ドクターフィッシュ

ドクターフィッシュという魚がいるのをご存知ですか?
ドクターフィッシュは、人間の古くなった角質を食べてくれる魚として有名で、いろんな施設でドクターフィッシュを利用した足湯セラピーが体験できるなど、人気になっています。

そんなドクターフィッシュですが、いったいどんな魚なんでしょうか。またその気になるセラピー効果とはどれほどのものなのでしょうか。ドクターフィッシュセラピーを体験する際の注意点も併せてご紹介していきます。

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ドクターフィッシュってどんな魚?

ドクターフィッシュという名前は正式名称ではありません。正式名称は「ガラ・ルファ」という名前の魚なんです。

ガラ・ルファはトルコ、イランなどの西アジア周辺の河川に生息している鯉の仲間に分類されています。

河川だけではなく、暖かい温泉にも生息することができるなど、比較的高い温度帯の水にも適応できる体を持っています。ガラ・ルファの適正水温は30℃前後と言われ、最高で37℃の水温に耐えられます。そこまで高温に耐えらえる熱帯魚は探してもそうはいません。

ドクターフィッシュが人間の角質を食べるのはなぜ?

どうしてガラ・ルファは人間の角質を食べるようになったのでしょうか。
ガラ・ルファが生息している地域は餌となる苔があまりない事も多く、苔が少ない温泉地などでは人間の古くなった角質をも食べるようになったためと言われています。

とはいえ本来は川底や石に付いた苔を食べていますので、人間の角質は主食ではなく、あくまでも非常食のような位置づけになります。空腹状態でないとなかなか角質を食べてくれないこともあると言われているのはこのためです。

ドクターフィッシュのセラピー効果とは?

ガラ・ルファが角質を食べてくれることによって、様々な皮膚のトラブル改善に効果があると言われています。たとえばアトピー性の皮膚炎も改善されたという事例もたくさんあります。
また肌がツルツルになったという声も多数あります。実際にガラ・ルファを使用したセラピーが保険が適応される医療行為として認定されている国もあるくらいです。

ガラ・ルファには歯がなく、足をついばまれても痛くないのが特徴的です。むしろついばまれている感覚がなんとも気持ちがいいという人も多く、リラックス効果があるとも言われています。
さらにはたくさんのガラ・ルファについばまれる際の微弱な振動が、マッサージ効果やリラクゼーション効果にも役立ちます。
実際に試してみた感想としては、くすぐったい感じの心地よさですね。いつまでもやって欲しいな、と思ってしまいました。

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ドクターフィッシュセラピーができる時期

ガラ・ルファの寿命は約7年くらいと言われています。しかしドクターフィッシュとして使用されているガラ・ルファは実は幼魚なんです。成長すれば10㎝を超えるサイズになりますが、人間の角質を食べてくれるのは生後半年~2年までの幼魚期間のみという制約があります。

また成魚になれば、徐々に縄張り意識が高くなり、ガラ・ルファ同士の混泳もできなくなります。さらに肉食性が強くなっていきますので、次第に人間の角質を食べなくなってしまうんです。
ですのでドクターフィッシュとして利用できるのは幼魚のうちの短い期間だけということになるわけです。

ガラ・ルファを自宅で体験したいという人も多くいますが、自宅でも簡単に飼育する事ができるくらい病気やストレスにも強い魚でもあります。

ドクターフィッシュセラピーをする際の注意点は?

ドクターフィッシュのセラピーをする際には注意点もあります。
まずはセラピーをする手足に傷がないかを確認してください。もしも手足に傷があると、その傷口から雑菌が入り込んで予期せぬ皮膚のトラブルや感染症につながる恐れもあるためです。
また手足にハンドクリームや薬などを付けている場合も、よく洗い流してからセラピーをするようにしましょう。そのままでセラピーをすると、ハンドクリームや薬がガラ・ルファにとって毒になり、ついばんだ際にダメージとなってしまう可能性があります。

また、ウソのような情報なのですが、10年間お風呂に入らなかった人がドクターフィッシュセラピーを行ったところ、足の臭いのショックでガラ・ルファが死んでしまったという事例もあります。病気やストレスに強い魚とは言え、結構繊細な魚なのかもしれませんね。

自宅でもドクターフィッシュセラピーができる!

ドクターフィッシュセラピーができる施設に行かなくても、ガラ・ルファを飼育する事によって自宅でいつでもドクターフィッシュセラピーができるんです。
ガラ・ルファは熱帯魚専門店では販売していないところが多いですが、ネット通販では普通に手に入ります。中には姿がよく似た偽物も流通しているようですが、しっかり見極めれば大丈夫です。

yahooオークションでも常時販売されていますし、値段も一匹あたり100円~300円ですので、気軽に購入できるのではないでしょうか。
ただし、ドクターフィッシュセラピーをするには最低でも数十匹のガラ・ルファが必要です。まとめ買いをすればするほど安くなりますが、50匹購入する場合でも10,000円ほど見積もっておいた方が良いでしょう。

ガラ・ルファの飼育方法について

ガラ・ルファの飼育はとても簡単に行えます。
水槽は最低でも45㎝、できれば60㎝は欲しいところです。
目安の水量としては、一匹に対して1Lの飼育水が必要とされています。

水質は弱酸性に保つと健康に飼育できます。水槽の底にはpHを弱酸性に保ってくれるソイルを敷きましょう。

ろ過フィルターは何でも構いませんが、水槽の大きさに応じたろ過能力があるものを使用してください。たくさんのガラ・ルファを飼育する場合には、より大きい水槽用のフィルターを使用するのがおすすめです。

水温は先述の通り、高水温の方が適していますので、ヒーターは必ず使用しましょう。一般的な熱帯魚に適正とされる25℃の水温では、ガラ・ルファにはやや低水温となり、動きが鈍くなりがちです。ヒーターを30℃に設定して飼育すれば問題ないでしょう。ただし繁殖させる際の適正水温は25℃が良いとされています。繁殖させる場合は水温を下げて調整してください。

ガラ・ルファは雑食性です。餌は人工餌のペレットでもしっかり食べます。浮上性の餌よりも沈下性のプレコやコリドラス用のタブレット餌の方が適していますので、試してみて下さい。
また冷凍のアカムシなんかも食いつきが良く、とてもおすすめです。

角質を食べさせておけば餌は必要ないのでは?と思う人もいるでしょうが、先述の通り人間の角質は非常食のようなものです。それだけでは栄養不足は避けられませんのっで、ちゃんと餌も与えた方が良いです。

まとめ

ドクターフィッシュはガラ・ルファという鯉の仲間で、生後2年までの幼魚はドクターフィッシュセラピーとして使用されます。

リラックス効果やリラクゼーション効果、マッサージ効果などが期待でき、大変人気があります。

ガラ・ルファを飼育する事で自宅でもドクターフィッシュセラピーが簡単にできるため、ぜひ挑戦したいところです。
しかしドクターフィッシュセラピーができるガラ・ルファは生後2年までですので、成魚になって角質を食べなくなってしまった後もちゃんと飼育しなければいけません。

ガラ・ルファはアクアリウムの苔取り生体としても優秀ですので、角質を食べなくなっても水槽の苔を取ってもらって活躍してもらいましょう。