ミヤマクワガタというと、日本で見る事ができるクワガタムシの中でも、ノコギリクワガタと双璧をなすくらいに有名で、人気のあるクワガタムシですよね。
見た目もとてもカッコいい事から、強そうな個体を掴まえては戦わせたという思い出がある人も多い事だと思います。
今回はそんなミヤマクワガタについて、その特徴や生態、寿命や値段など詳しく調べてまとめてみました。
目次
ミヤマクワガタの身体的特徴は?
ミヤマクワガタの最大の特徴は、頭部にある耳状突起です。
これを持つクワガタムシは、ミヤマクワガタのみだとされています。
またオスの体の表面には細かい毛が生えていることが確認できます。
この毛はメスには見られないのですが、メスの腹部には薄く毛が生えてることから、他のクワガタムシのメスとも容易に区別することができますよ。
ちなみにこの毛は、羽化してから時間が経っている個体ほど徐々に失われていくという特徴もありますので、毛の有るか無いかでその個体が羽化後間もないのかを判断する基準にもなります。
ミヤマクワガタのその他の特徴として、擬死状態の取り方が他のクワガタムシとは異なります。
ノコギリクワガタやオオクワガタなどは、木を蹴って落ちてきた時など、脚を縮めて擬死状態(死んだふり)を取るのが一般的ですが、ミヤマクワガタの場合はこうした擬死状態にはならず、脚を伸ばした状態で擬死状態になります。
またはそのまま擬死状態にならずに、走って逃げ去ろうとする特徴があります。
ミヤマクワガタの大きさは?
ミヤマクワガタの大きさは大きい個体と小さな個体にずいぶん差が見られ、小さな個体だとわずか23㎜くらいしかありません。
平均的な大きさはおよそ60㎜前後だと言われています。
しかし大型の個体だと70㎜を超えるものも存在し、最大のものでは78㎜に達するものもいるのだとか。
オオクワガタにも決して引けを取らない体に成長する可能性を秘めている、大型のクワガタムシだと言えるかと思います。
ミヤマクワガタの生態と名前の由来は?
ノコギリクワガタの「ノコギリ」とは、大アゴがまるでノコギリのようにギザギザしている事に由来していました。
では、ミヤマクワガタの「ミヤマ」とは一体何でしょうか。
それは「深山」が正解なのです。
ミヤマクワガタはクワガタムシですので、暑い夏が大好きというイメージを持っている方も多いことかと思います。
しかしこれは間違った知識で、涼しいところを好むクワガタなのです。
実際にミヤマクワガタが生息している場所は、標高の高い山間部なのです。
また生息地としての補足として、人間の手が入っていない、昔から自然の残る環境を生息地として好む傾向にあるようですね。
ミヤマクワガタの寿命
ミヤマクワガタの寿命に関しては、少々複雑なところがあるようです。
成虫になってからの寿命はわずか数か月ほどしかなく、活動を開始してからは冬を待たずして死んでしまいます。
しかし羽化した時期が夏の終わりや秋であれば、その年には活動を開始することは無く、地中で来年の夏までじっと動かず越冬します。
こうして翌年の夏に活動を開始したミヤマクワガタは、二回目の越冬はすることなく、その年のうちに死んでしまいます。
幼虫の間の期間は、成虫までの成熟が早いものだと10か月程度で成虫になる場合もあるのだとか。
しかし低温で育った個体は成熟が遅いため、成虫までにかかる期間が長くなってしまいます。
長いものだと1年以上もかかることがあり、こういう個体は長い期間を掛けてしっかり育ちますので、結果的に大型の個体が羽化する可能性があると言います。
また羽化が遅れてその年に活動をしなかった個体を無理やり動かそうとしない方が良いです。
また土に潜っていき、活動することは無いばかりかいたずらに体力を消耗し、そのまま死んでしまう事もありますので注意しましょう。
ミヤマクワガタの値段
ミヤマクワガタは国内でも一般的なクワガタではありますが、あまり見かける事も多くなく、近年では珍しいクワガタとしても認識されているようです。
そのため野外で採集することも容易にとはいかず、どうしてもミヤマクワガタを入手したいという場合には、ショップで購入する方法が最も簡単で確実な方法ではないでしょうか。
そんなミヤマクワガタの値段は、サイズによってかなり開きがあるようですね。
50㎜程度の小型の個体であれば1,000円台から購入する事ができるようです。
60㎜台になれば3,000円~6,000円くらいが相場でしょうか。
70㎜を超えてくるような大型個体であれば、1㎜大きくなるごとに値段が2,000円くらいあがるようです。
値段は15,000円w軽く超えてくるようになることからも、それだけの大型個体はやはり希少価値が高いのでしょうね。
まとめ
ミヤマクワガタは人間の手が入っていない、自然が多く残る標高の高い山間部を生息地として好みます。
そのため気温が高すぎる環境は適しておらず、比較的涼しい環境が生息には適しています。
名前のミヤマも「深山」ということからもその特徴が伺い知れますよね。
寿命に関しては成虫になってからは短く、わずか数か月程度です。
ただし、夏の終わりや秋に羽化してしまった個体は、次の夏まで越冬することができます。
この場合も二度目の越冬はしませんし、越冬する場合も餌も食べずにまったく活動しませんので、実際に観察を楽しめる期間は短いと思っておきましょう。
値段に関してはサイズによってまちまちです。
中型のサイズならペアで3,000円くらいもあれば購入できます。
大型個体なら10,000円以上する場合もザラですので、大型の個体は希少価値が高いと言えるでしょう。
有名で人気があり、どこかカッコいいミヤマクワガタ。
一度じっくり観察してみたいクワガタムシですよね。
ミヤマクワガタの飼育方法
ミヤマクワガタの飼育方法に関しては、以下の記事で詳しく紹介していますので、ぜひご覧ください。
その他のクワガタムシについて
その他のクワガタムシについては、以下の記事で詳しく紹介していますので、ぜひご覧ください。