メダカは私たちにはとても馴染みのある魚ですよね。
学校の理科の授業でもメダカの飼育を行うことがあるかと思います。
メダカはとても丈夫な魚でもありますので、比較的飼いやすい魚でもあり、人気があります。また最も小さな淡水魚としても有名です。
しかしメダカがいくら丈夫で飼いやすい魚だとは言っても、適切な飼い方や、メダカを飼育する場合には抑えておくべき注意点やポイントなどもあります。
そこで今回はメダカの飼育方法や飼い方の注意点について調べてまとめてみました。
なお、飼育できるメダカの種類に関しては、以下の記事で詳しく紹介していますので、ぜひご覧ください。
目次
メダカの飼育に必要な環境
メダカの飼育に必要なものはどんなものでしょうか。
メダカの飼育に最適な容器は深さよりも面積の広さだと言われています。
具体的には水深が深い水槽よりも、水深が浅いタイプの発泡スチロールのようなものの方がメダカには適しているという事です。
しかしあくまでも水槽で飼ってはいけないというわけではありません。
メダカの飼育適正温度は?
メダカの飼育適正温度は25℃前後だと言われています。
メダカはとても丈夫な魚であると言いましたが、実はメダカはかなりの水温の温度差にも耐えることができる体を持っています。
適正温度こそあるものの、実際には5℃くらいの低温環境でも生きていける体を持っています。
高温であれば40℃くらいの水温でも生きていけるとさえ言われています。
しかし勘違いしてはいけないのは、あくまでもかろうじて生きていけるのであって、体にとても負担がかかるという事に変わりはないという事です。
メダカは一桁台にまで水温が下がると、冬眠をします。
しっかりと冬眠準備のできたメダカであればそのまま越冬できますが、体力が備わっていないメダカの場合は、そのまま越冬できずに死んでしまうことも多いのです。
必要な水量
メダカ1匹に必要な水量はおよそ1リットルと言われています。
これを目安にどれくらいの大きさの容器でどれだけのメダカが飼育できるのかを計算してみると良いでしょう。
あまり過密すぎると、メダカは縄張り争いをして小競り合いしまいます。
少しの小競り合いくらいなら当たり前レベルなのですが、ケンカが絶えない様子であれば、メダカの数を調整するか、飼育スペースを再度見直してみましょう。
また過密環境はメダカの成長促進にも悪影響ですし、産卵にも悪影響が出ます。
さらに酸素不足になったりと良いことがありませんので、十分注意しましょう。
大きく分けて3通りの飼い方がある
メダカの飼い方には大きくわけて3通りの飼い方があります。それでは一つずつご紹介します。
水槽で飼育する方法
水槽で飼育するのは向かない、といったばかりじゃないかと思うでしょうが、そうでもありません。
しっかりと環境さえ整えてあげられれば、水槽でもきれいなスタイルでメダカ飼育を楽しむことができます。
水槽で飼育する場合に注意すべきことは、「エアレーションの水流を出来るだけ弱くすること」です。
メダカは本来田園や流れの緩やかな小川に生息している魚ですから、強い水流は苦手です。
とてもストレスになってしまいますから、水流は弱めるか、初めから使わない方法で飼育することをおススメします。
水槽の底には泥や砂利、砂などを敷きましょう。
メダカは驚いたときには川床に潜り込む習性がありますので、潜れるような細かいものが良いでしょう。
水草も入れてあげると良いでしょう。水草にはいろいろな役割があります。
水草は水中に酸素を供給しますし、水中の汚れを分解してくれるバクテリアが住み着く場所にもなります。
水の浄化作用があるわけですね。さらにはメダカを繁殖させたい場合には、メダカの産卵の場所にもなりますので、水草はぜひ入れておきましょう。
水草はアナカリス、ホテイアオイ、カボンバなどがおススメです。とれも安価に購入できますので、導入してみましょう。
水草を入れる量は飼育する容器の大きさによって異なりますが、水面に浮かべて置くタイプの水草の場合はちょっと注意が必要です。
アナカリスやカボンバは、浮かべておくだけでどんどん増えてくれる水草です。
あまり多く入れすぎると、水中に光が届かずに、水中に植えた水草が枯れてしまうことにもなります。
植えるタイプの水草の場合ですと。メダカが隠れて見えないくらいに入れるのは明らかに入れすぎです。
発泡スチロールで飼う方法
そこまで水深の深くないタイプの発泡スチロールであればメダカの飼育に適しています。
発泡スチロール良いところは、水温の温度変化に強いところですね。それほど急激な温度変化がなく、緩やかですのでメダカにも負担がかかりにくく、ヒーターなど使わないのであれば、冬のメダカの飼育だけ発泡スチロールを使うという方法もおススメですね。
底には砂利や砂を敷いて置き、投げ込み式のエアーポンプを入れておき、水面には水草を浮かべておくだけで、メダカの飼育環境を作り出すことができます。
とても簡単なメダカ飼育方法としておススメですね。メダカ飼育専用の発泡スチロールも販売されているようですね。
ビオトープで飼育する方法
ビオトープと聞いて何かわからない人も多いかと思います。
ビオトープとはドイツ語なのですが、意味は「野生動植物の安定した生息地」という意味です。ある環境や空間に、そこにいる動植物たちで作り上げる生態系を再現するということですね。
近い用語にテラリウムという言葉がありますね。
つまり、メダカが生きていく自然な生態系サイクルを、人間の手である環境下において再現して飼育しようという方法ですね。
具体的な方法は、水鉢の中にメダカと水草を入れて生態系を再現するというものです。
メダカの糞が水草の栄養源になり、水草が酸素を発生させ、微生物が自然に発生し、それをメダカが食べるという自然な生態系サイクルが、水鉢の中で再現できるというものです。
ビオトープ方式で飼育している愛好家もとても多いです。
この方法はとても簡単ではありますが、注意すべきポイントもあります。
まずはビオトープは屋外飼育をする場合に用いる方法かと思います。
この場合、メダカの天敵になる生き物の侵入などに注意しなければいけません。鳥やトンボの幼虫のヤゴ、ゲンゴロウが代表的な天敵ですね。
水生植物とメダカの両方を楽しめる方法ではあるのですが、メダカの飼育という点だけで見れば、あまり長い時間は続かない方法であるとも言えますね。
メダカのための最初の水作り
メダカにとって最適な水質は弱酸性から弱アルカリ性が適しています。
水道水は中性ですから十分に使えます。しかし注意点として、カルキ抜きはしっかりと行ってください。
水道水に含まれる塩素はメダカにとって猛毒だと言われています。またサンゴ砂などは水質をアルカリ性に変えてしまう性質を持っています。
こうしたものを水槽に入れるのはメダカにとって良くありませんので注意しましょう。
またカルキ抜きが終わった直後の水は「新水」といい、バクテリアやプランクトンがほとんどいない状態ですので、まだメダカの飼育に使える水であるとは言えません。
一週間くらい経つとバクテリアやプランクトンが繁殖してきて、メダカにとってベストな状態の水になります。
バクテリア繁殖の補助として、市販のバクテリア繁殖促進剤を使用すると簡単に早くメダカに最適な水を作ることができますのでおススメです。
メダカの水換え
メダカは急激な環境変化に弱いので、過度な水換えは避け方が無難だとされています。
それほど水換えしなくても良いように、あらかじめ多めの水を入れて飼育るようにすると良いでしょう。
また水換えを行う場合は一気に行わずに、一度にコップ一杯分の水を入れ替えるようにしてください。
メダカの餌
メダカは雑食性ですので、大体のものなら何でも食べてくれます。
自然界ではミジンコなどの動物性プランクトン、ケイソウなどの植物性プランクトン、ボウフラなどの小型の水生昆虫を食べています。
飼育環境下においては、メダカ専用の餌が売られていますので、こちらを与えておけば問題ないでしょう。
餌はなるべく細かいものの方が食べやすくて良いとされています。
大きい粒のものは、指先でつぶしてから与えた方が食いつきが良くなるかと思います。
注意点としては、メダカが一度に食べきれる量を少量与えるという事です。
メダカを死なせてしまう原因の多くが、餌の与えすぎです。
餌を与えすぎると水質悪化に繋がり、メダカにとって良くありません。
1分以内に食べきってしまうようにコントロールすることが水質維持のためには大切なのです。
メダカの産卵と稚魚
なおメダカの産卵について、またメダカの稚魚の育て方については以下の記事で詳しくご紹介していますので、ぜひご覧ください。
まとめ
メダカの飼育は非常に簡単です。早い話、バケツのような容器でも飼育可能なくらい簡単に飼うことができます。
ただし、注意点もあります。メダカは強い水流に弱い魚です。エアレーションを使用する場合には強い水流が発生しないように配慮しましょう。
メダカは丈夫な魚ですので、少々の温度変化にも耐え抜く強さを持っています。
冬の間などは5℃しかない水温でも生きていける体を持っていますが、負担を掛けることに変わりはありませんので、適正水温である25℃前後に管理してあげると良いでしょう。
屋外で飼育する場合はビオトープという方法もあります。
この場合は外敵の侵入を防いだり、冬場の温度低下によるメダカの冬眠に注意しましょう。
メダカは冬眠できる能力がありますが、体力をしっかりと蓄えておかなければ、越冬できずにそのまま死んでしまうこともあります。
以上のことからメダカの飼育でおススメな方法は、バクテリアやプラントンを十分に発生させた水槽にメダカを入れ、水温を管理して飼育する方法かなと思います。
この方法であればメダカの観察もしやすいですし、何より餌はプランクトンが豊富にいますのでそれほど与えなくても勝手に食べてくれます。
あとは糞の処理をしっかり行い、水質悪化を防ぐようにすれば長くメダカの飼育を楽しめそうですね。