カブトエビ

毎年夏になると、どこからともなく田んぼの至る所に現れ、いつしか姿を見せなくなるカブトエビ。

子どもの頃に捕まえて遊んだ思い出がある人も結構多い事かと思います。

そんなカブトエビですが、どんな生態をしていて、どこから突然現れるのか、不思議に思いませんか。

今回はカブトエビの生態や生息地について、また生きた化石として知られているカブトガニとの違いについても詳しく調べてまとめてみました。

 

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カブトエビってどんな生き物?

カブトエビは甲殻類に属している生き物で、何の仲間なのかと言われればミジンコの仲間であるという事ができるそうですね。

姿はカブトガニをそっくりそのまま小さくしたかのような姿をしています。

それもそのはずで、生きた化石として知られているカブトガニに似ているだけあって、このカブトエビも実ははるか太古から生きながらえてきた、まさに生きた化石とも呼べる生き物でもあるのです。

なんと2億年も昔の地層からカブトエビの化石が発見されているそうで、2億年といえば中生代ジュラ紀にあたります。

またカブトエビの祖先はあの三葉虫なんだそうですよ。

ちなみにカブトガニも同じくカブトエビと同じ時期に地球上に出現した生き物です。

 

カブトエビの種類は?

日本で見られるカブトエビは、アメリカカブトエビアジアカブトエビヨーロッパカブトエビの3種類です。

田んぼなどで最も多く見られるのはアジアカブトエビですね。

他にもオーストラリアカブトエビという種類もいるようですが、日本には生息していないようです。

 

カブトエビの生息地は?

生息地は主に田んぼなどの泥が多い水辺で、田んぼ以外だと一時的に水が溜まるような荒れ地に生息しています。

田んぼはまさにカブトエビからすれば、棲みやすい環境なのでしょうね。

カブトエビの分布は幅広く、ヨーロッパやアメリカアジアなど、至る所で見る事ができます。

どこにでもいそうですが、基本的に田んぼでしか見かける事がない・・ような気もしますが(笑)

 

カブトガニとカブトエビの違いは?

カブトガニ

カブトガニはエビやカニよりも、むしろクモに近いとされている生き物です。

甲殻類でさえないというわけですね。

対してカブトエビは前述の通り、エビに近しい仲間なのですが、最も近い仲間となるとミジンコなのです。

またカブトガニは硬い殻を持っていますが、カブトエビは甲殻類でありながら殻は柔らかく、どうも甲殻類らしさに欠けている特徴があります。

また大きさも全く違います。

カブトガニは大人一人が両手でようやく持てるほどの大きさと重さになりますが、カブトエビは4㎝~5㎝くらいの大きさであれば立派だと言われているくらいに小さいのです。

以上の事から、カブトガニとカブトエビは似て非なるものだという事が分かりますよね。

 

田んぼの草取り虫

カブトエビは時折、農家の人たちから「田んぼの草取り虫」と呼ばれて重宝されています。

カブトエビは雑食性で、植物質のものから動物質のものまで何でも食べますが、田んぼにおいての餌は稲の発育の妨げとなり得る雑草ですから、稲の発育を助けてくれるいわば益虫のような存在なのです。

 

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カブトエビの寿命は?

カブトエビってどこからともなく湧いて出て、気付くといなくなっていると思いませんか?

実はカブトエビの発生には驚くべき秘密があったのです。

カブトエビは毎年5月~6月の田んぼに水が入る頃を見計らったかのように現れます。

実際にカブトエビの寿命はわずか1か月くらいと短命なのですが、この1か月の間にものすごい速度で成長する特徴があるのです。

 

カブトエビの成長が凄い!?

カブトエビの卵は針の先ほどしかない、まさに顕微鏡でしか見えないような大きさなのです。

この卵は乾燥した田んぼの土の中にずっと眠っていて、いわば仮死状態になっているのです。

カブトエビは何年間もずっと卵のままで居続けることができる能力があり、この応力こそが氷河期をも乗り越え、現代にも生き続けている秘密なのです。

卵は乾燥した土壌の中では仮死状態ですが、ここに水が張られると、たちまち卵が次々と孵化し、成長していきます。

水が入るとわずか2,3日で卵が孵化します。

ここからがカブトエビの凄いところで、1㎜にも満たないような大きさのカブトエビの幼生は20回もの脱皮を繰り返してわずか2週間ほどで4㎝ほどにもなるのです。

そして孵化から1か月ほどで産卵し、その命を終えていきます

ちなみにカブトエビは雌雄同体という特徴を持つので、単体で産卵して繁殖することができるのです。

こうしてみてみると、カブトエビってものすごく生き急いでいる、という感じがしますよね。

 

カブトエビの飼育

カブトエビはとても簡単に飼育することができる事でも有名です。

夏休みの自由研究用に飼育セットも販売されているくらいですので、だれでも簡単に飼う事ができるのです。

用意するものはカルキ抜きをした水と、飼育容器、泥ですね。

飼育セットを使うのなら、付属のものだけで飼う事ができます。

田んぼなどで捕まえた場合は、その田んぼの泥や水を一緒に採取しておくと良いでしょう。

幼生の間の餌は水の中の微生物を食べて育ってくれます。

大きくなってくれば金魚の餌などでも飼育することができますよ。

飼育する水の水温は20℃~25℃くらいであれば問題なく飼育できます。

あまりに温度が上がり過ぎないように、直射日光には注意が必要ですね。

1か月でカブトエビは命を終えますが、卵が残りますので、乾燥した泥にいれておくと、また水を張った時に次の世代を飼育することができますよ。

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まとめ

カブトエビはカブトガニとは似ていますが、全く違う生き物として分類されています。

どちらも2億年も昔から種を残してきている、まさに生きた化石とも呼べる生き物です。

カブトエビのライフサイクルはとても早く、卵が孵化してから産卵するまでの寿命はわずか1か月しかありません。

飼育はとても簡単で、飼育セットが販売されているくらいですので、誰でも簡単に飼う事ができます。

夏休みの自由研究にもとてもおススメのカブトエビ。

カブトエビの成長の凄さを改めて見てみるのも面白いですよね。