某世界的に有名なテーマパークのキャラクターのうちのひとつのモデルとして有名なアヒル。
動物園などでは、そのユーモラスな動きで人気があります。
ですが、アヒルってどんな鳥なのでしょうか。
あのよく見る白いアヒル以外に仲間はいるのでしょうか。
アヒルの生態や寿命などの特徴、ペットとしての飼い方などを見ていきます。
目次
アヒルってこんな生き物
アヒルは、カモ目カモ科の鳥です。
アヒルは、ニワトリやウズラなどと同じ「家きん」の代表的な存在です。
「家きん」とは、「姿や鳴き声を楽しむためや、肉や卵、羽毛を取るために作り出されたもの」のことで、ブタやウシなどの家畜と同じようなものです。
現にアヒルは、野生のマガモから作り出され、肉や卵を取るために飼育されています。
肉は中華料理の「北京ダック」など、卵は殻に石灰や木炭などで作ったアルカリ性の粘土を塗り付けて籾殻をまぶして熟成された「ピータン」などに利用されています。
食用以外では、水田の除草に利用されることもあるようです。
家きんやペットなどの人間の飼育下にあるアヒルが多いですが、中にはそれらが逃げ出し野生化したものもいます。
アヒルの種類
アヒルといえば、真っ白な羽毛に黄色いくちばしのものを思い浮かべる人が多いですが、意外にも種類が多いです。
いくつかご紹介します。
・シロアヒル
・アオクビアヒル
・シキアヒル
・ナキアヒル
・ムラード
この他にもいますが、それぞれの特徴を見ていきます。
シロアヒル
一般的にイメージされる、白い羽毛に黄色いくちばしのアヒルです。
日本ではよく飼育されています。
アオクビアヒル
アヒルの元になった、マガモに近い種類です。
名前の通り、オスは首が緑色(=青い)で白い帯があり、胸が褐色なのが特徴です。
それに対し、メスは全体が褐色で黒い斑があるのが特徴です。
シキアヒル
淡黄色の羽毛が特徴的なアヒルです。
卵を取るために飼育されており、1羽に付き年間で250個ほど生みます。
アヒルは年間で150個から200個の卵を生みますが、いかにシキアヒルがたくさん卵を生むかがよく分かりますね。
ナキアヒル
シロアヒルなどより小型のアヒルで、元々はカモ猟をするときの「おとり」として作り出されました。
現在では、猟よりもペットとして飼育されています。
「コールダック」という別名もあります。
ムラード
ムスコビーアヒルとペキンアヒルの雑種です。
ムスコビーアヒルは、「ノバリケン」いうカモ科の別の仲間を元に作り出されたため、アヒルとは別の種類です。
ムラードは異なる種類の両親の交配で作り出された「一代雑種」であるため、生殖能力がありません。
故に、ムラード同士の交配は出来ません。
その名前の通り、一代限りの存在なのです。
主に肉用に飼育されていますが、フランスではフォアグラを生産するためにも飼育されています。
ちなみに、アヒルとマガモの交雑種を「アイガモ」と呼びますが、ムラードと違いアイガモには生殖能力があります。
アヒルは元々はマガモから作り出された品種であり、生物学的に違いがないからです。
アヒルの寿命
アヒルの寿命は、5年から20年くらいだと言われています。
生まれた雛は生後6ヶ月から7ヶ月ほどで性成熟し、子孫を残せるようになります。
性成熟はメスの方が早く、オスはメスに比べたら若干遅いです。
野生でも人間の飼育下でも、猫やイタチなどに襲われて死んでしまうことが多々あります。
肉食獣である猫やイタチにとって、アヒルは格好の狩りの対象だからでしょう。
なお、野生のアヒルと飼育下のアヒルを比べると、飼育下のアヒルの方が餌の確保が出来て栄養状態が良いためか、たくさん卵を生む傾向にあるようです。
アヒルの餌
鳥の仲間には草花や果実を食べる植物食のものや昆虫や魚、動物など肉食のもの、植物も肉も食べる雑食のものがいますが、アヒルは何を食べているのでしょうか?
アヒルは雑食性が強く、家きん用の餌や野菜や果物、食肉など基本的には何でも食べます。
何でも食べるとはいえ、人間のお菓子などはアヒルには害になるため、与えないようにしましょう。
アヒルと鴨の違いとは?
前述した通り、アヒルは野生のマガモから肉や卵を取るために作り出されました。
つまり、鴨は野鳥、アヒルは人間に飼育される家きんという点で違いがあります。
鴨もアヒルも英語では「duck」ですが、アヒルと違い野生種であることを強調するときは「wild duck」とも言います。
なお。カルガモに関しては、以下の記事で詳しく紹介していますので、ぜひご覧ください。
アヒルとガチョウの違いとは?
アヒルとよく似ている鳥に「ガチョウ」がいます。
どちらも家きんで白い羽毛を持っていますが、何か違いがあるのでしょうか。
アヒルとガチョウの違いは以下のようなものです。
・アヒルはマガモから作り出されたが、ガチョウは「ハイイロガン」から作り出された。
・アヒルよりガチョウの方が大きい。
・アヒルの首は短いが、ガチョウの首は長い。
・アヒルの鳴き声は「グアッグアッ」だが、ガチョウの鳴き声は「ガアガア」である。
似ていますが、よく見ると違いがありますね。
アヒルは飼育できる?
アヒルは家きんとして飼育されていますので、飼育は可能です。
ペットショップやふれあい牧場などで購入したり譲渡などで手に入れることが出来ます。
値段も500円から1000円とお手頃なので、幼稚園や小学校などでも飼育されています。
アヒルの飼育方法は?
アヒルの飼育で重要なのが「水浴びが出来る場所」と水浴びの後にさせる「日光浴」です。
というのも、アヒルは水鳥であり、水浴びをすることにより、毛繕いをしているからです。
自宅に庭がある場合は小屋を用意し、その中に水浴びが出来る場所を作ってあげると良いでしょう。
マンションなどで室内飼育の場合は、ベランダやお風呂場に水浴びが出来る場所を作ってあげましょう。
ケージを使う場合は、中に藁を入れてあげると良いですが、藁に糞をするとカビが生えやすくなるため、こまめに掃除をして清潔を保つように心がけます。
なお、アヒルは犬や猫のようにトイレを覚えることが出来ません。
こまめに掃除してあげましょう。
アヒルは水浴びの後に日光浴をしますが、直射日光に当たり続けると熱中症になる可能性があります。
日陰も作ってあげると良いでしょう。
まとめ
アヒルといえば、白いアヒルを思い浮かべる人が多いと思いますが、マガモに近いものや卵を取るために作り出された種類など、他にもたくさん種類がいるのに驚きます。
ペットとして飼育するのは可能ですが、水浴びをする場所を用意してあげたり、トイレを覚えることが出来ないので糞の問題など、考えなければならないこともありそうです。
ペットとして飼育されているアヒルは、野生化したアヒルと比べてストレスを感じやすく、寿命が短くなる傾向があります。
なるべくストレスを感じないように配慮してあげて下さいね。