カブトムシの中でも世界最大級の大きさを誇るヘラクレスオオカブト。
愛好家たちもたくさんいて、その人気は留まるところを知りません。
そんなヘラクレスオオカブトですが、どのように飼育すれば良いのでしょうか。
特に重要になる、幼虫の飼い方についても詳しく調べてまとめてみました。
目次
ヘラクレスオオカブトとは?
ヘラクレスオオカブトの特徴については、以下の記事で詳しく紹介していますので、ぜひご覧ください。
ヘラクレスオオカブトの成虫の飼育
ヘラクレスオオカブトの成虫の飼育方法や注意点を順番にみていきましょう。
単独飼育が基本
ヘラクレスオオカブトの成虫の飼育方法は、基本的に単独飼育になります。
体の大きさも平均130㎜くらいありますので、複数匹の飼育はそもそも難しいものがあります。
また、オス同士では必ずといっていいほどケンカが勃発しますので、オス同士の複数飼育は避けましょう。
餌
市販されている昆虫ゼリーを与えておけば問題ありません。
メスの場合は特にそのまま与えても良いのですが、オスの場合は角が異常なくらいに長いですので、そのままではゼリーが食べづらいこともあります。
ケースの端っこに設置してしまうと、角が邪魔で食べられないと言った事態が起こります。
ゼリーはケースの中央部分に設置するようにしましょう。
またゼリーのフィルムはすべて剥がさず、十字にカットしておくだけで十分です。
こうすることでゼリーにマットが入り込みにくくなり、マットやケース内が汚れるのを防ぐことができます。
十字カットしても、問題なく食べられますので心配は要りませんよ。
繁殖させる場合、メスには高タンパクのゼリーを与えるようにすれば上手くいく可能性が高くなります。
高タンパクゼリーも市販されていますので、状況によってゼリーを使い分けると良いですね。
昆虫ゼリー プロゼリー(18g 80個入り) カブトムシ・クワガタ用 高タンパク!硬め仕上げ!ブリードに最適! 関東当日便 |
ケース
ケースは大きいサイズのものがおススメです。
特にオスは100㎜以上になりますので、ある程度動き回れるくらいのケースがおススメです。
できれば大プラケースがあればよいですね。
ニッソー プラケース 大 仕切り板付き(369×216×249mm) 虫かご飼育容器 昆虫 カブトムシ クワガタ 金魚 メダカ カメ等 関東当日便 |
マット
マットはカブトムシ用の飼育マットを使用しましょう。
カブトムシ用マットは市販されています。
止まり木
転倒防止のために、止まり木を入れておくと良いですね。
成虫の飼育温度
成虫の場合の飼育温度は20℃~30℃くらいの間で飼育可能です。
繁殖させる場合は25℃くらいで飼育すると上手くいくようですね。
ヘラクレスオオカブトの繁殖
ヘラクレスオオカブトの繁殖は比較的容易に行えます。
ペアリング
ペアリングは完全に成熟したオスとメスを選んで行いましょう。
特にメスは完全に成熟していないと交尾、産卵に成功しません。
メスが嫌がるようなら未成熟である可能性が高いです。
羽化後3か月を経過した個体であれば成熟していますので、一つの目安にしてください。
ちなみに野外採集個体のメスであれば、すでに交尾を済ませている可能性が高いので、そのまま産卵ケースに入れると産卵することもあります。
また交尾をすると寿命が次第に短くなっていきますので注意しましょう。
ペアリングはメスが潜れないくらいのマットを敷いたケースにオスとメスを入れます。
メスにオスをかぶせるように置くとすぐに交尾を行います。
これをハンドペアリングと呼びます。
普通に一緒に入れておくだけでも構いませんが、最低一週間は一緒にしておきましょう。
産卵セット
カブトムシ用マットを使用し、できるだけ大きなプラケースを用意します。
ケースの半分は固めにマットを敷き、半分は軽めに詰めるようにします。
ケースの8分目くらいまでマットを入れたら、メスを入れましょう。
ケースには転倒防止のために止まり木を入れておきましょう。
餌のゼリーは高タンパクのゼリーを入れておきます。
ゼリーは切らさないように日々確認するようにしてください。
この状態のまま、約1か月飼育します。
1か月経過したらメスを取り出してください。
これ以上産卵させると、産んだ卵をメスが傷つけてしまう事があるのです。
メスを取り出したら、乾燥に注意しながらさらに2週間ほど放置します。
あまり早く取り出すと卵や幼虫の死亡率が高くなってしまうので注意しましょう。
ヘラクレスオオカブトの幼虫の飼育方法
ヘラクレスオオカブトの最大の魅力でもある、「大きさ」が決まるのは幼虫の期間にどれだけ大きくなれたか、で決まります。
成虫になってからでは体の成長は止まりますので、幼虫の間にたくさん食べて大きくなってもらわないと小さい成虫になってしまうのです。
マット
幼虫にはカブトムシ用マットが必須になります。
幼虫にとってのマットは、潜って身を隠すためのものでもあり、餌でもあるのです。
良質なマットをたくさん食べさせて、成長させる事がヘラクレスオオカブトの幼虫飼育で最も大切なのです。
幼虫の飼育容器
産まれたばかりの小さな幼虫であれば、プリンカップで飼育すると良いでしょう。
今では昆虫用にプリンカップが販売されてます。
何でもあるものですね(笑)
幼虫も一つの容器に一頭ずつの飼育を行います。
複数頭の飼育は、他の幼虫に傷をつけられて死んでしまう事もありますのでやめておきましょう。
大きくなってくれば、プリンカップでは小さいですので、大きめのブロー容器に移して飼育します。
ブロー容器もサイズが様々です。
まずは小さめの容器からスタートし、徐々に大きい容器に移し替えるのが良いです。
マット交換
ヘラクレスオオカブトの幼虫飼育で重要になるのは、定期的なマットの交換です。
幼虫はマットを食べ進んで大きくなりますので、次第にマットは傷んでいき糞が目立つようになってきます。
目で見てマットが傷んできたら、マットを交換していきましょう。
マットの交換は4回~5回くらいが目安になるでしょう。
羽化までの期間はオスで1年~1年半、メスの場合は1年くらいが多いですね。
もちろん飼育温度によっても羽化までにかかる期間は異なりますので、あくまでも目安です。
またメスであれば、そのままブロー容器のまま羽化まで持っていく事ができますが、オスの場合は蛹になると角が伸びますので、ブロー容器では羽化不全になってしまう可能性もあります。
オスかメスかの判別は早い段階で済ませておき、オスの幼虫は最終的にはプラケースに移し、羽化させる方が無難です。
幼虫の飼育温度
幼虫の飼育温度は26℃程度が適当だと言われています。
低温飼育だと、幼虫の期間が長くなってしまい、その分たくさんマットを食べて大きくなるのかと言えば、そういうわけでもありません。
マットを必要以上に消費するだけで、良い事はほとんどないと言われています。
また高温すぎると成熟が早まり、幼虫の期間が短くなってしまうので、結果小さな個体が羽化してしまうという残念な事になってしまいます。
まとめ
ヘラクレスオオカブトは、カブトムシの中でもとても高価な種類ではありますが、同時に特に飼育しやすく簡単だと言われています。
世界最大のカブトムシとしては、やはり大きな個体を羽化させることが醍醐味ですよね。
一度挑戦してみてはいかがでしょうか。