夏祭りで人気がある金魚すくい。
誰もが一度はやった事があるかと思います。
金魚を取ってきたらどのように飼育しているでしょうか。
水槽?
金魚鉢?
色んな飼育方法がありますが、ブクブクを入れて飼育している人、入れていない人、いろいろだと思います。
そもそもブクブクって必要なのでしょうか。
今回は金魚の飼育におけるブクブクの必要性や、ブクブクの本来の意味について詳しくご紹介していきたいと思います。
ブクブクは必要?
結論からいうと、「金魚の飼育にブクブクは必ずしも必要ではない」です。
ですがハッキリ言って、ブクブクは入れておく事に越したことはありません。
では一体ブクブクの存在意義とはなんなのでしょうか。
ブクブクは酸素補給のため?
一般的に言われているのは、ブクブクは酸素を供給するために入れるというものですね。
これはかなり有名だと思います。
確かにブクブクを入れると酸素供給がされるので、その解釈は間違ってはいません。
ただ、酸素供給そのものはそんなに重要な事ではないのです。
酸素自体はブクブクが無くても、自然と水面から水中に溶け込みますので、ブクブク無しでも金魚は酸欠になる事はそうそうありません。
では他にどんな意味があるのでしょうか。
ブクブクはフィルター
ブクブクと言われているのは、実際には「投げ込み式フィルター」と呼ばれている、ろ過フィルターの一種なのです。
水槽にはいろいろなフィルターが使用されますが、この投げ込み式フィルターはそのまま水中にドボンと投入するだけで使用可能です。
とてもお手軽なフィルターとして活躍してくれます。
フィルターの役割
フィルターの役割とは「飼育水の浄化」にあります。
生体を飼育していると、排泄物や餌の食べ残しから猛毒のアンモニアが発生します。
この猛毒のアンモニアは水槽内に住み着いたろ過バクテリアによって、毒性の低い亜硝酸、そしてやがては毒性の低い硝酸塩に分解されます。
このろ過バクテリアが住み着くのが、ブクブクなどのろ過フィルターの中のろ材なのです。
ブクブクが無いと、ろ過バクテリアがたくさん住み着く事ができず、ろ過能力が低下します。
すると猛毒のアンモニアが硝酸塩に分解されずにずっと水中に残る事になり、徐々にアンモニアの量が蓄積されて増えていきます。
こうなると、金魚はアンモニアで汚染された飼育水に耐える事が出来ずに死んでしまうのです。
また、アンモニアで汚れた水であっても、目で見て分かるものではありません。
ですから奇麗な水に見えても金魚が死んでしまうのは、こうした理由があるのです。
短期の飼育であればブクブクなしでも飼育する事はできますが、時間が経てば経つほど金魚にはつらい環境になりますので飼育はできなくなっていきます。
ブクブクなしで飼育するには?
それでもブクブク無しで飼育したい!という場合もあるかもしれませんね。
飼育スペースが少ない、あくまでも金魚鉢などの容器で飼育したいと言った場合がそれに当たりますね。
なお、金魚鉢で金魚を飼うべきではない理由については、以下の記事で詳しくご紹介していますので、ぜひご覧ください。
ブクブク無しで飼育するには、フィルターの役割である「水の浄化」を手動で行わないといけません。
水の浄化を行う方法は一つだけです。
それは「水換え」ですね。
金魚は水を汚すのがとても早い魚である事でも有名です。
フィルターがない容器で飼育する場合、すごい早さで飼育水が汚れていきます。
もちろん水量が少ない金魚鉢などではさらに汚れるのが早くなります。
金魚が耐えられる水質を維持できるように、水換えを頻繁にしなければいけないのです。
自然の浄化システムを作り出す方法
自然の生態系を小さな容器の中に再現する、「ビオトープ」という飼育方法が今注目を集めています。
ビオトープの中には土や水草、石や流木などを入れてまるで自然がそこにあるかのようにレイアウトします。
するとろ過バクテリアが自然に住み着き、生体の排泄物から出るアンモニアを分解、水草がそれを養分にして生長し、光合成を行い酸素を供給するといった自然のサイクルが出来上がります。
この中であれば金魚をブクブク無しで飼育する事は可能です。
しかしこのようなサイクルが出来上がるには、それなりの時間がかかるため、手間が掛かります。
またビオトープでは多くの金魚を飼育するのは難しく、数匹の飼育しかできないでしょう。
まとめ
ブクブクは酸素供給の役割の他にも、水質浄化という重要な役割があります。
ブクブク(フィルター)が無いと水質が悪化した飼育水を頻繁に水換えする事によって水質を維持しなければいけません。
またビオトープを構築する事でもブクブク無しで飼育する事が出来るようになりますが、ビオトープを立ち上げるには時間がかかります。
ブクブクはとても安価に入手することができますし、とてもお手軽に導入できますのでブクブクは入れておいた方が安心安全に金魚を飼育できますよ。