エミューという鳥をご存知でしょうか。
ダチョウに次ぐ、現存する野生の鳥の中では2番目の大きさを誇る大型の飛べない鳥です。
このエミュー、なかなかの人気があるというのですが、いったいどんな鳥なのでしょうか。
今回はそんなエミューについて、詳しくご紹介していきたいと思います。
目次
エミューの生息地は?
エミューはオーストラリア全域に生息しています。
またオーストラリアの非公式の国鳥にもなっている人気のある鳥なのです。
昔はオーストラリアの以外の地域にも生息していたらしいのですが、現在ではオーストラリア以外のエミューは絶滅してしまったようです。
砂地や平原など、あらゆる環境でも強く生きていける、丈夫な体を持っています。
エミューの大きさについて
エミューはダチョウに次ぐ大きさを誇る鳥で、1.5m~2mの大きさがあります。
その昔、さらに大きな鳥である「ジャイアントモア」という巨鳥が生息していましたが、既に絶滅してしまっています。
体重も59㎏~60㎏くらいあり、成人と同じくらいの体重があります。
大きさでは第二位ですが、重さでいうと第三位になります。
体重での第二位は「ヒクイドリ」というずんぐりむっくりとした鳥です。
エミューの寿命
大きな生き物らしく、寿命も20年~30年とかなり長めです。
もちろん野生よりも、飼育個体の方が長生き傾向にあるようですね。
エミューは飛べない
見ての通り、エミューは羽が退化してしまっていますので、飛ぶことができません。
その代わりに、時速50㎞もの速さで走ることができますし、水中でも上手に泳ぐことができるのです。
ちなみに、エミューは前進できるのみで、後退することができないようです。
エミューの性格
警戒心が強いのかな?と思われがちなエミューですが、実は人間にはかなり優しく、攻撃的でもないと言われています。
しかし、犬や猫のような動物に対しては比較的攻撃的で、天敵として見なすようですね。
これは、昔オーストラリアに生息していた「フクロオオカミ」がエミューの天敵であったという事に由来しているのではないか、と言われているのです。
人間には優しい性格のエミューでも、繁殖期にはさすがに攻撃的になるようですので、不用意に近づかない方が良いようですね。
エミューの鳴き声
エミューの特徴として。オスとメスで鳴き声が全然違うというものがあります。
オスは「グルグルグル・・」と低い声で鳴き、メスは「ポンポンポン・・」と太鼓のような音で鳴くようです。
しかし、いつ鳴いているのか分かりにくい鳴き声ですね。
エミューの卵と子育て
エミューは約10㎝ほどの卵を10個程度産みます。
ダチョウのの卵が18㎝くらいですので、体の大きさを考えると、かなり小さめですよね。
いくつもの卵を産むので、小さめなのかもれませんが。
ちなみに卵は青緑色で、とてもきれいな色をしています。
卵を産むと、メスは一切温めずにオスが温める役割を担っています。
オスは卵が孵るまでの2か月の間、飲まず食わずで温め続けるのです。
ですから雛が孵る頃には、オスはガリガリにやせ細ってしまうそうです。
孵化後、2か月ほどの間、オスは外敵から雛を守ります。
メスはというと、卵が孵ってから雛の育児に加わる事もあるようで、決して育児放棄をしたというわけではありません。
害鳥としてのエミュー
先述の通り、エミューはどんな環境でも生きることができ、飲まず食わずでも生きながらえる強い体を持ち、極めつけには何でも食べてしまうと言われています。
そんなこんなで、エミューはとてもしぶとい鳥で、時には畑などで農作物を荒らして回る害鳥として嫌われていることもあるのです。
一時期エミューが増えすぎてしまい、農作物を荒らしまわる為、エミュー狩りが行われたという過去もあります。
これは「エミュー戦争」とも呼ばれており、エミューの駆除に国もなかなかの苦戦を強いられたようです。
結果として、およそ2500頭のエミューが駆除されるに留まり、絶滅するほどの大量殺戮にはならなかったようですね。
エミューは飼育できる?
エミューは外国ではしばしばペットとして飼育されていることもあるようです。
日本ではと言うと、ほとんど飼育されている事例がありませんが、ペットとして飼育することは可能です。
その際に、特別な許可を得ないといけないというわけではありませんので、成体さえ入手できれば普通に飼育することができます。
エミューの餌は?
雑食性ですので、果物や野菜、雑草などなんでも食べます。
また昆虫や小動物なども食べますので、いろいろな餌をバランスよく与えると良いでしょう。
しかしもともと飢餓にとても強い体をしていますので、かなりの期間粗食に耐えて生き長らえる事ができます。
ただし、成長期には豊富な餌で成長を促してあげる事が必要になります。
保温は必要?
成鳥はかなり丈夫ですので、日本の気候の変化にも耐えうると言われていますが、幼鳥はやはりしっかり保温してあげる必要があります。
雛を育てる場合、丈夫な成鳥になるまでは、およそ30℃前後で保温して育ててあげましょう。
飼育環境について
体の大きな鳥ですから、やはり相応の大きさの飼育スペースが必要になります。
屋外飼育になりますが、それなりの大きさの小屋がある方が良いでしょう。
成体の入手よりも、そういった飼育環境を整えてあげる事の方が難しいでしょうね。
まとめ
エミューはダチョウに次ぐ、2番目に大きな飛べない鳥です。
人間に対してはかなり優しい性格をしており、特別な許可を得なくても飼育することができます。
ただし、飼育環境を整えることの方が難しいでしょう。
国鳥とされながらも、しばしば害鳥として扱われているエミュー。
ちょっと複雑な立場の飛べない鳥、というところでしょうか。