にあります。

体重はおよそ30㎏~40㎏ですね。

チンパンジーと非常によく似ていますが、チンパンジーよりは細身なのが特徴的ですね。

良く見なければ分かりませんが、頭の毛は真ん中で左右に分かれるような生え方をしており、まるでセンター分けのような格好になっています。

上半身はチンパンジーよりも小さい傾向にあり、ヒトに近しい体型をしています。

頭も小さいので、脳の容量も小さくなりますので脳はチンパンジーよりも小さいようですね。

 

食性

食性は雑食性で、植物の葉、芽、蜂蜜、昆虫、ミミズ、小型爬虫類、小型哺乳類などを食べて暮らしています。

食べ物はチンパンジーやゴリラとと同じようですね。

飼育下のボノボの餌は主にレタスやキャベツ、リンゴ、オレンジ、バナナなどの野菜や果物が与えられているようですね。

 

寿命など

寿命はおよそ40年くらいであり、子どもはひ弱な期間が長く、授乳期間は4年にもなります。

思春期は8歳~11歳くらいで、14歳頃から子供を産めるようになると言われています。

 

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性格

チンパンジーは力をもってして争いを解決します。

群れを作る点では両社とも共通していますが、チンパンジーの群れのリーダーであるオスは、力で群れを支配します。

年を取れば当然のように力が強い、より若いオスにリーダーの座を奪われてしまいます。

また群れ同士での争いもあり、チンパンジーがより弱いチンパンジーを殺してしまうこともあります。

頭の良いというイメージのチンパンジーですが、実際には結構凶暴で、攻撃的な性格をしているのです。

対してボノボはとても温和で、争いが起きそうな時にも平和的に事を収めるといった動物らしくないと言える一面を持っています。

ボノボの社会はどちらかというとメスが中心の社会です。

オス同士も争いをすることがありますが、例え争いが起こってもメスは興味を示しません。

これもボノボ同士で争いが起きにくい要因の一つなのだと思います。

ボノボが温和であるというよりは、チンパンジーが凶暴かつ攻撃的にならざるを得なかったという説があります。

チンパンジーとゴリラの生息地は重複しており、餌をめぐる争いが起こるのは必然です。

対してボノボはチンパンジーやゴリラと生息地が被らないため、ケンカをしなくても生きていける環境にあったのではないか、という説です。

つまりボノボはケンカ慣れしていない類人猿、とも言えるのかもしれませんね。

ボノボの特徴として、争いが起きないように仲間同士でコミュニケーションを取る、というのがあります。

それも「性」のコミュニケーションです。

メス同士で性器をこすり合う行為をしたり、キスをしたり、はたまた快楽のために交尾をしたりと動物の世界では見られないような一面を見る事ができます。

メスが互いに性器をこすり合う行為を「ホカホカ」と呼んでいます。

食べ物を分けてほしいときなんかにも「ホカホカ」を行い、争わないで上手く仲間と暮らしているのです。

動物たちは繁殖のために交尾をしますが、ボノボは繁殖目的でなくても、快楽目的で交尾をするのです。

 

絶滅危惧種

野生のボノボは現在数を減らしてしまっており、絶滅危惧種に指定されています。

生息数減少の要因としては、食用にされるために狩猟されたり、伐採などによる生息地の減少があります。

生息地である熱帯雨林は以前の80%近くが伐採されてしまい、20%程度しか生きる場所が無くなってしまっている状況です。

 

ボノボの知能

ボノボはとても頭が良い類人猿として知られています。

また人間同様に二足歩行が得意で、チンパンジーよりも二足歩行が上手な特徴があります。

その知能はなんと言葉を理解するというほどに優れているとさえ言われています。

ただし、チンパンジーは道具を頻繁に使うのに対して、ボノボは道具を使うことは無いようですね。

ボノボに言葉を覚えさせるという、とある実験において「薪を集めてマッチで火をつけて焚火をする」、「焚火でマシュマロを焼く」という内容の英語の指示を出したところ、なんt言葉を理解し、実行することができ話題になりました。

訓練にもよりますが、知能が高いのは間違いなさそうですね。

 

ボノボを見ることができる動物園は?

ボノボは現在、日本の動物園では飼育されておらず、見ることはできません。

外国の動物園では飼育されているようで、アメリカの「サンディエゴ動物園」、「コロンバス動物園」、またはイギリスの「トワイクロス動物園」などではボノボを見ることができるようですね。

ちなみに、飼育下のボノボは毛が抜け落ちやすいと言われており、これは生活環境からくるストレスや健康状態の悪化が原因だと考えられているようです。

ストレスが溜まるとハゲるのは、私たち人間も同じですよね。

 

 

まとめ

ボノボはチンパンジーとよく似た類人猿で、コンゴにのみ生息している固有種です。

知能もとても高く、人間の言葉を理解できるくらいに高い知能を持っています。

チンパンジーと違う所は、道具を使わないというところと、攻撃性が少なく平和的な社会生活を営んでいる所ですね。

残念ながら、日本の動物園では飼育されておらず、外国の動物園でしか見ることができません。

また絶滅危惧種に指定されており、環境破壊などが原因で野生の個体がとても減ってしまっています。

今後は生息地が増えて、個体数も元通りになる事を祈ります。