キリンというと、動物園でも子どもにも大人気の動物ですよね。

キリンと言えば、「長い首」です。

あの長い首ですが、どうしてあんなに長い首を持っているのでしょうか。

今回はそんなキリンの特徴や生態、そして気になる「長い首」を持つようになった理由について、詳しく調べてまとめてみました。

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キリンの特徴

キリンは現在生息している陸上動物の中では最も背が高い動物です。

体高はなんと4m~5mにもなり、体重は500g~2000㎏あります。

長いのは首だけではなく、舌も実は長くて45㎝ほどの長さを持ちます。

これまではキリンは1種類で、10ほどの亜種が存在していると考えられてきました。

しかし最近の研究によると、キリンの種類は4種類に分けられていると言われているのです。

キリンの寿命は?

キリンの寿命は野性下ではおよそ15年~15年くらいが多いと言われていますが、飼育下でのキリンは20年~25年くらい生きるとされています。

長く生きたものでは、なんと30年以上生きた個体もいるとの事。

ずいぶん開きがありますよね。

それだけ自然界で生きていくには大変だという事なのでしょうね。

キリンの分布

キリンはアフリカ大陸の中部以南の各地に生息していますが、既に絶滅してしまっている国や地域もあるようです。

1985年には14万頭ほどもいたキリンが、2015年にはおよそ9万頭にまで減少してしまっており、絶滅危惧種に指定されてしまっています。

これには様々な要因があるのですが、主にはキリンの密猟や乱獲、開発などによる生息地の減少、アフリカ各地での紛争などが直接の要因になっていうようです。

天敵は?

これだけ大きなキリンですが、天敵はいるのでしょうか。

キリンにも天敵はいて、子どものキリンにとってハイエナ、ヒョウなどあらゆる肉食動物が天敵となります。

成獣のキリンも場合でも、ライオンなどの大型の猛獣はやはり天敵となるようですね。

しかしキリンも決して負けておらず、キリンの前脚のキックはかなり強烈です。

万が一襲われた際には、このキックでライオンでさえ追い払い、時には殺してしまうほどの威力を持っているのです。

キリンの群れ

キリンは10頭~20頭の群れを作って集団生活をしています。

しかしこの群れ、ライオンなどの群れとは少し違って、群れに属するキリンが度々入れ替わると言います。

ですので、ずっとその群れにいるという事はなく、コロコロとメンバーが入れ替わるので、よくありがちなオス同士の縄張り争いというものもあまりないようです。

しかしながらオス同士の戦いは一応存在し、首を大きく振り回してぶつけ合ってケンカをしている姿を見ることもあります。

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キリンの餌

キリンは草食性で、アカシアの葉っぱや新芽などを食べています。

餌を摂る時間はだいたい決まっており、明け方か夕暮れに集中するようです。

キリンは最も血圧が高い動物

キリンは最も血圧の高い動物だと言われています。

キリンはその長い首のために、心臓から脳に血液を送るのに血圧が高くないと血液を十分に送ることができないのです。

また水を飲む際に頭をかなり下げないといけませんよね?

頭に血が上ったりしないのでしょうか。

これはキリンの首に秘密があります。

キリンの首の頸部の静脈には弁があり、これのおかげで血が逆流しないようになっているのです。

キリンは寝ない!?

キリンは寝ないという情報があります。本当なのでしょうか。

キリンは寝ないという事はありません。

ただ、寝ている時間がとても短いという事です。

しかも座ることもなく立ったまま眠り、眠っている時間はなんと10分とも20分とも言われています。

寝ている間に襲われないように、とは言ってもさすがに寝なさすぎですよね。

キリンにとって長い睡眠は必要ではなく、少しの間仮眠をとる程度で大丈夫なようですね。

キリンの脚や首が長い理由は?

どうしてキリンの脚や首はこうも長くなってしまったのでしょうか。

それにはちゃんと理由があります。

その昔、キリンの先祖の脚や首は決して長くはなく、動物としてはごく一般的な長さでした。

現在でいうところの、馬のような姿をしていたと考えられています。

キリンの祖先はかつて森の中で生活をしていましたが、やがて草原に出て暮らすようになりました。

草原では森の中とは違い、肉食動物も数多く存在し、天敵に見つかってしまう確率も高いです。

また森とは違い、だだっ広いですのでかなりの移動も強いられます。

その為、足が長く発達しました。

足が長いと、その分長いストライドで速く走る事ができ、逃げる際にも有利ですからね。

次に首ですが、これは高い所の葉っぱが食べられるように、と言われることが多いようですが、そんな単純な事でもないようです。

簡単に言うと、敵を落ち速く発見できるように、さらには立ったまま水が飲めるように首が長く進化したと言われています。

首が短いと、脚を折り曲げてかがむようにして水を飲まなくてはいけませんよね?

そうしている間に天敵に見つかってしまっては大変です。

また、高い木の葉っぱを食べるためにも長い首は役立ちます。

餌が少なくなっても、食べられる餌の幅が広い分、有利だという事です。

以上の事から草原では首が短いと生きていくためには何かと都合が悪かったというわけですね。

キリンが草原に出てきて間もない頃は、首が長いキリンと首が短いキリンの両方が存在していたとされています。

しかし首の短いキリンは草原で生きていくのは難しく、次第に数を減らしていき、ついには姿を消してしまいました。

そして現在、首の長いキリンのみが生き残ったというわけです。

まとめ

キリンの首が長いのは、広い草原で生きていくために便利だったからなのですが、その理由が高い所の葉っぱを食べるためだけという単純な理由ではないのです。

立ったまま水が飲めるように、また遠くの敵をいち早く発見できるように、など様々な理由があって現在のキリンのような長い首になったと言われています。

長い首を持っている分、キリンの首のつくりには特殊な仕組みが多々あります。

こうしてみると、野生動物の進化にはちゃんと理由があり、その面白さが伺えますよね。