
野生のデグーは群れを作って行動する習性を持っています。
その群れの構成はオス1~2匹に対してメス数匹であったり、オスとメス、その子供たちからなる家族の群れ、さらにはこうした家族が複数集まった比較的大きな群れを形成することもあります。
デグーの群れを作る習性なのですが、デグーを飼育する場合にもやはり多頭飼いをする方が、野生に近くて良いのでしょうか。
実はデグーの多頭飼いにも良いところと、そうでないところがあるのです。
そこで今回はそんなデグーの多頭飼いにおけるメリットやデメリットについて、詳しくご紹介していこうと思います。
目次
デグーを多頭飼いすることはできるのか
結論から言いますと、デグーの多頭飼いは可能です。
そもそも自然界では普通に群れを形成しながら、集団で社会生活を営んでいますので飼育下においてもそういった習性は変わることはありません。
ただし闇雲に多頭飼いできるのかと言われれば、そうでもないようです。
デグーの組み合わせによって多頭飼いできない場合もある
社会生活をするデグーにも、やはり相性というものが存在します。
それは個体同士の相性であったり、オスとメスの性別間の相性であったりと様々です。
オス+オス
オスは結構縄張り意識についてうるさい傾向にあります。
もちろんその個体同士の相性によって上手く共存できる場合もありますので、100%一緒に飼えないとは言えません。
オス同士の多頭飼いはやめておいた方が良い、というのが一般的なようですね。
メス+メス
メスはオスに比べて縄張り争いはほぼほぼ無く、一緒にしてもケンカすることはごく稀だと言われています。
ただしそんなメス同士でもやはり相性はありますので、ケンカをするような相性の悪いメス同士だと別々に飼育する方が無難だと言えます。
オス+メス
繁殖させる場合には必須の組み合わせになりますが、このオスとメスをペアで飼育する多頭飼いが一番争いが少なく、おススメだと言われています。
ただし注意点があります。デグーはネズミですので、とても繁殖能力が高いです。相性の良いペアで飼育していると、どんどん繁殖してしまいます。
繁殖を望まないのであれば、オスとメスのペアでの飼育は避けた方が良いでしょう。
多頭飼いのメリットとは
デグーの多頭飼いのメリットは、「デグーの最大の特徴でもある社会生活を飼育環境下でも垣間見ることができる事」だと思います。
デグーは同じ群れの中のメス同士でも子育てを共同で行うなど、その社会性は極めて高いです。そういった社会生活を見ることは単独飼育ではまず不可能です。
また仲間同士でコミュニケーションを取るのにも長けている動物でもあります。
鳴き声の種類が非常に多く、鳴き声のバリエーションによりコミュニケーションを取るのです。
こういったデグーの会話を聞く事ができるのも多頭飼いならではの良さかもしれませんね。
多頭飼いのデメリット
デメリットはいくつかあります。
まずはとても繁殖し易いため、管理せずに放置しておくと、どんどん増えてしまいます。
子供の成長も早いですから、大人になった後も一緒に飼育していると、近親交配になってしまうことも結構多いと言います。
近親交配はやはり危険で、体の弱い子供が生まれてきたりと良い事がないので、絶対に避けるべきです。
また当然ながらお世話が結構大変です。
多頭飼いできるだけの広いスペースが必要なのは言うまでもありませんが、それだけデグーが増えれば糞尿の処理や餌もたくさん必要ですし、掃除もまめに行わなければケージがどんどん汚れます。
それだけデグーに割いてやれる時間があるのかを良く考えてから決めましょう。
また馴れにくくなる可能性が高い、ということも多頭飼いの特徴だと言われています。
どうしてもデグー同士で一緒に飼うと、仲間同士で群れてしまい、飼い主の人間に対してそれほど興味を持たなくなる傾向にあるようです。
当然これはデグーの数が多ければ多いほど馴れにくくなると言えるので、5匹も6匹も一緒に飼うという場合は、人間にベタ慣れしたデグーに育て上げるということは、ある程度犠牲にしなければいけないでしょう。
デグーはとても馴れやすい、頭の良い動物です。
単独飼育で1匹を可愛がって育てていると、予想以上になついてくれるようになる半面、多頭飼いの場合には、人間よりもデグー同士で群れてしまうという事ですね。
これは仕方のない事だと思います。以上の事からデグーとのスキンシップを重視するのであれば、多頭飼いはあまりおススメできないかと思います。
多頭飼いでもベタ慣れデグーにする方法とは?
多頭飼いをしているのに、ベタ慣れしているデグーを飼っているという方もいるようです。
そんな夢のような話があるのかと思うかもしれませんが、その方たちは馴れにくい多頭飼いの中においても、工夫を施すことによって馴れやすい環境を作っているようです。
具体的にはどのような方法でしょうか。
まずは、ずっとケージの中に複数のデグーを入れっぱなしにして飼わない、というのが最大のポイントだと思います。
ケージの中に複数匹入れっぱなしだとどうしても人間の存在が薄くなり、馴れにくくなります。
ですので、適度にケージから出して人間とのコミュニケーションをしっかりと取れる機会を多く作るのがポイントというわけですね。
またデグーをローテーションにかけ、1匹を選んで別ケージで単独飼育にします。
今週ははこの子と遊ぶ、来週ははこの子と遊ぶといった具合で交代でデグーと触れ合う機会を設ける方法ですね。
これが結構有効だったりするようです。なかなかそんなに時間が割けないという場合でも、最低限、飼い主が良く見える位置にケージを置いておくなどちょっとした工夫をするだけで、デグーの飼い主離れを阻止することができますので、色々と工夫してみましょう。
デグーの飼い方
デグーの飼い方に関しては、以下の記事で詳しく紹介していますので、ぜひご覧ください。
まとめ
デグーの多頭飼いは可能なのですが、単独飼育や多頭飼いはそれぞれメリット、デメリットもありますので、自分に合った飼い方ができる方を選ぶと良いかと思います。
デグーとのコミュニケーションを楽しみたい方は単独飼育で1匹を可愛がり、デグーの優れた社会生活を垣間見たいという方は多頭飼い、という飼い方が合っているのではないかと思います。
ただ、多頭飼いだからと言って馴れないというわけではありません。
工夫次第で十分に馴れてくれるデグーに育てることができますから、出来るだけデグーと接する機会を多く設け、馴れてもらうための工夫ををしてみましょう。