
海をゆらゆらと漂い、種類によってはとてもきれいな色をしているクラゲ。
水族館などでも展示されていて、きれいな種類のクラゲを見ているとついウットリ眺めてしまいますよね。
そんなクラゲですが、海水浴の時期にもなると刺されるといった事故が多発し、クラゲの大量発生もしばしば話題になっています。
日本にはいったいどれくらいのクラゲの種類がいるのでしょうか。また危険なクラゲはどのようなものがいるのでしょうか。クラゲの大量発生のメカニズムも併せてご紹介していきます。
目次
クラゲの種類
クラゲは6億年も前から地球上に存在し、体はゼラチン質です。
なんとクラゲはイソギンチャクやサンゴの仲間なのだそうですよ。クラゲは世界中に3000種類以上も存在しており、日本でも約200種類のクラゲが生息していると言われています。
では日本で見られる代表的なクラゲを順番に見ていきましょう。
ミズクラゲ
私たちに最も馴染みのあるクラゲがこのミズクラゲではないでしょうか。
傘の直径は15㎝~30㎝くらいあり、日本近海で普通に見ることができます。
毒はあるのですが、ほとんど痛みも感じないのが特徴的で、刺されたのに気付かないということも多いと言います。
ちなみにミズクラゲは飼育することもできるクラゲとしても知られています。
アカクラゲ
名前の通り色が赤っぽく、触手の長さが2mにもなるのが特徴的です。
とても強い神経毒をもっていて、刺されると強い痛みを感じますので注意が必要です。
また長い触手は切れやすく、乾燥して空気中に漂っている刺糸を吸い込むとクシャミが出ることから、ハクションクラゲとも呼ばれています。
刺されるとやけどのような痛みがあり、ミミズ腫れや水ぶくれ、ひどい場合には呼吸困難に陥ることもあります。
14℃以下の水温を好む¥みますので、アカクラゲが発生する時期は11月~5月です。
一般的なクラゲの発生時期と異なるのが特徴的で、サーファーなどが被害に遭うのが大体このアカクラゲです。
打ち上げられたアカクラゲでも刺されますので触らないようにしましょう。
カツオノエボシ
見た目が青いビニール袋に似ているのが特徴的です。
刺されると電気ショックを受けたような痛みが走りますので、電気クラゲとも言われています。
痛みが長く続き、二度目に刺されるとアレルギー症状を引き起こし、最悪の場合死亡する危険性もあります。
カツオノエボシの場合は多くの場合が打ち上げられているクラゲに刺されることが多いと言われています。
直径10㎝ほどしかないので、青いビニール袋のようなものを見かけても触ってはいけません。
ハブクラゲ
直径10㎝程度のクラゲですが、名前の由来の通りに毒ヘビで知られているハブの毒のおよそ1.5倍の猛毒を持っている非常に危険な種類とされているクラゲです。
沖縄や奄美大島などの暖かい海域に生息しています。刺されると激しい痛みが生じ、ミミズ腫れや水ぶくれ、最悪の場合呼吸困難に陥り、心肺停止になることもあります。
アンドンクラゲ
毎年お盆の以降の時期にクラゲが多くなると言われているのは、このアンドンクラゲがその時期に多く発生するからです。
直径はわずか2㎝~3㎝くらいしかなのですが、触手は20㎝にもなります。
非常に小さく透明のため、気付いたら刺されていたという場合が多いです。
刺されるとピリッとした痛みが走り、ミミズ腫れになります。
大事に至るようなことはありませんが、ミミズ腫れは数週間残ります。
小さいながらも遊泳力があるクラゲですので、関西以南で発生したものでも黒潮に乗って北海道まで到達します。
クラゲ大量発生の時期には原因がある
クラゲは特にお盆の時期になると大量発生するようになると言われていますよね。
ではどうしてその時期になると大量発生するのでしょうか。
それにはちゃんと理由があったのです。
クラゲは小さいイソギンチャクのような幼体(ポリプ)から発生します。
ポリプが大きくなって私たちの目に留まるようになるまでには、約2か月くらい掛かるとされています。
この2か月間というのが6月~8月なのです。
クラゲが浅瀬に来るのはなぜ?
ではクラゲが浅瀬にまでよく現れるのはどうしてでしょうか。
よく打ち上げられたクラゲを見かけますが、どうしてわざわざ打ち上げられやすい浅瀬にまでくるのでしょうか。
わざわざ死にに来るようなものですからね。それにもちゃんとした理由があったのです。
クラゲは比較的暖かい水温を好む傾向があります。
一部のクラゲは低温度帯を好みますが、大抵のクラゲは20℃~30℃くらいの温度帯を好むと言われています。
海面に近い浅瀬になれば海水温度が上がりますので、浅瀬にまで現れるのですね。
クラゲの発生時期はいつまで?
クラゲが発生する時期は大体10月くらいまでが多いとされています。
これにも理由があって、これも海水の温度が原因なのです。
海水温度が上昇するのは、地上の温度が徐々に海水に伝わって上昇します。
しかしこれには少々タイムラグのようなものがあり、地上の温度が海水に伝わるには約2か月くらい掛かると言われているのです。
つまり地上の温度のピーク時期が8月だとすると、海水の温度のピーク時期はおよそ2か月後の10月という事になりますね。
このことからクラゲが主に発生する時期というのは、海水の温度が上昇しやすくなる8月~10月頃がピークになるというわけです。
しかし近年では温暖化などの影響によって、クラゲの発生時期が早まったりもしているそうですね。
クラゲの飼育
クラゲは飼育することができます。飼育方法は簡単ではないですが、一番簡単に飼育できる方法に関しては以下の記事で詳しく紹介していますので、ぜひご覧ください。
まとめ
クラゲはちゃんとした理由があって毎年決まった時期に発生していたんですね。
また私たちの身近にいるクラゲでも、毒性が強いものやそれほど毒性が強くないものまで様々な種類のクラゲが生息しています。
クラゲに刺されるのは決して海で泳いでいる時に限ったことではありません。
浜に打ち上げられているクラゲを踏んでしまったり、触ってしまうことによって刺されてしまうケースが結構多いのです。
クラゲの特徴として、死んでいるクラゲであっても刺糸はちゃんと機能していて、死体に触れても刺されるということがあります。
青いビニールと間違えそうになるカツオノエボシなどは特に注意が必要ですね。
クラゲ対策としては、クラゲに刺されない対策をしっかりと行う事が大事ですが、もしも刺されてしまった場合にも決して慌てず、病院で診てもらう事をおすすめします。