ヒョウとジャガーと言えば、どちらも大型のネコ科に分類されている猛獣ですよね。
知らないという人はほとんどいないはず。
しかし、ヒョウとジャガーを並べて見てみると、どっちがどっちだか見分けがつきますか?
もしかしたら「そう言えばよく知らない・・」という人も多いのではないでしょうか。
今回はそんなヒョウとジャガーの違いや、見分ける際のポイントを詳しくご紹介していきたいと思います。
ヒョウもジャガーもネコ科ヒョウ属
ヒョウとジャガーが似ているのは言うまでもありません。
どちらもネコ科であり、ヒョウ属に分類されている動物だからです。
ネコ科の猛獣は他にもライオンやトラ、チーター、ピューマなどがいますが、ヒョウやジャガーほど姿が似ていて見分けにくい、ということは無いですよね。
生息地の違い
ヒョウもジャガーも、そもそも生息地が全く違うという特徴があります。
ヒョウはアフリカ大陸を始め、東南アジアなどに渡って幅広く分布しており、もっとも繁栄しているネコ科の動物だと言えるかもしれませんね。
一方ジャガーはというと、分布しているのは南米のアマゾンのみという特徴があります。
アマゾンに限定されている事もあり、私たちにはヒョウほど馴染みのない動物と言えるかもしれません。
大きさの違い
ヒョウは体長100センチメートル~150センチメートル、体重30キログラム~90キログラムあります。
大型と言えば大型のネコ科の猛獣ですが、他の猛獣たちと比べるとやや小型だなという印象を受けるかと思います。
一方ジャガーの方はというと、体長120センチメートル~185センチメートル。体重は平均が約95キログラムくらいありますが、大型の個体だと体重130キログラムを超えるものもいるとの事。
ヒョウも大型ですが、ジャガーはもっと大型であるという事が出来ますね。
また、しっぽの長さも異なっており、見分ける指標の一つとなります。
ヒョウの方が尻尾が長く、100センチメートル以上の長さを持つものが多くいますが、ジャガーの尻尾はヒョウほど長くないのが特徴です。
大体50センチメートルから75センチメートル程度ですので、よく見ると両者の違いが分かる大きな手掛かりとなるでしょう。
体の柄の違い
ヒョウもジャガーも体によく似たヒョウ柄模様が入っているのが最大の特長ですよね。
ヒョウ柄を持っているネコ科の動物と言えば、ヒョウかジャガー、もしくはチーターくらいなもんです。
このうちチーターは模様が斑点模様をしていますし、体型がスリムですのでまず見分けられないという事はないでしょう。
問題はヒョウとジャガーですが、ヒョウもジャガーも梅の花によく似た花柄模様を持っています。
しかしこの花柄模様の真ん中をよく見れば両者を見分ける事は容易いです。
ヒョウは単に花柄なのに対して、ジャガーの花柄には真ん中に小さな点がいくつも入っているのが確認できます。
とは言っても、実際に目で見て分かる範囲にまで近づいて見ないと違いは分からないんじゃ、とも思いますが、はっきり区別するためには重要なポイントとなるのは間違いありません。
では、上の画像はヒョウでしょうか、ジャガーでしょうか。
・・答えは「ジャガー」ですね。
頭の大きさが違う!?
ヒョウとジャガーは生息地が異なりますので、自然と餌とする獲物も異なります。
ヒョウはインパラ等を餌としているのに対して、ジャングルに生息しているジャガーはワニや巨大ヘビのアナコンダ、硬い甲羅を持つカメ、時にはあの守りの堅いアルマジロでさえ獲物として捕らえて食べてしまうのです。
ライオンなどもそうですが、ヒョウは獲物を捕らえると喉元に噛みついて獲物を窒息死させてから食べます。
ジャガーとはこの獲物の仕留め方に違いがあります。
ジャガーはワニなどを仕留める際に、頭に噛みついて、強靭なアゴの力でかみ砕いてしまうのです。
ジャガーはネコ科の猛獣の中でも最大のアゴの力とパワーを持っていると言えるでしょう。
これらの特長から、ジャガーの頭はヒョウよりもがっしりした印象で、体に対する割合が大きいのが特徴です。
俊敏型とパワー型
ヒョウは捕らえた餌をハイエナやライオンに取られないように、木の上に運ぶなどしますのでより俊敏な印象です。
またサバンナの獲物も走るのが速いですので、ヒョウも走るのは得意な方だと言えます。
しかしジャガーの方は、走るのはあまり得意とは言えないようですね。
密林に生息する動物の中でも最強とも言えるジャガーには天敵もおらず、また獲物となる動物もそれほど俊敏ではありません。
こういった環境からも、ジャガーはあまり俊敏に走らなくても獲物を捕らえることができるので、動きが鈍いのではと言われています。
その反面、ワニなどの獲物を仕留めるために、強靭なアゴの力とパワーを手に入れるように進化したというわけですね。
ジャガーは無駄な争いはしない
ジャガーはアマゾンでも最強の支配者的な位置に君臨しており、敵はいません。
ですので、餌をめぐる争いも起きにくいのです。
狩りにジャガー同士が出会ったとしても、威嚇程度で終わり、無駄な争いはしない傾向にあるようですね。
南米にはピューマ(別名クーガーやアメリカラオン)と呼ばれるネコ科の猛獣が生息していますが、厳密にいうとジャガーとは生息地が異なる為、両者が出会う事はほとんどないそうです。
一方で生息域の広範囲なヒョウはライバルも多くて大変です。
サバンナではライオンの方が強くて餌を奪われたり、アジアの密林では同じネコ科のトラに捕食されてしまう事もあるそうです。
なお、ピューマやライオン、トラに関しては、以下の記事でも詳しくご紹介していますので、ぜひご覧ください。
まとめ
ではまとめてみましょう。
ヒョウよりもジャガーの方が大柄で、がっしりした体型で、頭も大きい特徴があります。
尻尾もヒョウよりもジャガーの方が短くて体の半分の長さくらいしかありません。
有名なヒョウ柄にも違いがあり、ヒョウのヒョウ柄は花びらだけであるのに対し、ジャガーの花びら模様の中には黒い斑点が確認できます。
どちらも生息域が完全に異なっており、ヒョウはアフリカから東南アジアにかけて分布、ジャガーは南米のアマゾンにのみ生息しているという違いがあります。
モヤモヤっとしていたこれら両者の違い。
こういった特徴を見てみると、ヒョウとジャガーの違いが少しは分かったような気がしませんか?