よく似ているとされるヒヨドリとムクドリ。
パッと見てどちらがヒヨドリでどちらがムクドリか分からなくなることもあります。
ヒヨドリとムクドリの違いは何なのでしょうか?
両者の特徴、飼育が出来るかどうか、違いを見ていきます。
目次
ヒヨドリってどんな鳥?
ヒヨドリは、スズメ目ヒヨドリ科に属する留鳥です。
ヒヨドリの生態
ヒヨドリは、森林、市街地、農耕地に生息しています。
ヒヨドリは、飛行の仕方が変わっていることで知られています。
それは、「数回羽ばたいては停止し失速するとまた羽ばたく」というものです。
そのため、飛ぶ軌道は波形になります。
ヒヨドリの特徴
ヒヨドリの特徴は、黒いくちばしと足です。
意外かも知れませんが、ヒヨドリは知能が高く、カラス次ぐ知能があるとされています。
頬には褐色の模様があります。
全長は28cmほどで、スズメよりも大きめです。
ヒヨドリの鳴き声
ヒヨドリはの鳴き声は、「ヒーヨ、ヒーヨ」と鳴きます。
「ヒヨドリ」という名前は、この鳴き声から付けられたとも言われています。
ヒヨドリの寿命
ヒヨドリの寿命は、野生では4年から5年くらいだと言われています。
ですが、動物園などの人間の管理下での寿命は8年ほどです。
やはり、天敵に襲われる心配がなく餌も用意してもらえる環境では寿命も延びる傾向があるのですね。
ヒヨドリの餌
ヒヨドリは、昆虫、果実、花の蜜などを食べています。
なお、昆虫は繁殖期のみに食べるようで、それ以外は柿などの果実や花の蜜などを食べています。
ヒヨドリは、餌を見つけたら他の鳥に取られないように追い払う食に貪欲な一面があります。
特に糖分を好むようで、栽培してあるみかんやいちごなどを食い荒らしてしまうため、農家からは嫌われて害鳥扱いされています。
現に、狩猟しても良い「狩猟鳥」の指定を受けています。
そのため、ヒヨドリを捕獲して調理する人もいるそうで、焼き鳥やスモークチキンがオススメだそうです。
※ヒヨドリの捕獲には「狩猟免許」が必要です!
ヒヨドリはなつく?
平安時代、ヒヨドリの飼育が貴族の間で一大ブームになったことがあります。
理由は、ヒヨドリが飼い主によくなれ、飼い主を覚えることが出来たから。
名前を付けて可愛がり、品評会のようなことが行われていたようです。
ヒヨドリは飼育できる?
平安時代に貴族の間で一大ブームになったヒヨドリの飼育。
1000年後の現在で飼育することは出来るのでしょうか?
答えは「NO」です。
ヒヨドリは、野鳥です。
そのため、「鳥獣保護法」により、野鳥の飼育は禁止されています。
例外的に、怪我などで弱っている個体を保護することは出来ますが、傷が癒えたら放鳥しなくてはなりません。
ムクドリってどんな鳥?
ムクドリは、スズメ目ムクドリ科に属する留鳥です。
ムクドリの生態
ムクドリは、農耕地や市街地に生息しています。
中には雨戸の戸袋や建物の排水口などにも巣を作る個体もいます。
都市部でも集団で群れを作っているため、騒音や糞の被害などで問題になっています。
そのため、ムクドリは駆除の対象に指定されています。
ムクドリも食べることが出来ますが、レバーのような味がするそうです。
※ムクドリもヒヨドリ同様「狩猟免許」が必要です!
ムクドリは、集団になって飛ぶ習性がありますが、仲間同士がぶつからない絶妙な感覚を開けて飛ぶことが出来ます。
飛行中に何らかのセンサーのようなものを発してぶつからないようにしているのではないかと考えられていますが、詳しいことは分かっていません。
ムクドリの特徴
ムクドリの特徴は、黄色のくちばしと足です。
頬には白い模様があります。
全長は24cmほどで、ヒヨドリよりも小さいです。
ムクドリの鳴き声
ムクドリの鳴き声は、「キュル、キュル」と鳴きます。
前述した通り、群れになる習性があるため、鳴き声が騒音問題になっています。
ムクドリの群れは1000羽ほどになりますが、1000羽が一斉に鳴いたときの音の大きさが何と80dB!
これは、テレビの音を大音量で流したときや怒鳴り声と同じレベルです。
いかにムクドリが集団になると騒々しいかがよく分かると思います。
ムクドリの寿命
野生でのムクドリの寿命は、7年くらいです。
ヒヨドリより少し長生きするようですね。
ちなみに、動物園などの人間の管理下では8年ほどです。
ムクドリの餌
ムクドリは雑食性で、昆虫や果実を食べています。
ちなみにですが、一説によると椋の実を好んで食べていたから「ムクドリ」と呼ばれるようになったとも言われています。
ムクドリはなつく?
なつくかどうかは個体差がありますが、野鳥は基本的に警戒心が強いです。
なれさせようとするのであれば、時間がかかることは覚悟しなくてはなりません。
ムクドリは飼育できる?
ムクドリは、ヒヨドリと同じように野鳥であるため、飼育は禁止されています。
ヒヨドリと同じように保護は出来ますが、いつかは自然に還す日が来ることを忘れないで下さいね。
ヒヨドリとムクドリの違いまとめ
最後に、ヒヨドリとムクドリの違いを箇条書きでご紹介します。
・ムクドリよりもヒヨドリの方が大きい。
・ともにスズメ目に属するが、ヒヨドリはヒヨドリ科、ムクドリはムクドリ科に属する。
・ヒヨドリの足とくちばしは黒だが、ムクドリの足とくちばしは黄色。
・ヒヨドリの鳴き声は「ヒーヨ、ヒーヨ」、ムクドリの鳴き声は「キュル、キュル」。
・野生ではヒヨドリよりムクドリの方が少し長生きする。
・ヒヨドリとムクドリならヒヨドリの方が美味しいと言われている。
ヒヨドリとムクドリ、それぞれの特徴、違いを見てきました。
よく似ていると言われるヒヨドリとムクドリですが、調べてみるとそれぞれに違いがあることが分かったと思います。
ヒヨドリとムクドリの見分けに役に立てば幸いです。
ヒヨドリの足とくちばしは黒だが、ヒヨドリの足とくちばしは黄色。
これは誤植ですね?どちらもヒヨドリになっています。
本当ですね、ご指摘ありがとうございます。
訂正しておきました。