ヌー

ヌーと言えば思い浮かべるのが「大移動」だと思います。

映画「ライオンキング」でも、ヌーの大移動のシーンが何とも印象的で、迫力満点でしたね。

またヌーの大移動と言えば、川を大群で渡るシーンも、よくテレビなどで見ることがありますよね。

なぜわざわざ危険な川を渡る必要があるのでしょうか。

今回はそんなヌーの大移動について焦点を当て、その理由を詳しく調べてまとめてみました。

 

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大移動をするヌーとしないヌーがいる

ヌーには大きく分けて2種類がいるのをご存知でしょうか。

その2種類とは

  • オグロヌー
  • オジロヌー

です。

そして大移動をするヌーはオグロヌーのみなのです。

違いは名前そのままで、尻尾が黒いか白いかの違いで見分けることができます。

オグロヌーはオジロヌーよりも大きく、大きいものでは体重300kgにも登るものもいるようです。

オジロヌーは大きくても体重180kg程度にしかなりません。

またオジロヌーは人間の家畜との競合により生息数が激減した過去があり、野生個体は20世紀前半に既に絶滅してしまっています。

現時点では農場で飼育されていた個体が保護され、生息数は増加していますが、野生個体が絶滅してしまった事には変わりはありません。

 

ヌーが大移動をする理由

なぜヌーは大移動をするのでしょうか。

それは「食料があるところと水場を求めているから」に他なりません。

ヌーの生息している地域は日本のように四季がなく、雨が降る雨季と雨が降らずに太陽が照り続ける乾季があるのです。

そのまま一ヵ所に留まっていれば、乾季によって食べ物はなく、水場は干上がってしまい、全滅してしまう事になります。

生息しているヌーというヌーがすべて移動しますので、その数なんと100万頭にも登ると言われています。

 

ヌーの移動する時期と回数は?

ヌーの移動は年に2回行われます。

すなわち雨季と乾季の変わり目ですね。

その時期とは、日本でいうところの春と秋になり、4月~6月に一回、そして10月~12月に一回ですね。

移動距離は片道1000キロとも1600キロとも言われていますから、相当なものですよね。

 

ヌーは嗅覚がとても優れており、どこで雨が降っているのかを匂いで分かると言います。

雨があるところには餌となる草がたくさん生えていますから、雨が降っている場所を目指せばよいわけですね。

 

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なぜ危険な川を渡るのか

ヌー

ヌーがわざわざ危険な川を渡るのはなぜでしょうか。

川には天敵となるワニも潜んでいますし、川を渡るのは相当な体力を消耗します。

また溺死するヌーも少ないくないですし、ケガをしたり骨折をしてしまうヌーもいるのです。

一説には川渡りをするのは、陸を行くと肉食動物に狙われ、逃げるように移動しなければならないから、という説がありますね。

他には人間の作った施設によって行く手を塞がれ、仕方なく川を渡るルートを取らざるを得ない状態になってしまっている、というものですね。

詳しい理由は今もなお分かっていない、という事でしょうか。

現地にはヌーの川渡りを見るためのツアーなるものまで存在します。

でもそれが自然のものではなく、人間の手による結果であるのであれば、人間のせいで危険な川を渡らないといけないのであれば、何だか罪悪感さえ感じてしまいます。

 

川で大量死するヌー

川では毎年たくさんの夥しい数のヌーが死んでいきます。

その死体は自然を育む結果になっていたというのです。

川で命を落とすヌーの数は年間およそ6000頭。

体重を合わせると、1000トンを超えるのだとか。

ヌーの骨が完全に分解されるまでにかかる年数は、なんと7年。

その際に骨の表面には微生物の膜があり、これが川の魚の餌になるのです。

こうして長い年月をかけてヌーの死体が分解されていく事によって、生態系の維持に一役買っているというわけです。

ヌーの大量死は生態系維持のためにはある意味なくてはならない事でもあり、ヌーの数が激減してしまうと、川の生態系に及ぼす影響は相応なものになる事でしょう。

 

まとめ

ヌーには大きく分けてオグロヌーとオジロヌーの2種類がいます。

大移動を行うヌーはオグロヌーの方で、野生のオジロヌーは既に絶滅してしまっています。

ヌーが大移動するのは食料を求めての事であり、移動の時期は雨季と乾季の変わり目、年に2回です。

わざわざ川を渡るのは、陸上の猛獣から逃れるためとも、人間の作った施設のために川を渡るしかないから、とも言われています。

大量のヌーが川で命を落とします。

このヌーの死体が分解される過程で、川の魚の餌になるなど生態系維持に必要不可欠になっているのです。

ヌーの数が激減してしまうと、かなりの生態系への影響が出そうな気もしますよね。